映画・テレビ

2009年11月21日 (土)

映画『2012』

Photo予告編で見た時から「これは凄い映画になりそうだ」と思い、楽しみにしていたローランド・エメリッヒのパニック巨編。見て間違いなし、そのド迫力映像はかつて見たことがないほどに強烈だった。

この監督の映画は独特の吸引力がある映像センスに尽きる。そこにユーモアのあるキャラクターが配備され、ドラマティックな映像とドラマに感動するのだ。

『スターゲイト』『インデペンデンス・デイ』『GODZILLA ゴジラ』『デイ・アフター・トゥモロー』。出てくるキャラクター像は例えば政府高官であったり、科学者であったり、キリリとした知的キャラが目立ち、等身大の家族ドラマも盛り込まれる

大よそエメリッヒの集大成的な内容の『2012』でしたが、破格のスケールとはまさにこのことで、街並みが次々と破壊されていく映像はやたらとリアル、CGもここまできたかと固唾を呑んだものです。

その最中にジョン・キューザック扮する主演とその家族が猛烈な生存をかけて街から街へと車で疾走し、危機をくぐりぬけて行く様がジェットコースターの如く展開されます。崩壊しかけのビルを突っ切るところなど、すんごい場面もあるのだ。

絶対、死ぬでしょ!って思うような場面でも助かるのです。その辺はスリル満点で痛快でさえある。

地球内部が熱せられ、プレートは崩壊、非常に凄惨な地球規模の破壊故に、助からない人々の姿も克明に映し出されていく。助かるだろうと思っていた人物が助からなかったり、そういった天変地異における惨劇は容赦なく描かれていると思う。

軍隊が登場しなかったのが意外でしたが、もはや戦争もへったくれもあるまい。最上層の人物達が種の存続をかけて奔走する様を、地質学者(キウェテル・イジョフォー)米大統領(ダニー・グローバー)、首席補佐官(オリヴァー・プラット)を中心に描き出し、各国政府首脳が極秘裏に建造していた“巨大船”の登場へ向けて映画は盛り上がりをみせます。

地質学者のちょっとくさい演出や、危険回避で万歳など、引いてしまいそうになるベタな演出もあることはあった。しかしながら、エメリッヒ作にありがちな“後半トーンダウン”があまり目立つ事無く、あまりに巨大な船の造形がまた素晴らしくてラストまで見応えたっぷりな作品になっていたと思う。2時間越えで製作したのは正解だろう。

これから見る方は、巨大船はどんなものなのかとか、どこで建造されているのかとか、どうやってそこへ人々が繋がっていくのかとか、どれほどの破壊スペクタクルが見れるのかとか、様々な憶測を胸に劇場へGO!してもらいたいと思います。おそらく間違いのない映像が堪能できるのでは・・。

Photo_2 私はてっきり地球は崩壊して、人々は宇宙へ飛んで行っちゃうのかなと大きな予想をしていたのですが、そこは違っていました(苦笑)。これについては劇中の人物がさらりとセリフを流してくれて、皆同じ思い!?だったのかなと妙に安心したものです(笑)。

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アダム・ランバートが歌うエンディング曲も注目。

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2009年11月19日 (木)

映画『おと な り』

Photo_3ちょっと風邪気味で体調がすぐれないのでアクション映画は控え目にしつつ、選んで借りた作品がこれ。なんとなく癒されそうな気がしたのですが、なかなかいい映画だった。V6の岡田君麻生久美子主演作。

タイトルの通り、お隣通しの物語なのですが、この映画に登場する男女ふたりは最後の最後まで会うことはありません。

友人の人気モデルの撮影などで多忙ながらも、風景写真が撮りたいと 現状の仕事に満足できないでいるカメラマンの聡(岡田准一)。一方、フラワーデザイナーを目指してフランス留学を控えつつ、花屋でバイトをしている七緒(麻生久美子)

30歳の男女の揺れ動く心情を、自然に、淡々と描くことにより、親近感さえわいてくる作品になっていると思う。

ひとり暮らしをした事のある人なら分かるな~って場面が出てきます。このお隣通しはちょっといくらなんでも音や声が筒抜けで、プライベートもあったもんじゃないかと思うのですが、30代にしてさすがに大人な雰囲気なので嫌らしさ皆無、鼻歌やコーヒー豆の音、音楽など聴こえてきても、信頼関係すら感じさせる隣人通しでいい感じです。

隣に引っ越して来たなら、最初挨拶くらいはするだろうと思うのですが、どうも互いの顔は知らない設定になってます。で、ラストで思わぬ繋がりから顔を合わすことになるふたり

どういう経緯で出会うのかなと、楽しみにしながら見るのですが、そこは映画らしくしっかりドタバタや涙ながらのシーンも用意され、見応えのあるものになっている。最低ですよね、あのコンビニ店員。なんか、突然の展開だったけど。

あの、ひとり暮らしで思い出したのですが、最も嫌だったのは隣のベース音でした。ボン!ボン!とやたらと響くんですね。風邪をひいてるときとか、体調の悪い時にこの音が鳴り出すと、頭痛が酷くなりますから。勘弁してくれ~と思ったものだ。

ひとり暮らしするなら絶対防音設計がいい。若いうちは贅沢なんて言っとれんだろうけど、働いているものからすれば、快適な生活がしたいものだろう。

Photo_5映画では隣の音が、かえって安らぎさえ感じさせるものになってます。なかなかにステキな感じです。そら~、あんな素敵なお姉さんが隣に住んでいたら、いいですよね。岡田君は随時かっこいいです。これ、風邪ひいてる時に見ても、頭痛のしない、なんだか幸せな気分になる作品だった。

エンドロールの演出も洒落ている。

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2009年11月 9日 (月)

映画『セブンティーン・アゲイン 17 AGAIN』

17againタイトルからして、“17歳、あの頃をもう一度”、こんな感じでしょうか。「ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー」のザック・エフロン主演で贈る青春ドラマ。アメリカの学園モノって、なんか見てて楽しいですね。面白いです。

37歳の男がある日17歳に!っていう触れ込みなので、てっきり17歳の時代にタイムスリップする物語だと思ってました。ところがどっこい、主人公37歳の親父は川に落っこちたのを境に、現代にて17歳の自分の姿になってしまい、学園生活を送ろうとします。

要所要所で『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を思い出すようなシーンもありますが、過去に戻るわけではないので現代がいきなり様変わりするわけでもなく、中身37歳、外見17歳の男が起こすドタバタが面白可笑しく展開されます。

元々主人公のマイクは高校時代バスケの花形選手で将来有望であるにも拘らず、恋人スカーレットの妊娠が発覚したのを機にバスケを辞めてしまい彼女との人生を選びます。現代では幸せな家庭を築いているはず・・が、妻とは離婚調停中、ふたりの子供たちにはバカにされるというダメ親父振りで仕事でも出世コースの軌道からモロにはずれている始末。

そんな時何故か17歳のあの頃の肉体になってしまった。親友ネッド(トーマス・レノン)の力を借りつつ娘&弟が通う高校に入学し、ドタバタ・ライフを送る。

いいな~17歳になったらどうするべ?そんな状態になったら!!

てか、そんなことはありえないのだけど、まず身を隠すとか、元通りになるにはどうしたらいいかとか、考えるだろう・・と想像するのだけど、なかなかに主人公は嬉しそうに学校に入学・潜入する。

いじめられている息子の姿を見てかばったり、娘の恋愛相談に乗ったり、悪大将との喧嘩など見所はたくさんありますが、離婚に向けて動き出している妻とのやりとりが最大のハイライトとなる。崩壊しかけている家族の再生の物語になっているのですね。

ノリのよい展開なので楽しいです。ちょろちょろ懐かしい音楽も流れる。クスクスと笑っちゃうシーンが随所である。

37歳のマイク役のマシュー・ペリーは17歳のザックとあんまり似てないので違和感はあるものの、ダメ親父の役としてはピッタリ?だったかも。親しみやすそうな感じがいい。

割り入って、親友役のトーマス・レノンがまたクセのあるキャラでなかなか洒落たセリフもあり可笑しかった。学校の校長とのロマンスに発展するあたりも見所のひとつ。とにかく、アホっぽくて笑える。『ロード・オブ・ザ・リング』の話題・・・共感する話があるとそんなに熱くなっちゃうのか!?なっちゃう・・のか。

17again_4嫁さん役の女性もあんまり高校時代と似てなかったけれど・・。中身37歳のマイクと踊ったりするシーンもあり・・彼女はその少年がマイクだと思っていないが、マイクはマイクだから視線が違う。で、いい感じになって、嫁にチューしようとするマイク。変態!熟女マニア!と呼ばれるマイク(笑)

バタバタ・ドタドタ、やっぱり学園モノはオモシロイ!ということで、オススメですw

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89年の話だから、もっとその当時のロック系音楽が流れれば嬉しかったが・・
ケニー・ロギンスにはニンマリしてしまった。

追記※メインは現代の話です。

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2009年11月 5日 (木)

映画『あなたは私の婿になる THE PROPOSAL』

Photo_2そんなに見たいと思った映画ではないですけど、サンドラ・ブロックが出てるし、タイトルが可笑しいのでレイトショーで気楽に立ち寄ってみた。これが面白いのなんの(笑)働く全女性必見の作品かもしれません。

“隣のお姉さん”として高感度抜群な彼女。『デモリションマン』(93)の時から注目してましたが、映画『スピード』(94)で一躍有名になり、シリアスからコメディまで難なくこなしている印象の女優さんです。

只、前作の『シャッフル』(07)がどうもパッとしない作品だったのでもう終わりかな・・なんて失礼なことを思ったのですが、やっぱりロマコメがお似合いのようで、キュートな若々しさが今回復活してました。

NYの出版社で働くカナダ人のやり手編集長マーガレット(サンドラ・ブロック)は社内からは“魔女”として恐れられるアラフォー女性。ある日ビザの期限切れにより国外退去せざるを得ない状況に追い込まれ、上からはやむを得ずクビの通達が。その時とっさの判断で、これまで3年間こき使ってきたひと回り下のアシスタント、アンドリュー(ライアン・レイノルズ)との偽装結婚をもくろんだ。キャリアを棒に振りたくないアンドリューは渋々ワケが分からないまでにも婚約を承諾する。パワハラですな。

日本でも、かの男女雇用機会均等法以降、女性の社会進出がクローズ・アップされていますが、アメリカの女性の方がやはり自立精神が強いのか、かなり強引な女性像がこの映画でも映し出されています。

この、特に前半描かれる強引さがある故に、この映画は後半へなだれ込むにつれて面白くなってきます。能力のない男は即、クビ!・・強力です。この強力さは独り身だからというのも災いしているように見える。

仕事と家庭をうまく両立させている夫婦は多いし、もう、さっさといいパートナーを見つけなさいよ、マーガレット!!なんて声が聞こえてきそうですが、そう、そこには既によいパートナーがいたのですよ、という展開。

主演の二人、ラストがどうなるのか大まか予想がつきますが、そこへ辿り着くまでの展開が実に上手いです。

アンドリューの実家がアラスカにあり、随分な豪邸。またそこのファミリーがやんわりしていて愉快なのだ。おばあちゃんなんか、最高にナイスな女性です。その優しさに触れたマーガレットに変化が訪れはじめます。

Photo_3 3年間、仕事上ながらも長い付き合いのあった魔女と草食男子。アラスカでの同居で互いの知ってる部分と知らない部分を確かめ合い、真実の愛に目覚める・・。偽装結婚のはずが、嘘偽りのないものになったというハッピーエンド。まぁ、一番驚いてしまったのはサンドラのセミヌードだったのですが。

まだまだいけてますね、サンドラ・ブロック。製作総指揮を兼任しているだけに、彼女の魅力が全開していたと思います。

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2009年11月 4日 (水)

映画『ホワイトアウト』

Photo_2はぁ~寒くなってきましたな~。この映画を見るとさらに凍て付きます。『ホワイトアウト』っていうタイトルですけど、あの織田裕二が出ていた映画とは違います。ケイト・ベッキンセイルが連邦捜査官に扮したサスペンス・スリラー。

これ、雪が降ってる日とかに見ると、尚雰囲気出ていいかもしれません。“ホワイトアウト”とは雪が舞い上がり、視界が白一色となって方向感覚を失ってしまう現象。

監督は『60セカンズ』(00)、『ソードフィッシュ』(01)のドミニク・セナ、製作にジョエル・シルバーが関わっているとあらば見ないわけにはいきません。

時は1957年、冒頭からロシアの輸送機が登場し、機内には何やら怪しい“お荷物”が。途端にドンパチが始まりだし墜落~・・。そして舞台は現代の米南極基地へ。

真っ裸で走ってくる男数名、おりました、意味が分かりません(苦笑)そして基地内部へ行くとなんだかパーティ気分です。あ、真面目に研究している人もいる。

ここで主演のケイト・ベッキンセイルが登場します。かつて『セレンディピティ』や『パール・ハーバー』(01)のヒロイン像が印象的でしたが、最近では『アンダーワールド』シリーズのヴァンパイア役のイメージが強いです。

今回の映画でもストイックなまでにカッコよく、美しい姿を お披露目されています。謎の殺人鬼と対決する捜査官キャリーをクールビューティーなまでに好演。キャリーは仕事を辞める予定・・という設定。

あの犯人、何故いきなりピッケルを持って襲ってくるのか、あまりの怪しさに「え・ええーっ、、??」って感じになるのですが、そこは冒頭のロシア機、発見された他殺体に繋がるはず。しかしどうも意味がわからない展開で途中眠気に襲われそうになるのだった。

スリラーらしく突然驚かされたり、極寒の中での痛々しい傷のシーン、自然の猛威と芸の細かい仕上がりにはなっている。ひたすらクールな主人公がいい。あの地中深く眠るロシア機へは、全員入らずにひとりは上に残っとけって、思いましたけど。案の定、皆雪に埋もれるが、奇跡的に脱出するのだった。

犯人は何故あんなにしてまで人を殺さなければならないのか、動機が弱い。いや、話自体がややこしい。悠長な展開がもどかしく、もっとスピーディなまでの簡潔さが欲しかった。冒頭の場面は「これは面白そうだぞ~」って、思ったのですが・・

Photo一番怪しいな、と思った人物が実はそうであったり、今や連邦捜査官の主人公の警官時代の痛い過去など、厳しい職務における人物の内面を掘り下げようとする作り手の工夫は感じられた。

主演が魅力的だし、見て損をした気分にはならなかったけど、寒い中、寒い気持ちを胸に劇場を後にしたのだった。

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↑ベッキンセイルはこの作品が縁になり、監督だったレン・ワイズマンと結婚

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↑ジョエル・シルバー印炸裂の作品。面白かったな~

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2009年10月29日 (木)

映画『おっぱいバレー』

Photoタイトルが安っぽいし、予告編で仲村トオルがハンサム顔で「ナイスおっぱい!」なんていうし、映画館ではちょっと見る気になれなかったこの作品。けど、実話ベースの話らしい。主演の綾瀬はるかの魅力に癒される爽やかな映画だった。

いきなり冒頭から怪しい手つきで自転車を乗り回す中学生5人組の姿。彼らは妄想いっぱいな紛れもないおっぱい星人だ。

確かに、こういうエロネタは随所に散りばめられている。『11PM』を見ていてHなシーンが出るのかと思えば釣りの特集でがっかりだったり、ストリートに落っこちているエロ本であったり、あの頃の男の子なら誰しも遭遇したかもしれないネタがある。

時代設定は’79年とあり、出てくる音楽も違いちょっと自分の中学時代(80年代後半)と背景がずれていますが、学校の風景を見ていると当時の学生時代を思い出すような懐かしさは滲み出ていました。

新任国語教師の美香子(綾瀬はるか)が顧問を引き受けた男子バレーボール部がおっぱい星人の彼らであり、「君達が頑張るなら何でもする」と美香子が口走ったが為に「試合に勝ったらおっぱいを見せる」という滅茶苦茶な約束をさせられる展開に。

しかし、先生のおっぱい見たさに部活を頑張るなんてことは普通ありえないですけどね。いわくつきのおっぱい星人であるダメダメな劇中の5人はとにかくおっぱい見たさにバレーの試合で勝てるように頑張りだします。見せるわけないよね~と思いつつ、どんな展開になるのだろうと登場人物を追っかけます。

5人では試合が出来ないからと優等生的な少年がひとり加わったり、幼馴染の少女が出てきたり、美香子の元彼の登場、前任の学校の苦い経験、お世話になった先生・・など真面目な話も出てきて飽きない仕上がりになっていた。“万引き”のシークエンスが一番感動的だったかな。

Photo_2ちょっとした笑いや泣かせるシーンもあり、爽快なまでにまとまっている快作だったなと。それもひとえに綾瀬はるかの透き通った魅力が良かったのかなと思います。彼女を見ているだけで癒されるような作品だった。

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2009年10月28日 (水)

映画『スラムドッグ$ミリオネア』

Slumdog1_2

傑作の呼び声高い“Slumdog Millionaire。第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門を受賞したとある。あんまり持ち上げられると返って見る気が失せることもあるのですが、傑作なのかどうかはさておき、まずは拝見致しました。

『運命』というものがキーワードになってます。これは運命だったと。

ミリオネアは日本でも「ファイナルアンサー!」でお馴染みの、みのもんた司会のクイズ番組が有名ですが、これ英国発祥だったとは初めて知りました。オリジナルは“Who Wants to Be a Millionaire?”という題名らしい。映画ではインドの人気番組という設定です。↓以下、ちょいネタバレご注意

『運命』 ・・そう言われればそうなんだろうねと、納得せざるを得なくなる展開。「運命は自分の手で切り開くもの」なんて言葉がふと過ぎるのですが、努力して変わろうとする姿ではなく、全て運命に支配されている事を前提にしている話ならば、鑑賞後のスッキリ感はあまり無いのではないかと思う。

ムンバイのスラム育ちの青年がミリオネアにおいて何故か次々と答えを解いていきます。
映画を観る前に不思議だったのは、何故主人公の青年が正解を連発するのかということでした。何か番組上に裏工作があるのか、影の立ち役者がいるのか、女性への思いがきっかけになり猛勉強でもしたのかとか、色々考えながら観るのですが、子供の頃のスラムでの過酷な生活と番組の進行が同時に流れ始めて「ああ、こういう映画なんだな」と知る事になります。

彼の人生そのものがミリオネアの『答え』になってます。これはいささか都合の良い展開で「あれ?」だったのですが、紙面上ではなく経験を積んでこその『勉強』『学び』だと捉えることもできる。流れを見ていると、番組の進行よりもむしろその過酷なスラムの貧困が気になって、インドってこんなに酷いのかと青ざめることになる。こんな経験はしたくない、させたくない、と思うだろう。目を潰された子供の姿が忘れられない・・・。

仲の良かった兄が離れたり寄りを戻そうとしたり、生き延びる上では致し方なかったのだろうが、描き方がやや雑な感じもしました。主人公の弟は案外したたかに生きているようにも見える。

離れ離れになった幼馴染の女性を思い続けるが故に、あるときコンタクトを計ろうとする青年ジャマール。

きっかけはミリオネアへの出演。特別大金が欲しいわけでもないようだが、次々と4拓方式のクイズを正解していく。

司会者のおっちゃんは番組の表ではいい顔をしているが、裏では嫌味な奴である。みのもんたのキャラクターとは意外とあまりカブらない。ジャマール最後の一問となったところで一旦打ち切りになり、ファイナルアンサーは次の日となった。なんとこの時、彼はインチキ容疑で警察に拷問を受けている。

Slumdog2_3なんとか最後の出演を得てファイナルアンサーなのだが、ここで私はてっきり彼が問題を間違えて、彼女との愛を成就させるものだとばかり思った。なんか、“運”が良過ぎるんですね。大金を手にしなくても、自分達の手で築き上げていく幸せがきっとある、というような終わり方になるのかなと思ったのですが。

良い映画だったとは思いますが、貧困や暴力と、ラストのエンドクレジットにさえも大きな差を感じてしまいました。これが現実、なのでしょうか。

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2009年10月20日 (火)

映画『ラスト・ブラッド BLOOD: THE LAST VAMPIRE』

Photo『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョンが出ているからと、なんとなく見たこの映画。DVDのチャートも上がってるし、結構面白いのではなかろうかと見たのですが、まぁまぁでした。ワイヤーと剣を使ったアクション・シーンが多いです。

ジヒョン演じるサヤの育ての親であるカトウさん役に、日本が誇るカンフー・スターの倉田保昭氏が出演しているのも話題。

予告編で見たとき、何故に戦いに赴くジヒョンがセーラー服を着ていたのか謎だったのですが、女子高生役(少女)という印象付けが必要だったのかなと。

いたいけな少女がバッサバッサと恐ろしい形相の『オニ』を刀でぶった斬るところがビューティフルに映りいいのかもしれない。確かに、映像的には面白いものになっていた。

これ、アニメが原作だったとは失礼ながらも知りませんでした。そうか、そうだったのか・・そっちには興味なくてごめんなさい。

『オニ』っていうから頭に角が二本あって、全身赤いイメージがあるのだけど、ヴァンパイアでいいらしい。主人公がハーフであったり、戦いぶりを見ていると『ブレイド』シリーズや『吸血鬼ハンターD』を思い出す。『ブレイド』ほどのアクションにおける爽快さはないけれど、ここはやはり女の子が戦っているのが一番のポイントだろう。

この映画に出てくる『オニ』は何百年も前から日本に住み着いていたらしい。しっかりオニの起源があり、しかもそのオニはかなりの美女のようである。その“オニゲン”を演じるのは小雪。オニの元だからオニゲンなのか!?

ベトナム戦争がクローズ・アップされ、米軍基地が舞台になっていたのは意外でした。違和感無くアメリカの映画に見えるが、これフランスと香港の合作なんだね。CIAのふりをするオニ退治の秘密組織の人物とか、いったい何者なのかもうちょい説明が欲しかったような。

戦争とオニ退治が絡んでストーリーが進むのかと思えばそうでもなく、生まれ育った起源をたどり、迎え撃たなければならぬ少女の宿命がメイン。

Photo_2ラスト・バトルはさぞ凄まじいものになるだろうとちょっと期待したが、なんか違っていた。それもそのはずオニゲンの正体は・・。次にオニゲンになるのはサヤ本人ではないかと妙に心配しつつ、エンドロールを迎えるのでした。ジヒョンがかっこいい&かわいいから全てを許せてしまう映画でもある。

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2009年10月18日 (日)

映画『ヤッターマン YATTERMAN』

Photoご存知、国民的人気アニメの実写版。’77年に『タイムボカンシリーズ』第2弾として放送され子供の頃楽しんで見ていた記憶があります。昨年からリメイクが放送されていたが、こっちはまったく見ていなかった。見るなら実写版!ということでようやく拝見。

これを映画館へ観に行くのはちょっとな~と躊躇してスルーしていたのですが、DVD化にあたり観たところ、アニメの実写版にしては素晴らしい出来具合だと思った。

キャスティングも気になっていたのですが、これがまたハマリ役。ヤッターマンのひとりガンちゃんは櫻井翔が担当、違和感あまり無しでちょっとユル系キャラ!?。ガンちゃんのガールフレンドであるアイちゃんは福田沙紀が自然体で好演。

アニメのヤッターマンは悪玉トリオ3人のイメージの方が強く、これは『タイムボカンシリーズ』通して強く印象に残っているのですが、あのお色気悪女ドロンジョを深田恭子が演じるのはちょっと意外でした。ドロンジョの設定年齢って、意外と若かったんだな~。

ボヤッキーとトンズラーに生瀬勝久とケンドーコバヤシが演じていたけど見事にハマッている。

Photo_2インチキでもやたらと商売人だったりする謎の悪玉トリオなのですが、メカを操るのも超一流・・と思いきや、なんだかいつも自虐的。ほとんどビジュアル&キャラ重視で戦闘能力希薄なロボに見えるが、映像的には充分楽しめるようになっている。

「全国の女子高生のみなしゃ~ん」「ポチッとな!」「ぶたもおだてりゃ木に登る」「おしおきだべぇ~」など数々の名言が蘇る。おしおきが趣味のドクロベエは声がいっしょで嬉しい。

「おだてぶた」は悪玉ドロンボーメカ全てに搭載されており、おだてられて調子に乗った人間が発する特有の波長に反応して登場するらしい。他、主に出てきたメカは次の通り。

とりあえず実写版では目立って3体のメカが出てきた。男の手料理をモチーフにした「ダイドコロン」、色気を放出する「バージンローダー」、最後に登場するイカ+タコみたいな「イカタゴサク」

この「イカタゴサク」。ヤッターマン側のメカ、ヤッターワン及びヤッターキングの小型応援メカである“ビックリドッキリメカ”をパクったかの小型ハマチ・メカを搭載している。ヤッターキングの小型トビウオメカに対抗して生み出された品物であるが、ハマチからブリへ順調に出世街道を突き進み、ドロンボーの勝利へ導くと思われたが、出世しすぎて言う事を聞かなくなるのだった。自爆。

Photo_3時代に合わせ、ETCを装備したヤッターワンにも注目。飛ぶことは無いが海上をホバー走行し、世界中どこへでも行けるが、乗務室が無い為に乗り心地が最悪だ!!・・闘いに疲れてもメカの素(骨)を食べると元気が出る。

愛あるメカたちとともに存分にその世界を楽しむべし!とにかく、美術、セットも超豪華。

アニメ版が懐かしいな~まぁ、また見たいとはそんなに思いませんけどね(笑)劇場版アニメなら見てもいいかと思うけど。また見るとハマってしまいそうで怖い。

Photo_6ラブコメ・テイストもあり面白くキャラが描かれていたとも思う。ドロンジョとガンちゃんが・・ 「え?」なシーンもあるし。実写版オリジナル・キャラと思わしき考古学者の海江田博士(阿部サダヲ)と娘(岡本杏理)も存在感あった。顔が怖いし、博士そのものがドクロベエじゃないかと思ったけど。

岡本杏理はなかなか良い“間”を魅せていたと思う(笑)

サイコロ型ロボのオモッチャマ、かわいかったな。

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2009年10月15日 (木)

映画『カフーを待ちわびて』

Photo_2日々、情報まみれの生活をしているとちょっとゆっくりくつろぎたくなる時がある。せわしない日々を送る方々におススメの映画がこの“カフー”だ。映画という情報からゆったりしたときの流れを感じられる、なんだか懐かしいような光景。

元々田舎者、どちらかというと自然の中で育ってきたオイラですが、都会で過ごしたいと思うことはたまにある。まぁ、田舎でも適度な街ならいいと思う。

映画の主人公は沖縄の離島で家業の古びた雑貨店を引き継ぎ、愛犬カフーと暮らすぐーたら男の明青(玉山鉄二)。

今やネットも携帯もある時代だが、この島は外部情報皆無、病院すら無く、そこで暮らすことこそが全ての田舎。病院が無くても暮らせるということは、皆健康なのだろう。どこか異空間であり、昔ながらの良いところもある、昭和な雰囲気が子供時代を呼び起こす。

ある時、縁結びの神社で「嫁に来ないか」と書いた絵馬を何気に残した明青。相変わらずグータラな彼のもとに封書が届いた。そこには「私をお嫁さんにしてください」と書かれた手紙が入っており、数日後なんと手紙の差出人である幸(マイコ)という女性が家に転がり込んで来た。

色白美人の彼女はどこか包容力のある女性で、家事もこなし、違和感無くいつの間にやら家に溶け込んでいる。やがて島の人々に知れ渡るが、そこにリゾート開発の話が絡み、謎めいた彼女の正体が明かされる。

カフーとは、「果報」の沖縄の方言で「よい知らせ」「幸せ」の2つの意味を持つ。ファンタジックで、こと幸については秘密を保持したままストーリーが展開されるので「あんたは何者なの?」と、不思議でしょうがなかったのだが、ラストは多分「幸せ」なものになるだろうと思っていた。

リゾート開発のミスリードはやや話を安っぽくしてしまい惜しかったが、キャスト陣の役柄は皆良い人ばかりなので爽やかな作品。宮川大輔、白石美帆、沢村一樹、豪華キャストの中にも高岡早紀の存在が後の謎解きに繋がる。

のんびりした大自然の空気、ゆったりしたときの流れ、しかしこんなゆったリズムでは自力で食べて生きてはいけない。厳しい現実に明青はどう思うのか。仕事せーよと言いたい。

Photo_3ヒロインがなかなかに魅力的なので最後まで観れたものの、彼女の秘密が明かされるとちょっとダークな色調の映画になった。エンドロール後も話は続くので必ず観ておきましょう。ちょっと、爽やかさが戻る。

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