映画・テレビ

2009年7月 9日 (木)

映画『ファニーゲームU.S.A.』

Photo人との関わり合いの中で、プツンと神経が途切れることは無いだろうか。それは意図的に相手が「悪い行動」をしているのではなく、むしろ良い行動だと思って動いている中でも、そのあまりの人に対する無頓着さに嫌気が差してしまう瞬間。

外からはいい人に見えても、自分からは無神経で嫌味な人間にしか思えず。 協調性が試される。

この映画では一見、人の良さそうな青年の行動がどんどん悪い方向へエスカレートしていき、とんでもないことになる。

バカンスで別荘にやってきた夫ジョージ(ティム・ロス)妻アン(ナオミ・ワッツ)と一人息子。台所で夕食の準備に取り掛かるアンの前に気の良さそうな青年が現れ、隣の者だという彼は卵を分けて欲しいと丁寧な態度で申し出てきた。ためらわずに卵を分けてあげるアンだが、彼に渡した後、卵を落として割ってしまったという。

「しょうがないわ」ともう一度卵をあげるのだが、ここから先はプツンの連続。台所の上に置いていた携帯さえも水の中に落っことされる。プツン!

この時点ではワザと悪さをしているようには見えない仕草だが、もうひとりの横柄な態度の青年が来ると、事態はさらに急変する。思わず彼に手を上げた旦那のジョージは突然ゴルフ・クラブで殴られてしまう。

ここから理不尽極まりない過酷な“ゲーム”が始まりだした。

「問題作」と言われるだけにさすがに見てるものまで不快にさせる痛々しい・腹立たしいシーン続出。しかも残虐の極みのその後をワンカットで長々とみせるから辛い。

最低野郎どもに反撃に出ても、なんとリモコンを操る奴は映画そのものを逆回転させやがった!!反則技もいいところだが、そこが監督の狙いなのだろう。

「あなた、バイオレンス描写を楽しんで観てますね。」と。それはハリウッド映画への皮肉とも取れる。

オーストリア製作のオリジナル版(’97)は観ていなかったので比較できませんが、同じ監督のセルフ・リメイクにして“物議を醸した衝撃の問題作”であるのは理解できた。この映画の物語にはなんの救いもない。ひたすら暴力の不快さを見せ付けられる。

人に対して良い行いと思っていた行動が、予想だにしない仕打ちとなり返ってくる不条理。

Photo_2彼は何故卵を落としたのか、只の不注意?旦那が手を出さずにうまく話をしていれば済 んでいたのか。いやはや、計画的に人を不愉快にしている彼らは常習犯であり、リモコンを手にした瞬間、映画そのものの緊張が途切れてしまい、襲われた一家はもはや操り人形でしかないのに気付かされる。

あー・・・もう二度と見ることはないだろうと思いつつ、語り継がれる作品になったことは間違いない。“ファニーゲーム”、コメディかと思ったら、とんでもなかった。

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2009年7月 1日 (水)

映画『クリッター CRITTERS』

Crittersクリッター知ってる?ということで、長らく地元のレンタル屋からも葬り去られていたクリッターのビデオがDVD化され発売、20年程ぶりに観たのでした。80年代ど真ん中のB級SFホラー・コメディ。これを観ると君もクリッターの虜。

ストーリーなどほとんど覚えていなかったけれど、この作品はクリッターというキャラの魅力につきる。『グレムリン』に匹敵する強力な風貌は“キモかわモンスター”と呼ばれるだけはあるのだ。

赤く光る目、鋭い爪、尖がった歯、大きく割れた口。小柄で毛むくじゃらで、丸まって高速移動したり、愛らしい姿も狭間見えるが、凶暴でなんでも食べる性質。時に巨大化する。ゲゲゲの鬼太郎みたく、毛針攻撃で敵を一時的に麻痺させることもできる。

かなり知能が低そうな化け物だが、銀河系惑星の刑務所から脱走する凶悪犯罪者であり、宇宙船の操縦もお手の物。同種族間では言葉もしゃべる。

映像からして、今観るとさすがにチープでダークでイモな場面の応酬に言葉が出なくなるところもあるが、憎めない面白さがある作品。

特撮も上々で、『未知との遭遇』『E.T.』『ゴーストバスターズ』などの小ネタが味わえるのも見もの。

地球に来たクリッターをやっつける為に2人のバウンティハンターも登場する。ある意味クリッターよりも凶暴であちこち破壊しまくるのだが、こいつらも憎めないキャラ。元々は蛍光色の「のっぺらぼう」だが、お気に入りの地球人の顔に変身する。変身する最中はかなりグロテスク。

Photo主要舞台は田舎町の農業を営んでいる一軒家でして、4人家族の分かりやすい“アメリカ ン・ファミリー”の下へ嫌がらせをしにクリッターがやって来てしまうのだった。クリッターに噛まれて瀕死の重傷を負う親父、銃を構える母、彼氏が殺されちゃう姉、爆竹を駆使して応戦する弟。機転の利く弟君はハンターと協力して活躍する姿が勇ましい。

独特のユルさ、“間”が思わず笑ってしまうこの映画。シリーズ化され、4作目まで製作されている。昔ビデオで全て観てるはずだが、まったくストーリーを覚えていないので今後再確認する予定。

↓劇中やたらと目立つテーマ曲



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2009年6月24日 (水)

映画『デイブは宇宙船 MEET DAVE』

Meetdave1_2久々のエディ・マーフィ主演作だからと、なんとなく観てみたSFコメディ。地球人サイズの人型宇宙船自体が彼なのですが、それが可笑しくて笑える笑える。で、その中にいるちっちゃい船長も彼の姿。

規律正しいクルー多数を乗せ、地球に降り立ち運行中。

何しに地球に来ているかというと、故郷の惑星ニルを救う為、必要な塩を求めてはるばる遠くから飛んできたのだった。

で、その前に、海水を全て吸い取る為の道具である金属球も飛んできている為、まずはそれを探し出すことに。

金属球はNYのアパートでママと暮らす子供、ジョシュの前に隕石のごとく飛んできていた。

ジョシュのママ、ジーナと偶然交通事故で衝突したエディ宇宙船。大した傷跡は無く、やがて不思議なまでに交流が芽生えるエディ宇宙船とジーナ、そしてジョシュ。地球人はそれが宇宙船であることを知らない。どう見ても怪しいのだけど。

Meetdave3ジーナ役には『スパイダーマン』、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のエリザベス・バンクス が扮し、未亡人のコミカルなベッピンさんを自然体で表現。


Meetdave4これ、宇宙船の中身です。両目が窓になっていて、外が見えるんだな。両腕とか、口の中とか、ちゃんと操縦&掃除などをする人材がいて、各パーツ動いている。ほとんど良く分からん構造の宇宙船ではあるが。

地球人の野蛮で奇妙な光景を多数目撃するエディ宇宙船の船長達だが、ジーナ達から愛を学び本来の任務よりも大切なものを感じ取っていく・・ていう展開が意外だった。

キャッチは『愛は地球を救う』がピッタリ(!?)かな。エディ宇宙船のへんてこな動き、へんてこなセリフに笑いつつ、ラブ・コメなエッセンスがいい感じ。船長の側近であるNo.3(ガブリエル・ユニオン)の乙女心とかいいね。

これはホントに、思っていたよりも笑える面白い映画でした。さすがはエディ・マーフィ!って、もう結構な年齢だと思うけど、映像も凝っていて良かったです。なーんも考えずに見て楽しめる。おバカな警察官のコンビとかも印象的なキャラだったな。

何故に未公開?と思って調べると、本来昨年の12月には日本でも公開されるはずだったようで。一旦延期になり、結局未公開作になりDVDリリースとなった。

Meet_dave_1素晴らしく製作者の愛を感じる映画だ。・・なんてこと言ったら大袈裟か(汗)アメリカでコケたのが分からんでもないけど、不思議なくらいオモロイ作品だった。まぁ、結局地球に何しに来てたんだ?っていう話でもあるけどね(笑)

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2009年6月23日 (火)

映画『トランスフォーマー:リベンジ TRANSFORMERS: REVENGE OF THE FALLEN』

Photo_2早いもんで、前作からもう2年。ヒロインのミカエラ(ミーガン・フォックス)もすっかり色っぽくなり、サム(シャイア・ラブーフ)は大学生になった。しかし普通の生活などできるはずもなく、またロボ同士の戦いに巻き込まれる。

なかなかにファニーな場面が愉快でサムのご両親も健在。オタクっぽいルームメイトや解体されたセクター7のあのおっちゃん(ジョン・タトゥーロ)も出てきて面白い。

もはやホントにそこにいて、「生きてますねっ。」て感じのリアルなCGロボ達。前作以上にわんさか出てきて、善VS悪の分かりやすい構図でまたまた壮絶な戦闘を展開してくれる。

既に“脅威の映像革命”は前作で十分体験済みだし、わくわく感はやや薄れておりますので、どういう展開でそれらを乗り越えて魅せてくれるのかという思いがありました。

ストーリー性はとりあえず置いといて、コマイのが出てきたり、デカイのが出てきたり、弱いのが出てきたり、強いのが出てきたり、俊敏だったり合体したり、悪の軍団ディセプティコンって、何でもありなんですね。かわいい美少女に擬態するメカも出てきて、そりゃ~ないぜよという感じで。

この間観た『ターミネーター4』がかすんじゃいましたね。「ターミネーター」よりこっち観たほうが面白いぜ!なんて言われている様な映画だな。

世界を駆け巡り、お構い無しにあちこち破壊しまくる映像がたっぷり堪能できる。もう、ええだろ、もう・いいだろ?と脳裏に浮かべどもどんどん派手な破壊アクションが展開されていく。『ザ・ロック』(96)、『アルマゲドン』(98)等、マイケル・ベイの作品が好きな者にとってはたまらん作品だ。お決まりの映像美、勇壮&壮大なBGMがまたいちいちカッコイイ。

善玉のオートボットと米軍により組織された“NEST”なる秘密部隊が出てきた。チームワークもスムーズに連携していて、世界各地をひとっ飛びする。オバマ大統領も置き去りか、軍事力は相当なもんだ。ロボットだけでなく、米軍の力具合をやたらと強調している場面も目立つ。

オプティマス・プライムが倒れたシーンは「あっちゃーっ」て悲しくなりました。実はこの緑地戦でのロボ同士の戦いは妙な違和感があり、CGの限界をふと感じたのだが気の所為でしょうか。芸の細かいロボの動きがよく分からないのも前作以上である。

上映時間が長いからか、途中ちょっと中弛みもしたが後半のエジプトでの戦闘が大迫力。ピラミッド破壊しまくりで、ええんかい!!と突っ込みを入れつつ、やりたい放題な場面に身を乗り出している自分に気が付く(笑)ちゃんと許可をもらって撮影したらしい。凄い見せ場だ。

Photo_3サムとミカエラの関係もいい感じでフィナーレを迎えますが、キャラの濃いロボ達こそ主役。そしてアメリカの軍事力。この戦いはまだ続きそうである。子供さんが観たら喜ぶだろうな~今度は何処を破壊するのだろう・・

1作目ほどの感動はなかったようでいて、スケール・アップしていた2作目でした。エンドロールがまたモダン・ハード・ロックしていてGOODです。

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2009年6月19日 (金)

映画『戦場からの脱出 RESCUE DAWN』

Rescuedawn

ターミネーター4』公開が話題の中リリースされたクリスチャン・ベイル主演の未公開作。ベトナム戦時下の’65年にラオス上空で撃墜され、捕虜となった米軍パイロット、ディーター・デングラーの壮絶な体験記・実話が劇映画化された。

監督はドイツ出身のベルナー・へルツォーク。失礼ながら、まったく知らなかった監督さんだが、ニュー・ジャーマン・シネマの代表的監督だといわれている。

既に’97年に同じ題材のドキュメンタリーを製作していたようですが、今回ベイル主演で映画化に踏み切った。

何故にベイル主演なのか?かの『マシニスト』(04)で極限に痩せ細った姿を披露した彼の役者魂がここでも再発したようで、捕虜生活後の経過を減量により体現。『バットマンビギンズ』(05)、『ダークナイト』(08)の端正な姿はここにはないですが、痩せたり、ムキムキになったり、その芸当はもはや彼の得意分野になっているような気さえします

捕虜収容所での過酷な生活の中で綿密に脱出を計画するディーター。そこには既に2年もの間捕虜生活を送っているアメリカ兵の姿があった。

まさしく、ジャングルの奥地に放り込まれたような気分になるリアルな描写が思っていたよりもしんどい。ジブリ的な大自然の映像美が観られたのは意外だった。

銃を向け威嚇してくる見張り役の現地人達にもそれぞれのキャラクター像があり、彼らを分析しては脱出の計画を練っていく場面が頼もしいです。
現地の者からしてみればアメリカ兵は侵略者であり、また、米軍が何をしているのかさえ理解できていないのかもしれない。

どんな状況下に置かれても持ち前の精神性を崩さないディーターの眼差しが良かった。酷い収容所だが、捕らわれた仲間同士のやりとりに「ホッ」とする場面もある。

雨期を狙って収容所からの脱出を果たしたディーターだが、果てしなく広がるジャングルの猛威に戸惑う。生ヘビを貪り食うシーンは強烈だった・・。そして仲間の死も。

ディーターの行った空爆は極秘任務であるが為、身内のものにも内緒。やがて彼は運よく無事に救出されるが、CIAに拘束されたりもする。なんか、滑稽な場面。

大団円になるラストのお迎えシーンは大袈裟な気もしたが、あの、“二度目の救出シーRescuedawn_2 ン”には微笑ましいものがあり「そんなことしていいの?」って思った。地味ながら、なかなかユニークな場面が印象に残るサバイバル・アクション作である。

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2009年6月15日 (月)

映画『D-WARS』

Dwars_2このバカでかいヘビの宣伝写真がなかなか衝撃的でして、前から見たかった作品。上映時間90分だし、まぁ、安いB級映画かなーと思っていたのだが案の定そうであり・・。いや、それなりに楽しめた作品。

これ、主要な舞台はLAだが、韓国映画だった。昔話が出てきたときはコリアン・テイスト全開の悲恋物語(!?)が展開し、安っぽいCG映像に愕然とするが、「いったい何の話?」っていうのはさておき、後半の街を破壊するド迫力戦闘シーンは「おおっ」と身を乗り出して見てしまう優れものだった。

やへんてこなエネルギー砲を装備するゾウ+カバみたいな怪物、なんとなく凄みのある鎧軍団、そして突進する巨大ヘビ

軍隊はそんなファンタジー軍団になすすべが無い。人類の命運はサラ(アマンダ・ブルックス)という左肩に竜のアザがあるひとりの女性が握っていた。彼女、ジョディ・フォスターの『フライトプラン』(05)に出ていた女優さんだそうです。気が付かなかったな。

幼少期に古美術商の怪しいおっちゃんから聞いた話と運命的な前世の記憶に導かれ、サラとご対面するTVレポーターの青年イーサンに「THE JUON/呪怨」のジェイソン・ベア

韓国出身のシム・ヒョンレ監督の第2作にあたる本作、監督のモンスター映画・特撮への情熱は相当なものらしく、全米公開へ漕ぎ着けたのも並ならぬ苦労があったようだ。結果、全米では2275館で公開され、興収成績は初登場5位となり話題に。

さすがにその映像は見応えある。冒頭のCGは何だったの?」と言えるほどに後半のバトル・シーンが凄い。

別にファンタジックな描写や微妙なラブ・ストーリーはいらんから、徹頭徹尾戦闘アクションで突っ走ってくれたら良かったのに。

D-WARSの“D”って、ドラゴンのDだったのですね。最後に出てきたそれの造形美はなんともカッコよいではないですか。ドラゴンボールみたいだけど・・。暗いからよく見えないけど・・。 怪獣同士のバトル勃発

Dwars2_2随所でいろんな映画を思い出す場面があります。一つや二つじゃなくていろいろ(笑)まぁ、そんなB級感覚が楽しい映画なので、子供さんにはたまらない作品かもしれません。最後は切ない別れのシーンのはずだけど・・何も感じないところは漫画的。

製作の裏側を知ると、良く頑張った!よくぞ創ってくれた!!と、思わず応援したくなる韓国映画だ。

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2009年6月14日 (日)

お気に入りの映画DVD

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たくさんあるな~、持っている物で何回か繰り返し観たのは

まず、『スクール・オブ・ロック』。HR/HMが好きな者にとってはたまらない作品。初回限定版には伊藤政則氏の解説書が入っていました。

そして『バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション』。結末が異なる衝撃のディレクターズ・カット本編が付いている2枚組です。

寝る前なんかについつい引っ張り出しては見てしまう映画って、ありますよね~、、ないですか?(笑)そのまま眠りにつくという・・そして夢に出てきたりして・・そういうのはハッピーな作品が良かったりしますが・・まぁ、ハッピーな夢など見たこと無い気がしますが。


アクション物ではそうそう、スティーブン・セガールの初期の作品とか。『死の標的』『アウト・フォー・ジャスティス』が好きです。技のキレ具合がいい。

『ターミネーター』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などシリーズ化されたタイムパラドックス映画は観るたびに新たな発見があって面白いです。

パニック大作では『アルマゲドン』『インデペンデンス・デイ』あたりが何度も観たくなるほど好きな映画です。

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2009年6月 6日 (土)

映画『ターミネーター4 TERMINATOR SALVATION』

Photo_2「ダダンダンダダン!!!」オープニングからさっそくしびれます。子供のころ見たシュワルツェネッガーの代表作である『ターミネーター』の第4弾。シュワちゃんが何らかの形で登場するだろうと思っていたら・・なな、なんと!

舞台は既に荒廃した世界。スカイネットに支配され、生き残った人類は壮絶な戦闘を繰り広げていた。とある部隊で活躍しているジョン・コナー。今回主演に当たるのは坊主頭のクリスチャン・ベイルである。

シリーズ3作の強力なキャラクターとなったシュワ・ターミネーター〈T-800/T-850〉不在のまま物語は進んでいくが、今回マーカス・ライト(サム・ワーシントン)という新しいキャラクターを配し、その存在はスカイネット中枢部へと繋がっていく。

シュワ・ターミネーターがいないとなんか違和感があるというか、もう舞台は現代ではないし、ダークな色調からしてシリーズ中最も異色な出来具合。その世界観は『マッドマックス』のようでもあり、戦場の臨場感がびしびし伝わってくる。

劇場は昨日の夜、先行初日からほぼ満席でした。あ~、みんな楽しみにしてきているな~、なんて、場内の雰囲気から伝わってきますが、もしかしてこの『T4』は、過去のシリーズを知らない人でも楽しめるかも!?なんて思ったりも。

過去のシリーズとリンクするのは、当然ジョン・コナーの存在と妻ケイト、さらにいえばケイトが身ごもるおなかの子供。『1』でカイル・リースが持っていたサラ・コナーのあの写真も登場し、サラのテープも聞けた。そうそう、まだ子供だが、カイル・リースの登場には「きたっ!」て思いましたよ。

これら主要キャラを知らなくてもアクションが大迫力だから終末戦争ものとしてたっぷり楽しめるのではないでしょうか。トランスフォーマーちっくなロボも出てきて面白い。冒頭のテロップに「審判の日」が〈21世紀はじめ・・〉とアバウトに出ていたし、タイムライン上別次元と考えて観ても良いかもしれない。当初TVシリーズとリンクすると囁かれていたけれど、関係ないような気もする。

劇中(2018年)のカイル・リースがその後タイムスリップし、過去(1984年)、サラに宿した子がジョンで、その成長したジョンがまだ10代のカイルの目の前にいる矛盾。タイムパラドックスの連鎖は無数に広がる。カイルが死ねば、ジョンもこの世から「パッ」と消えるのだろうか。変えられる未来と変えることのできない未来もある。

ターミネーター友の連れは鑑賞後、微妙だったようですが、それは色調が違うのと、別の話(マーカス)を詰め込もうとしたがゆえに物語が散漫になってしまったせいかな。いろいろと謎も出てくる。

Photo_3ラスト・バトルでのT-800との闘いは『1』『2』を彷彿とさせ思わずニンマリする仕上がり でした。ここでシュワ・ターミネーターの登場!髪型まで『1』と一緒!!CG?そっくりさんですか?一体しかまだいないの!!?
まだ過渡期のスカイネットの話だ。

昔ターミネーター見た人も、知らない人も、新しいファンも、思い立ったら即劇場へ。

未来は変えられる。『T5』に早くも期待だ。

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※追記 『2』のガンズの曲があるシーンで流れたのもうれしかった。

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2009年6月 2日 (火)

映画『ハッピーフライト』

Photo_5 やっと観れた。『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』の矢口監督が描く群像劇です。最初は綾瀬はるかを主人公に持ってきたロマコメとばかり思っていたら、なかなかに真面目な仕事の話でした。

天然なところがかわいい綾瀬はるかのCAが印象的ですが、一緒に仕事をしたりするとたまにイラッとくるタイプです。

コメディとしては面白いけれど、内容は仕事ですから、みんな頑張りましょうってことです。

お客様に快適な空の旅を提供すること。管制塔、司令部、整備士、グランドスタッフ。機内ではパイロット、CAの活躍が繋がり、チームワークが描かれる。飛行機と鳥の衝突を防ぐために外で働いているスタッフもいた。

人間、やっぱりどこかでミスを起こすこともあるものですが、ひとりがうっかりミスをしたことにより他のスタッフにまで影響して仕事全体が狂いだすこともあるわけで、そこはチームワークの見せ所。

接客がグダグダになっても上司がフォローしてお客様に納得してもらったり、自分の専門分野でないところは他の部署にフォローしてもらったり。

できないことがあってもできることを最大限発揮してみたり、こうならない為にはどうしたらいいか、こうする為にはどうしたらいいか、こういうこともありうるのではないかと考えて行動してみたり、仕事をしていれば誰しも経験するような場面があるのではないでしょうか。

ハッピーっていうタイトルだからさぞ楽しいコメディだろうと思っていればそうでもなく、そりゃ多くの人命が係っている仕事だからシビアに描かれて当然といえば当然だ。

Photo_7ロマコメだと思って観ればトラブルいろいろ、ハラハラドキドキな空の旅。笑える場面はところどころある。感動的な場面もある。愚痴をこぼすこともあるが、みんな頑張ってます。無事に着陸できて良かったよ。

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2009年6月 1日 (月)

映画『永遠のこどもたち』

Photo_2レビューで『シックス・センス』や『アザーズ』がよく引き合いに出されるので気になって観た作品。宣伝でギレルモ・デル・トロ製作のダーク・ファンタジーとありますが、なかなかホラー色が強かった。

前出の映画のように欺くラストのどんでん返しを期待して観ると肩透かしを食らうが、悲劇的な物語の中に切なくも感動的なラストが印象的

ラストの感動シーンはBGMの効果が大きいが、いなくなった子への報いと母親の愛情が交差してなんともいえない気分に。

孤児院で育った主人公ラウラ(べレン・ルエダ)は夫と幼い息子シモン(ロジェール・プリンセプ)と共に再びその地へ戻ってきた。障害児の施設として再建しようとするのだが、"空想上の友達”をつくり、ある日突然姿を消したシモン。そして施設の知られざる過去と奇怪な現象に遭遇する。

「親が子に果たす責任感」っていうものが見えてきますが、最期はあれで良かったんだろうか。生に執着するあまり、死を受け入れてしまう矛盾が生じたように感じられた。

本国スペインでは大ヒットし、ゴヤ賞史上最多の7部門を受賞、各地で絶賛されたという。

冒頭の「だるまさんがころんだ」から全ての伏線となっていきます。子供のころ、遊んだ記憶ありますね、てっきり日本だけの遊びかと思っていたのですが、「万国共通の遊びなの?」と、今更ながらに疑問に感じた。

ふりむくと、ぞろぞろっぞろぞろっと子供たちの霊が出てきます。ここはゾクゾクする場面だったな。今思い出しても寒気がする

Photo_3なんかのホラー映画で観たような結構グロな描写もあります。あのお面姿も怖かったな、、 ファンタジーというよりかホラーなんだけど、恐怖演出の中にうっとり映像美に魅せられる。恐怖と感動が混在する映画です。

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2009年5月26日 (火)

宮崎アニメ、好きなのはどれ?

コネタマ参加中: 宮崎アニメ、好きなのはどれ?

一番好きなのはなんと言っても宮崎アニメの原点となるTVシリーズ『未来少年コナン』です。

超磁力兵器を使った最終戦争で高度な文明、多くの人類が死滅した世界で少女ラナを救うためにひたむきなまでに大活躍する少年コナンの姿に燃えた。コナンの超人的な運動神経による疾走感はなんとも痛快でした。

Sh010024あとひとつ映画『天空の城ラピュタ』ははずせない。パズーとシータはコナンとラナを想起させるし、空を飛翔するシーンに燃えました。子供のころ親に連れてもらい、地元の映画館で観た記憶がうっすらあるのですが、感動覚めやらぬままにカセットテープの『ドラマ編』を何度も聞いていたものです。劇中のセリフは当時ほぼ全て覚えていました。で、ビデオを手に入れてからは何度も観たものです。

サントラもちゃっかり持ってまして、テーマ曲がまた感動的。井上杏美が歌う『君をのせて』は史上の名曲です。

『風の谷のナウシカ』も名作ですが、トータル面ではラピュタの方が好きです。ナウシカのサントラは当時学習シリーズか何かの本のプレゼントで当たったCDでして、大事に持ってますよ。久石譲の音楽はドラマティックでメロディアス。描かれる世界に実にマッチします。

私の中では、01年の『千と千尋の神隠し』以降、パッとしない宮崎アニメですが、また冒険活劇が観てみたいと、切に願います。

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2009年5月20日 (水)

映画、あなたは字幕派?吹き替え派?

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私は字幕派です。

洋画はやっぱり出ている俳優の声で聞きたいと思います。演じる俳優のニュアンスってものがあるんです。

例えば、ふと思い出したもので映画『スピード』に出てきた黒人俳優。クラッシュするシーンが絶妙で可笑しかった。『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラックなんかも。何度もDVDで見た映画ですが、吹き替えではとても見てられません。

たくさんあるので挙げていくとキリがありませんが、あと韓国映画では『私の頭の中の消しゴム』のソン・イェジンもそう。吹き替えでは彼女独特のニュアンスがつかめないのです。字幕と吹き替えではまるで違う映画です。

只の好き嫌いですので、吹き替え版でも違和感の無い方、その方が映像に集中できてよい人などはそれでいいでしょう。

日本語吹き替えで見たい!と思うのはささきいさおさんのスタローンや玄田哲章さんのシュワルツェネッガーなど。あ、『ビバリーヒルズ・コップ』(84)のエディ・マーフィーの吹き替えも面白かったんだよね。


TV放映以外なら基本は字幕で。たまに使い分けて日本語吹き替えで見るのも面白い。

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2009年5月17日 (日)

映画『グラン・トリノ』

Photoこの顔つき、「あ、ダーティーハリーだ」。孤独で偏屈な老人が町のチンピラに立ち向かおうとしたとき、その姿が一瞬蘇った。『ミリオンダラー・ベイビー』(04)で最後の映画出演となると思いきや、アクション風味を交えての復帰作です。

最初は結構やんわりしたヒューマン・ドラマだろうと思って見ていたのですが、なかなかにこの老人は頑固者でして、ちゃらちゃらした若者や自分の息子家族にさえ嫌気が差す毎日で、悪態のつきっぷりが笑わせます。

78歳のクリント・イーストウッド。監督・主演も兼ね、もはや彼の集大成ともとれる作品のような気がしました。政治的な難しい話はほとんど無く、ストリートで生きる若者や家族の物語は案外身近に感じられるものです。

宗教、差別、若者の犯罪とアメリカが抱える問題をテーマに持ってきているように見えますが、日本でもこのような光景は見れます。ひとつ違うのは銃があるか無いか。

接客業の傍ら、過去様々な人々を目撃してきましたが、『他人』に迷惑を掛ける輩も大勢見てきました。 

ブログ時代へ突入してからはすっかり問題を起こすような人間はあまり見かけなくなりましたが、それでも例えば突然小さな事で罵声を浴びてくるおっさんや、ゴミをちらかす若者、万引きをする輩でも出てくればこちらも怒鳴ることがある。子供だけでなく、“バカ親”達も多数見た。実際こういう人間を目前とすると、キ○ガイ以外の何者でもないように見えるものだ。

ふと、脳裏によぎる。 「お前ら、ここが銃社会だったら、どうなる?」と。まさしくこの映画の主人公ウォルト(イーストウッド)の行動が映し出されるワケです。但し彼の場合、敵対心がかなり強く危険極まりない。

朝鮮戦争の帰還兵である元自動車工のウォルトは戦場の凄惨な体験もあり心を閉ざして生きている孤独な老人。妻にも先立たれ、息子達との関係もギクシャクしている。訪ねてくる新米神父にも悪態をついている日々。

そんなある日、隣家のアジア系移民家族であるモン族少年タオ(ビー・バン)が不良グループに嫌がらせを受けているところを目撃しつつ撃退。それを機に、姉のスー(アーニー・ハー)含め親切なモン族との付き合いが続き、彼の中で変化が訪れる。

不良グループにそそのかされてウォルトの愛車“グラン・トリノ”を盗もうとしていたタオは罪の償いとして彼の下で働くが、やがてウォルトは「トロ助」だったタオの成長ぶりを見て生き甲斐を感じるようになる。

暴走する不良達を許せないウォルトはそのひとりを叩きのめすが、隣家へ報復の銃弾が浴びせられ、スーも襲われることに。その後彼が取る行動とはー。

冒頭から伏線となるシーンが出てくるのでおそらく彼のラストは『死』であると想像しましたが、自らの戒めの意味もあったのか最期があまりに悲しいシーンとなりました。周りの観客がすすり泣いておられるので思わずもらい泣きしそうになった。

こんな時チャールズ・ブロンソンならどうするだろう・・スタローンなら・・

しかし、やっぱり暴力には暴力をでは駄目なんだよと、戦争体験者が語る広義のメッセージと受け止められます。

Photo_2イーストウッドの一挙一動がとても印象に残る。老人の気持ちに同化しそうになった。これだけ心に残る映画は稀です。おかげでこの映画観た夜はブログになんて書こうか考えながら、眠れなくなったぞ(苦笑)映画出演最後と囁かれているが、また自らの監督作で出てほしいです。

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2009年5月 9日 (土)

映画『エネミー・ライン BEHIND ENEMY LINES』

Photo_06_hires_2先日DVDで出た『エネミー・ライン3』を観たのですが、やっぱり面白いのは1作目だよね~と話題になった本作。米国防総省が全面協力した01年製作の傑作ノンストップ・アクション。監督は元報道カメラマンのジョン・ムーア

アメリカを称えるプロパガンダ色濃厚な色彩があるように見えますが、随所でしっかり問題提起されているので考えさせられる仕上がりとなっています。

停戦中のボスニアを監視する米海軍の空母カールビンソン。戦闘の無い軍務に意味を見出せず、転職を考えているバーネット大尉(オーウェン・ウィルソン)は微妙な軍人だ。そんな中、レイガート司令官(ジーン・ハックマン)からクリスマスに偵察飛行が命じられる。

相棒と共にF/A-18F戦闘機でボスニア上空を飛行中、偶然非武装地帯で軍事行動をしていたセルビア人民軍を撮影したために地対空ミサイル攻撃を受け、敵地のど真ん中に不時着してしまうことになった2人。負傷した相棒のスタックハウス(ガブリエル・マクト)は射殺され、バーネットは只ひとり決死の逃亡劇を繰り広げる。

前半の戦闘機撃墜シーンがまず大迫力で本作中最も印象に残ります。以降は主人公のひたすら逃げる様と激戦がメインなのですが、ぐるぐると動き回るカメラ・ワークがかっこよく、全体的にスタイリッシュにキメています。

政治を絡めた戦争映画でありながら、主演のオーウェン・ウィルソンのユニークなキャラと司令官である名優ジーン・ハックマンのシブイ演技、友情物語がまた良い。

救出作戦を開始するべく動くレイガートだが、和平を重要視するNATO軍の提督(ホアキン・デ・アルメイダ)は停止を求めた。

ひとりの軍人の為に紛争の再熱を危惧する提督の言っていることは正しい。「また米軍は大軍を投入するのか」と。レイガートはミクロだが、提督はマクロな視点で語っているように散見される。かたや、レイガートの言っている事も間違いは無く、攻撃してきたのはセルビア軍であり、バーネットは現地で実際大量虐殺の地を目撃している。真実は公表すべき。

とにかく、逃げて、逃げて、逃げまくる主人公、とっくにあんた、「死んでるよ。」と思ってしまう場面もあるが、あきらめずにとことん疾走して目的を果たすことがこの映画の肝であるように感じます。

Photo_2こんなこと、本当にありえるのだろうかと調べると、ウィキにストーリーのモデルが〈1995年 7月22日撃墜された米空軍F-16Cパイロットスコット・F・オグレディ大尉が友軍に救出されるまでの6日間の逃亡劇とする説が有力〉と出ています。事実は小説より奇なり。

ラストで初めて銃を構えた主人公、リアルな戦闘を体験し、彼は海軍に残ることを決意する。

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2009年5月 7日 (木)

映画『あの日の指輪を待つきみへ CLOSING THE RING』

Photo_3 なかなか良い映画です。こんな想いを抱えたまま、年を取ることってあるのだろうかとちょっと考えました。クリストファー・プラマーの名演に拍手。ラスト、彼の前で、涙を流す“彼女”の存在が物語の軸になる。

老人の語り口で回想形式になるのは『タイタニック』(97)や『きみに読む物語』(04)と似ていますが、その若き日は戦時中であり、戦死した彼・テディを想い続ける老婆・エセルと当時からの友人・ジャック、さらに家族達の揺れ動く心が涙ながらに綴られていきます。

戦争と恋愛を絡めて描く映画としては『ロング・エンゲージメント』(04)あたりを思い出しますが、あそこまで戦場の凄惨な場面があるわけでもなく、基本はラブ・ストーリーが主軸で男女間の友情の物語でもある。

男の心情というものがとても印象に残る場面があります。彼女のことを想っているのに、ずーっとそばで、友人のままで過ごしてきた老人の姿が映し出される。こんなことって、あるのかなと。彼女は彼女で、亡くなった彼の事を想い続けている。

前半は登場人物の心理がやや雑に感じます。若き日に、戦争で恋人を亡くした彼女は後に別の男性と結婚し、子を授かった。彼に愛され、幸せだったはずのその老婆は言う。「私の人生は21歳のときに終わった」と。娘さんは母の気持ちを始めて知ります。非常にショッキングな告白です。ひどい。

B17爆撃機に乗り込み戦地へ赴くことになる仲良し3人のテディ、ジャック、チャック。エセルの恋人だったテディは「もし俺に何かあったら、彼女のことを頼む」なんてことをジャック達に言っていた。

50年以上も前に墜落死したアメリカ兵の結婚指輪がベルファストの丘で発見され、その実話を元に映画化されたといいます。アメリカとアイルランドの話がひとつの指輪で繋がり、過去と現在が交差する。

アイルランドの内戦の話が付いてきたのは蛇足で、良く分からなかったのですが、 〈2つの時代と2つの大陸が、ひとつの指輪によって結びついていく〉っていう主題は分かりやすく、うまくまとまっていたと思います。

惜しいのは、やはりエセルの最初のダラダラした告白シーン。かたや、男達の心理も微妙で、もう少し丁寧に描かれなかったのかと思います。戦時中であったが故なのかもしれませんが、前半はどうしても安っぽい印象が拭えなかった。

只、そこは現代と結びつき、家族達の心境も含め少しずつ見応えのあるものになっていく。娘さんの心情もクローズ・アップされます

心を閉ざしていた老婆は指輪の発見により若き日の悲恋に決着を付ける時が来た。解放された彼女は新しい人生を迎えることになる。主演の老婆は大女優シャーリー・マクレーン、期待の人気若手女優ミーシャ・バートンが若きエセルを演じます。なんと彼女、『シックス・センス』(99)に出ていたあの“少女”です。

Photo_2この映画はラストが全て、あの感動的なシーンがあるからこそ、良い映画だね、と言える。 人の出会いは数奇なもので、こういう半世紀を越えた物語は今もどこかで存在しているのかもしれません。

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2009年5月 3日 (日)

映画『ザスーラ ZATHURA: A SPACE ADVENTURE』

Zathura_une_aventure_spatiale_zat_4ファンタジー作って最近あんまり見てないなーと思いつつ久々に鑑賞した05年製作のこの映画、『ジュマンジ』(95)の続編です。ボード・ゲームの世界が現実になってしまうアドベンチャー作ですが、今回の舞台は宇宙空間になります。

監督は傑作『アイアンマン』(08)を手掛けたジョン・ファブロー。

こういう映画見ると童心に帰るのですね、主に兄弟愛がテーマになってます。ひとりっ子故に「わかるわかる!」ってほどでもないですが、ケンカばかりの兄弟の姿はどっかで見たことあるような光景でもあり、弟君に同情したりもします。

親とキャッチボールしてるシーンとか、子供の頃を思い出しますよ。

親父役にティム・ロビンスが出ています。いじわるな兄ウォルター(ジョシュ・ハッチャーソン)とケンカばかりの弟ダニー(ジョナ・ボボ)。兄はこの間見た映画『センター・オブ・ジ・アース』(08)にも出ていました。気が付かなかったな~成長してたし。

で、姉役の女の子が映画『トワイライト~初恋~』に出演しているクリステン・スチュワート。ジョディ・フォスター主演の『パニック・ルーム』(02)の子役で話題でしたが、綺麗になりましたね~、今後要注目の若手女優のひとり。

劇中姉は途中で凍って動かなくなりますから、活躍は少ないです。成長した弟にときめいてしまうシーンがハイライト(笑)

~後から大人になったウォルターがワケありで登場します。

家の地下室で“ザスーラ”と書かれた古いボードゲームを見つけたダニーが兄に持ち寄り、デート待機中で部屋で寝ていた姉を巻き込んではドタバタが繰り広げられる。ゲームを始めてみるといきなり大量の流星群が降ってきて、宇宙へ家ごと放り出され、へんてこなロボットや肉食エイリアンの攻撃を受ける破目に!

ネジを回してボタンを押すとスペース・ボード上のコマが進み、チン!とカードが出てくる。そこに書かれているメッセージが現実となり、危険回避するしかない。ゴールにたどり着かないと地球に戻れない。いじわるなカードだなー、危なすぎるけど、死ぬことはないんだ

そういった危険極まりない過程の中で徐々に変わってくる兄と弟の関係。しかしこのボードゲーム、親父さんもやったことあるのかな・・何故地下室にあったんだろう

Photo出てくるキャラクターや世界観がドラえもんちっくで親しみやすく、エイリアンの艦隊のデザインもなんかカワイイ。宇宙空間の映像美も良く、夢心地で楽しめる。『ジュマンジ』の面白さには及ばないものの、大人も子供も楽しめるSFアドベンチャー。昔のようにまたボードゲームがしてみたくなった。

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2009年4月26日 (日)

映画『トワイライト~初恋~』

Photo_3世界中のティーンを熱狂させた超話題作。ステファニー・メイヤーの世界的ベストセラー小説を映画化したゴシカル・ロマンス。転校してきた人間の少女ベラ(クリステン・スチュワート)と正体を隠して高校生活を送るヴァンパイア、エドワード(ロバート・パティンソン)の禁断の恋模様が描かれます。

原作本の存在はつゆ知らず、全米チャート初登場1位になったサントラの話題が先行してふらりとレイトショーで観てきた作品です。近頃もっぱら映画はレイトショーばかりです、安いから。いや、すっかり生活がやや“夜行性”になってしまっているせいでもあります。

いきなり冒頭から鹿が出てきました。ここのエントリでも書いた通り、車が鹿に激突されたところなので、その時のシーンが蘇るじゃねーの(汗)。帰り道がまた恐くなるじゃないの~。鹿を追っかけているのはヴァンパイア一家だと思われます。人は襲わず、獣の血を吸って生きているヴァンパイア。

全体的に音楽とブルートーンの映像美がマッチして独特の世界観が「俺好み」な演出になっていました。主題歌になったパラモアの新曲『Decode』がなかなか良い曲でして、エンディングではリンキン・パークの『Leave Out All The Rest』も切ない余韻を残します。

禁断のラブ・ストーリーとはいっても相手が異形のヴァンパイアですからゴシック・ホラーな雰囲気が恐々と漂い、見つめる瞳が「血ぃ吸うたろか。」なのですね。

最初、べラとエドワードが教室でご対面するシーンがあるのですが、そういうシーンはスタイリッシュにかっこよくキメるのかと思いきや、彼はなんか吐きそうなしぐさを見せます。で、べラ的には「な、なんなのよ、あーた。」って感じ。美形っていうからどんだけカッコイイのかと思ったら、かなり不健康そうに見えますし顔も蒼白い。その割には眉が黒くて“ケンシロウ”しています。なんか、笑いを堪えていたのは私だけでしょうか。こういう映画なの?

強大なパワー、俊足、永遠の命、眠らない。だいたい吸血鬼ってのは夜行性のイメージがあるのですが、この映画では昼間でも活動し、日光に当たるとshineキラキラと肌が輝きます。あ、不健康そうなヴァンパイアがかっこよく見えてきた。

普通の人間にはありえないパワーを目撃し、急接近することになったべラはしだいに彼に惹かれていきます。ヴァンパイア故に彼女の血と命を奪うことへの葛藤に苦しむエドワードですが、「ただ、君を守りたい」という思いが愛に変わり、しだいに男前に見えてきます。只、本当のところ血がほしいのか、恋をしているのかは微妙な印象です。そりゃ吸血鬼だし・・。

母の再婚を機に父親と暮らすために転校してきたべラ、彼女自身学園の中では異色の存在であり、賢く、日本人好みともいえるルックスや性格付けが好印象です。内気で翳りのある部分、ヴァンパイア如何を問わずエドワードとも似た者通しなのかもしれません。相性がいいのでしょう。

地元警察署長の父親は娘に彼氏が出来たことを知ると「防犯スプレーもったか?」なんて、洒落たことを言います。相手が吸血鬼であることを知らずに言っているから余計に可笑しい。母親とのやりとりなどもいたって平凡で、親しみやすい印象です。

エドワードを取り巻く『美形カレン・ファミリー』もエドワードの気持ちを尊重し、彼女を迎え入れます。敵対する放浪ヴァンパイアとの死闘も出てきてホラー・テイスト&アクションも加わりなかなか飽きない仕上がりの作品になっていました。狼族と思わしき親子とも今後何かありそうな感じです。

Photo_4一昔前に見た少女マンガ・アニメのような感じも散見します。ときめきトゥナイト」とか、 「吸血鬼ハンターD」あたりも思い出したり。因みにその主役の『D』は吸血鬼と人間の混血であるダンピールでしたよね。『トワイライト』の世界に混血は存在しないのだろうか、なんてことを考えたりも。主人公のべラ、「妖怪人間べム」のベラとはえらい違いで・・ってそりゃそうだな。ちょっと思い出しただけ。

映画でもこれまで吸血鬼ものは沢山出てますが、現在撮影中といわれる続編はどうなるのだろうかと、ラストが意味深で早くも次作が期待されます。

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TWILIGHT - Paramore Music Video



サントラはコレ↓

トワイライト~初恋~

Music

トワイライト~初恋~

アーティスト:サントラ,ロバート・パッティンソン,アイアン&ワイン,ミューズ,パラモア,ザ・ブラック・ゴースツ,リンキン・パーク,ミュートマス,ペリー・ファレル,コレクティヴ・ソウル
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★リンキン・パークのアルバム・レビューは→こちら

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2009年4月18日 (土)

映画『ウォッチメン』

Photo_6いや~、回りくどい展開(汗)予告編がなんか凄くて観に行った映画ですが、ひどい作品でした(苦)。けれども見応えがまったくないかというとそんなこともなく、その壮大な世界観についていけるかどうかです。ビジュアルは大迫力ですが・・。

登場人物多いし時間軸前後するから散漫な印象の映画になってしまっている。

見所はエロ・グロ・アクションと豊富。R指定かかっていますが、確かにお子さんには見せられない映画だな。まぁ、DVD出た頃には知らず知らずファミリーで見たりするんだろうな~、原作がアメコミ・ヒーローものだし。

ヒーローものだからといってナメてかかってはいけない。舞台は1985年のアメリカ。この映画の世界では何故か’74年に辞任したはずのリチャード・ニクソンが大統領を続投しており、ソ連と核戦争の瀬戸際にある。“冷戦時代”は現実と一緒でも、バックに超人ヒーロー達が活躍しており、ケネディ大統領暗殺やベトナム戦争にもそのウォッチメン(監視者)が関与していた。

いまさら冷戦時代を背景にされても、日本人にはもう取っ付き難いんじゃないでしょうか。個人的にはOKだけど。

Photo_7ヒーロー達のキャラの印象を簡単に紹介すると、まず左からコメディアン(政府の諜報部員、暴力的なおっさん)オジマンディアス(頭のいい実業家、世界を先読み)ナイトオウル(発明上手な資産家、メガネを取るとカッコイイ)シルク・スペクター(母の過去に苦悩するセクシー美女、髪形が違うのでこの映画にも出ていた女優だとは気が付かない)ロールシャッハ(覆面を取るとリトル・チルドレンの俳優、存在感が凄みある)、とこんな感じです。

ヒーローといっても皆さん意外と普通の人間で、只のコスプレ好き?作中唯一超人的なのは青白いムキムキ裸のDR.マンハッタン

Photo_8化学実験の悲劇により生み出された超人で、ベトナム戦争を米国の勝利へと導き、今ではソ連の“脅威”となっている。シルク・スペクターとは何故か恋人関係でコワモテな不思議巨人ちゃん。強大なパワーを持つのだが、『核』を象徴しているのだろう。たまに火星に飛んでいったりもする。

ロールシャッハも主人公かと思えるくらい大活躍している。しかし行動は危なっかしい。

ちゃんと人物背景が説明されるので分かりやすいのですが、やっぱり展開が回りくどくてストーリーはどうでもよくなってくる。前半は何度か睡魔が襲ってきたよ~。なんか、アホなキャラクターどもを延々と紹介しているだけの映画か!?と思えてきたりも。

シルク・スペクターと恋仲になるナイトオウル、彼女の出生の秘密、火星にまだ居るDR.マンハッタン、途中から目立つオジマンディアスの陰謀、存在感のあったロールシャッハの最期・・。後半から見所が多くなってはくるものの、なんかスッキリしないのです。

Photo_9世界を護るため、多少の犠牲者は必要だよ、なんてくだりを見せ付けられても、「あららら・・」なんだな。性描写や過激な暴力描写などアメリカを皮肉ったかの、BGMと共に面白おかしくみせているような感じで、独特のユルさが味のある映画でもある。

映像・アクションは見応えありました。映画『300〈スリーハンドレッド〉』でも書きましたが、やはりこの監督には『北斗の拳』の世界が似合うようで、ぜひ映画化してもらいたいと思ったりもしました。

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予告編に出ていた『トランスフォーマー/リベンジ』と『ターミネーター4』が気になるな~。

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映画『スティグマータ 聖痕』

Photo_2キリストが磔刑となった際に負った5つの傷を示す“スティグマータ”、その聖痕現象を映画化した初めての作品として注目され、全米No.1ヒットになった99年製作のオカルト・ホラー。

この映画、当初見たときはさすがに恐かった(痛かった)よ~。ビデオ版には世界中で起こる聖痕現象のドキュメンタリーが巻頭に収録されている。

有名なホラー映画に『エクソシスト』(73)があります。あれは悪魔パズズ(名前が可笑しい)が12才の少女に取り憑いた話でしたが、今回はちょっと違ってバチカンの隠蔽工作が絡みます。

ピッツバーグに住む美容師のフランキー(パトリシア・アークエット)はヒッピー風の独身女性。ある日、南米を旅している母親からロザリオが贈られ喜ぶのもつかの間、バスタブでくつろぐ彼女の手首から突如として杭が貫通したような穴が開き、激痛が走る。病院で治療を受けると癲癇ではないかと診断された。

Photo_3彼女の聖痕現象を調査する為にバチカンから送られたアンドリュー神父(ガブリエル・バ ーン)。科学的見地から彼女に接するが、かつて無かった怪奇現象を目撃することになる。恐いよ、何か書いている~、、

次々と現れるスティグマータ、彼女に憑依している霊は何者なのか、彼女の運命や如何にー。

冒頭で重要な伏線となる亡きアラメイダ神父のシーンが登場します。なんでもないシーンに見えますが、物語全体に絡んでくるので最初見るときはよく覚えておきましょう。

イエスは言われた “神の国は汝の内にある・・・”

マリア像から血の涙が流れる超常現象は昔なんかの本で見た記憶がありますが、この映画でも出てきます。私自身、心霊現象を信じたりすることはないほうなので、神父の科学者が超常現象を解明するという設定は面白いと思いました。

只、やはりオカルト作としてさらに面白くしようとすれば恐怖場面を強調しないといけないのか、ありえない怪奇現象がやたら目立っていたように思います。いや、恐くてよく出来ていたとは思います。そこはエクソシストをちょっと思い出した。

正直1回見ただけでは何が何だったのか話が分かりにくい。多分2回見ても分からないかもしれない。あの彼女に取り憑いた霊「何がしたかったの?」となるわけです。そう、それこそが怪奇現象だな。

Photo_4教会にとって都合の悪い福音書が登場し、彼女の怪奇現象に繋がる。なんにせよ、関係が無く信仰心の無い彼女が巻き込まれているのがかわいそう。冷たく静かにドラマを醸し出すBGMと映像美は良かった。

ラストでアンドリュー神父が祭服から私服姿に変わります。フランキーへの愛も狭間見える終わり方が劇中最もすがすがしいシーンでした。

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2009年4月11日 (土)

映画『フライング☆ラビッツ』

Photo_8実在する日本航空のバスケ・チーム“JALラビッツ”をモデルに、ひょんなことから入部するハメになった新人CA(客室乗務員)の活躍を描く青春ユル系コメディ。主演は石原さとみ、吹き替え無しのバスケに挑む。

キャッチは仕事、ドリブル、恋、シュート。CA(キャビンアテンダント)が バスケ!? 爽快・感動・燃焼系ムービ-!!とあります。

バスケはターへーながらも中学のときに部活でしてましたので、練習
シーンとか、あ、こういうことやってたな~と、ふと懐かしく思いました。

スポーツの部活でどれかひとつを選ぶとすればバスケかな~、「ぜひこれがしたい!」という意気込みで取り組んだワケでもなく、なんとなく入ってしまったという記憶がうっすらあります。練習は思い出せばかなりハードでしたので結構な体力つくりになりました。いまじゃガタガタですけどね、、

主人公のゆかり(石原)は子供の頃、機内でスチュワーデスとのふれあいを体験し、念願かなって航空会社に入社。CA研修に取り組むが、手違いで会社のバスケ部に入部させられることになる。バスケなどやったことのないゆかりだが、いきなり林監督(高田純次)に試合に出るように進められ、ヘタレながらも持ち前の機敏さで活動をこなしていく。

涙ありのスポ根ものかなーと思って見ていると本質はそうではなく、くだけた笑いのあるユル系コメディでした。このダラダラ感についていけるかどうかです。

林監督も意味不明な経歴の持ち主で、高田純次の変なコントが随所で登場します。これは素じゃないですか!?最後まで監督らしくない監督。

Photo_4マネージャーに白石美帆が登場しました。これは知らなかったので嬉しい人選。CA研修生、バスケ・メンバーに真木よう子や渡辺有菜が石原と共に頑張っています。真木よう子は男っぽくなんか恐い。新人社員たちを叱る堀内敬子はらしいキャラで当然の如く厳しい演出。

どっちかというと、バスケのエピよりも仕事のエピソードのほうが好きですね。あのハムスターのシークエンスは頼もしいです。仕事、バスケ、恋沙汰、いずれもバランスよく展開させないと散漫な印象だけが残る映画になる。

しっかし、ゆかりの彼氏のエピソードはなんだったのでしょう・・雑誌に写真撮られたOBの女性とか。

Photo_2完全燃焼するというより、不完全燃焼で終わってしまうドラマですが、バスケ・シーン含めて「分かるな~」っていう部分も少なからずあるので、気楽に見れます。ユルくてダラダラな感じは中学時代の自分を思い出すところもあり、なんか面白い作品になってしまいました。レンタルで借りて見るくらいがちょうどよい映画です。


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2009年4月 6日 (月)

映画『ザ・バンク 堕ちた巨像 THE INTERNATIONAL』

Photo 金融ビジネスを描いた映画ではまずオリヴァー・ストーンの『 ウォール街』(87)を思い出します。邦画なら『金融腐蝕列島[呪縛]』(99)とか。けれども、興味が無い話であればことさらチンプンカンプンで、ややこしい人物相関や専門用語に痛い目に遭う。

面白いか面白くないか。登場人物に感情移入できるかどうか。

邦題がずばり“ザ・バンク”なこの作品ですが、難しい金融闇ビジネスにメスを入れた話でありながらも、主人公の活躍が頼もしく、なかなか痛快なエンタメ作になっていた。

その世界を股に掛けるインターポール捜査官 サリンジャーにクライヴ・オーウェンが扮する。もさもさ頭に無精ひげ、女っ気無しのなんか苦労してそうな野暮ったい人物だが、組織からがんじがらめに遭いながらも男気ある活動を展開していく。

隣にいるのはニューヨーク検事局に勤める美女ホイットマン。サリンジャーと共に巨悪に立ち向かう検事補をナオミ・ワッツが好演している。

ルクセンブルクに本部を持つ国際メガバンクIBBCが捜査対象になっているが、そこから繋がる人物は幅広い。舞台もベルリン、リヨン、ミラノ、ニューヨーク、イスタンブールと飛びまくり。何処が何処だったか(!?)ちょっとややこしくなった。字幕テロップを用意してほしい。

ベルリンにて内部告発をしようとした銀行幹部から情報を入手すべく接触した検事局調査員がサリンジャーの目前で突然死。次いで銀行幹部も謎の事故死を遂げる。銀行にとって不利益な人物が次々と消され、証拠を覆される中、ホイットマンのサポートにより捜査を続行するサリンジャー。この映画で初めて知ったのですが、インターポールに逮捕権ってないんですね。各捜査機関への協力・情報提供などが主な任務とされる。

映画に登場するIBBCは91年に経営破綻した『BCCI』がモデルになっている。テロ支援、麻薬取引への関与、CIAとの闇取引などを行っていた。結構昔の話だなーと、思うことなかれ、今でも映画で描かれているような事は日常茶飯事なのかもしれない。銀行とはどういうものなのか、金融ビジネスの裏は、 「国家や個人でも同じ、人々を借金まみれにして“支配すること”」 だというようなセリフが劇中で語られていた。

冒頭に出て来た銀行幹部を殺害したのはIBBC頭取のスカルセンだった。側近のウェクスラーは殺し屋コンサルタントを利用し、IBBC疑惑に関与していた軍事メーカー社長カルビーニを暗殺。逆に、今度はサリンジャーに接近されたコンサルタントを殺そうと暗殺部隊を仕向ける。銀行にとって不要な者は全て消されていく。

大きな見せ場としては弾痕から犯人を特定していくサスペンスフルなシークエンスと、NY美術館の螺旋状の回路で、周りの観客お構い無しに派手な銃撃戦が繰り広げられるシーン。コンサルタントと対峙するサリンジャーだが、お互いの敵がウェクスラーの暗殺部隊に向けられることになってしまった。美術館壊しまくりな展開が、破壊美学のようなものをここで見ることに・・。

いつの間にやら捕獲されたウェクスラーに尋問するサリンジャー。あ、ウェクスラー役のアーミン・ミューラー=スタールはたまに大橋巨泉にみえます。似てない?ナオミ・ワッツも出演していた『イースタン・プロミス』(07)で見かけた俳優さんだ。どっかで見た顔だと後で気が付いた。

政府や諜報機関、多国籍企業、軍事産業、犯罪組織、この世のすべてのシステムに関与する巨大なメガバンクを裁くことは出来るのか、出来たとしても、その後に残存するものはなんなのか。

権力者に立ち向かい、追い詰めようとするヒロイックな様をサリンジャー捜査官と共有し、世界各地の街並みに触れる楽しみもある。ちょっと意外な役柄に挑戦したナオミ・ワッツの立ち位置にも注目だ。

Photo_4不甲斐無いラストに愕然とする向きもあるが、それがリアルで返って興味を抱かせる映画となった。世界的な金融危機に陥っているといわれる今日この頃、このリアリティは無視できない。

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2009年4月 1日 (水)

映画『バンク・ジョブ』

Photo実話ベースだということで気になっていた作品。タイトルの通り『銀行強盗』の話だが、思わぬ展開が待ち受けている。なんでも製作総指揮者の1人、ジョージ・マッキンドー氏は事件の当事者と面識があるようで、9割が本当の話、というから興味が沸く。

キャッチは封印された英国史上最大の銀行強盗事件──これは実話である。奪ったブツは、キャッシュとダイヤと王室スキャンダル

そうそう、盗んだブツがとんでもないもの盛りだくさんなのです。

1971年9月12日にロンドンで実際に起きた銀行強盗事件“ウォーキートーキー強盗事件”を基に描かれている映画ですが、報道規制〈英国政府の“D通告”国防機密報道禁止令〉により真実が封印されたという英国史上最大の強盗事件。

無線を使ったから“ウォーキートーキー”、外の見張り役と中の実行役の通信がアマチュア無線家に傍受されたがために銀行強盗がバレてしまったようだ。

・・といっても、警察はなかなか銀行の場所を特定できない。劇中では救急車を徘徊させ、それに見張り役が反応したところが犯行現場であると特定しようとするが、ちょうどその時に無線機を落っことしてしまった見張り役、そこが現場だと特定はされなかった。

嘘でしょ?と一瞬ご都合主義な展開だったけれども、ここからさらに話が二転三転していく。

発端は地下金庫に眠る王女のスキャンダル写真を奪うために、MI-5のティム(リチャード・リンターン)が条件付でマルティーヌ(サフロン・パロウズ)に持ち掛けた強盗計画。そんな理由は知らないながらも昔のよしみでマルティーヌの銀行強盗計画に乗ったテリー(ジェイソン・ステイサム)とその仲間達は、穴を掘っては地下から銀行に潜入、貸金庫に眠る「ブツ」を根こそぎ奪うことに成功する。

体格の良いジェイソン・ステイサムは今回格闘アクションかなり抑え目で、キビキビと主役らしい役どころを好演していた。

最初は独身に見えたテリーですが、綺麗な嫁さんと2人の子供に恵まれている。中古車経営で借金苦にあっていたのもあり、マルティーヌの計画に荷担したのです。彼女とは昔、恋仲だった。

盗んだ物の中には王女スキャンダル写真だけでなく、裏社会の様々な「ブツ」もあり、下院議員の醜態写真や汚職警官への賄賂を記録した裏帳簿など。

娼館経営で儲けている裏社会の大物ルー(デビッド・スーシェ)王室のスキャンダル写真を持っていた麻薬密売人の黒人運動家マイケルX(ピーター・デ・ジャージー)、MI-5が絡み、後半スリリングなドラマが展開。これ、実話ですよね。

Photo_2最初、誰が誰だったかちょっとややこしくなったが、だんだん明確になってきて、見応えのある物語になっていった。主人公がいったいどうやってこの困難をすり抜けていくのか?が見ものです。捕らわれた仲間は気の毒でした。犯罪を決行する人物から、権力者の恥部が暴かれるというなんとも皮肉。

大物、ジョージ・マッキンドー氏は当時の実行犯だと囁かれもしているが、真相は如何に。

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2009年3月31日 (火)

TV版『ハンサム★スーツ』

映画『ハンサム★スーツ』の番外編がTVでやっていてびっくり。

今日、気が付いたのですが、時間あったので見ました。

前半はちょっとアレンジがあるものの、映画と同じような展開で、後半はかなり違っていました。ラストでサプライズもあったし。

◎母親の経営のもと、小さな喫茶店でコックとして働いている裕太郎(秋山竜次)は料理はうまいが容姿のコンプレックスからどんより落ち込んだりといろいろ。近所に巨大フードコートが出来て客が激減した店にアルバイトとして涼子(加藤ローサ)がやってくる。

めっちゃ好みな涼子が目の前に現れ嬉しい反面、自信の無い裕太郎は店を出て行ってしまうがさてー。

やはりここでも洋服の青山が出てきました。で、その中の研究者に何故か相武紗季がメガネをかけて出演しています。

そこでハンサムスーツを着ることになった裕太郎が杏仁(谷原章介)に変身し、店に戻っては仕事をテキパキこなし、繁盛させます。

一番見ていて楽しかったのは杏仁が働いているところですね。壊れながらも大活躍する谷原章介が面白い。夜中徘徊していた裕太郎はどうみても危ないやつだった・・

大袈裟な言い方かもしれませんが、なんか、資本主義と共産主義の狭間を見ているような気さえしてきて、しっくりこない終わり方だったな・・。

自分らしく生きていこう、がモットーです。

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2009年3月23日 (月)

映画『その男は、静かな隣人』

He_was_a_2ある事件がきっかけに近付くことになった、冴えないサラリーマン男社長助手ヒロインの愛の物語・・でありながらも、現代ストレス社会を皮肉った展開が不思議な余韻を残す作品。ラストは「何・何!!?」とちょっと考えた。

友達に薦められなければ確実にスルーしていたに違いない地味な劇場未公開作ですが、俳優陣が豪華で、クリスチャン・スレイターとウィリアム・H・メイシー、ヒロインに『24』 『キャプティビティ』(07)のエリシャ・カスバートが出演している。

まず、スレイターが一気に老けたな~との印象。この間『マインドハンター』(04)と『インビジブル2』(06)を見たばっかしなのだが、この映画では中年太りのおどおどした役柄でいきなり様になっている。ウィリアムは良く見る俳優さん、といった印象で、あの風貌を見ているだけでちょっと笑える。今回スレイター社員の社長役。

エリシャ・カスバートは大変重要な役どころで登場します。綺麗な女優さんだ。

原題は『HE WAS A QUIET MAN』。“静かな人だった”と、過去形になる。

年下の上司や社員にいじめられ、日々悶々と暮らしている情緒不安定なボブ・マコーネル(スレイター)。社内には副社長であり、お気に入りのバネッサ(エリシャ)がいるが、ある日彼は絶望感・疎外感の中で銃に弾を込め、デスクに身を潜めていた・・が、その時、あろうことか同僚のコールマンが社内で銃を乱射、倒れているバネッサに止めの銃口が向けられるが、とっさに彼はコールマン目掛けて銃を発射する。

乱射した犯人の暴挙を食い止め、一躍英雄として持ち上げられたマコーネルは脊髄に銃弾を受け、全身麻痺になってしまったバネッサの役職を手に入れることに。

社長命令で彼女に会いに行くマコーネルだが、バカ野郎!死んだほうがマシよ」と、助けたのも裏腹、いきなり罵倒された。

犯罪映画の様相でありながらも、この後ラブ・ストーリーに場面転換されるから意外や意外。予測不可能な展開になだれ込んでいく。

涙モロモロの究極の愛の姿が狭間見れるのですが、そうはいかないのがこの話でして、やっぱりマコーネルはマコーネル。で、ラストがあのオチですから、ええ~っと、ちょっと考えました。どんでん返し?何か重要な伏線でもあった!?

He_was2只単になんのひねりもなく、あーなってしまった・・が結論かな。『静かな隣人』が事件により注目されるようになった。ブラックなコメディのテイストもありつつ、最近のニュースでも見たことあるような悲劇の社会派サスペンスといえる。

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カバンかと思ったら、バクダン抱えてますね・・・

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2009年3月20日 (金)

映画『おくりびと』

Photo「生と死」を取り扱ってきた映画は数多くあれど、これほど深遠且つ優美な感動を運んでくれる作品は無かった。忘れかけていたもの、日本情緒溢れる静かで繊細な感動がスクリーンからにじみ出てくる。名作といわれるのも納得の作品。

オープニングからその納棺師、小林大悟(本木雅弘)の姿がクローズアップされる。隣にいるのは社長の佐々木(山崎努)。映画は遺体に着付け・メイクを施す非常に洗練された納棺業者の姿を追うが、劇中度々ユーモアのある笑いの部分をも織り交ぜ、苦労・涙・幸せアリの人々の人生を綴っていく。

テーマは重いが、人の死に際でも巧みなユーモアのセンスを取り込んでいるので見ていて辛くなる場面はあまりない。 “旅立ち”のお手伝いをするNKエージェントの仕事ぶりはなんとも美しく、気品に満ちている。

父親が亡くなったときもこのような儀式は見たこと無かったし、納棺師という専門業者が存在していることすら知らなかった。

Photo_3通常は葬儀社内の担当者が行うことが多いらしいが、納棺を請け負う小さな会社で勤めているのが本作の主人公である大悟。楽団の解散によりチェロ奏者としての道を断念し、故郷の山形に妻の美香(広末涼子)を連れて帰郷、ひょんなことから納棺業者としての道を歩む彼、社長や事務の女性(余貴美子)とのやりとりも見所です。

納棺教則ビデオ(!?)の撮影現場で、大悟がいきなり死体の役割をさせられるシーンはひとつのハイライト。思わず吹き出して笑いそうになるシーンもあり、可笑しいです

妻に隠していた仕事がばれてしまい、「けがらわしい!」と納棺の仕事に嫌悪感を抱く彼女は実家に帰ってしまいます。何がけがらわしいのか、一瞬そのセリフには信じられないものがありますが、チェロから離れることも、田舎に戻ることも、彼女はぐっと堪えていた。それが一生続けられる仕事?

幼馴染からまで仕事に対してバカにされる始末ですが、納棺師にやりがいを感じ始める大悟は着々と仕事をこなしていく。

Photo_4様々な人間模様が交差する中で、家族愛・夫婦愛が綴られる。父親との『再開』はおそらくこうなるであろうと読めてしまいましたが、石ころのシークエンスはグッときました。たとえセリフがなくとも、形だけで気持ちが伝わる、静かな本編の“妙”を見ました。

静かな、優しい気持ちになれる・・と同時に音楽が効果的に配置され、代役なしで挑んだモックンのチェロ演奏シーンや納棺技術など、感動的な余韻を残します。どこか宮崎アニメ風のBGMだな~と思っていたら、久石譲が音楽担当だった。古風であり、自然との調和を描く上でも、音楽がもたらす効果は大きい。

この映画は本木雅弘でなければ、山崎努でなければありえなかったのでは!?そう思えるほどに、納棺師として活躍する役者の美徳を見た気がします。

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◎米アカデミー賞外国語映画賞を受賞し、今もなおロングランヒットの上、上映拡大。DVDパッケージ表記には「世界中を温かな感動で包んだ2008年No.1の名作」となっている。

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2009年3月16日 (月)

映画『ブレーキ・ダウン BREAKDOWN』

_breakdown_l_3カート・ラッセル主演傑作サスペンス・スリラー、97年作。転職の為、東海岸からカリフォルニアを車で横断中に妻を誘拐された男が決死の反撃に出る。ぐいぐいと引き込まれる展開に身を乗り出して観てしまう後半。

怒涛のカークラッシュ&アクションが印象に残る。タイトル原題は“BREAKDOWN”、打破・故障・挫折。

実は先日仕事から深夜の帰宅途中に突然あるものが車の左横前方付近に激突してきました。何々!?唖然、呆然、で、ライト越しに目の前を過ぎ去っていった物体は『鹿』だシカ!!降りて見てみると見事にフロント横が凹んでいる!!!

現在修理に出しておりますが、いったいいくら金額が掛かることやら・・。車両保険には入っておりませんので(入ったところでバカ高だが)、現在私自身が凹んでいる状態です。普段は裏道を通って帰宅しており、これは暴走する大型トラックの多い国道を避けているからでもあります。

スピルバーグの傑作映画に『激突!』(71)がありますが、そんなカーアクション映画を彷彿とさせる部分がありながらも、この作品『ブレーキ・ダウン』はより明快な登場人物の登場により テンポよく描写されている傑作のひとつ。

交通道路に安全は無い・・。改めて痛感した次第ですが、映画の中では車が故障して立ち往生する夫婦に魔の手が忍び寄る。キャッチは以下の通り。

Break2_2始まりは何でもない車のトラブルだった…
あなたの後ろを走っているドライバーが 常人とは限らない。
全米を横断するハイウェイ「ルート15」で-- 最愛の妻が〈ら致〉された! 誰も信じてはくれない、誰も助けてはくれない……。〉

親切なトラック運転手に妻が拉致され、怪しい仲間に銃を向けられ、金を要求される主人公。やがて彼の怒りも頂点に達し、反撃に出る。

行け!ラッセル!!妻を取り戻せ!!!と、応援したくなる後半、ハラハラドキドキなカーアクションがラストで炸裂。悪役のトラック運転手の人物が一見幸せな家庭を持っている父親であるのが、また怖い。

Break3普段安全運転を心がけたいものですが、こちらに非が無いにも拘らず、いつ何時に“激 突”されるか分からない。車と供にへこんでいる状態ですが、ちょっと忘れたいと思い、映画を見ながら現実逃避しています。『ブレーキ・ダウン』は2度目の鑑賞ですが、やっぱり面白い映画でした。

今回の『激突!』ぶりはリアルでした。

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2009年3月12日 (木)

映画『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』

Photo70年代初頭、まだ生まれる前の頃の事件である連合赤軍事件。この「あさま山荘事件」へ至るまでの過程を『実録』として描写したのが本作。映画館で観れなかったのでDVDリリースを待っていました。今回じっくりと拝見。

「我々は共産主義者です」「我々の目的は資本家の為に民衆を抑圧する政府権力の打倒にあります。」

「戦争や不平等をこの世から無くす革命の為に戦っているのです。」

これは、あさま山荘内にて警官隊に追い詰められる連合赤軍メンバーのひとりが、人質の女性(劇中では人質ではないと語っている)に対し言ったセリフですが、簡単に言ってアメリカ帝国主義に追従する日本が嫌だ、ということなのでしょうか。戦争や不平等をこの世から無くす為、ではなく、“無くす革命の為”に戦っているというセリフも気になりました。どうもやってることがコジンマリとしている。

連合赤軍がどういった経緯で結成され、何を行っていたのか。冒頭、日米安保や学費値上げに反対する学生の運動が当時のニュース映像と共に映し出され、冒頭からあの時代へタイムスリップします。

といっても、なんせまだ生まれていない時代なもので、当時のニュース映像が鮮明に蘇る・・とかいうわけでもなく、あ、こんな事あったんだな~と前半はやや傍観する姿勢での鑑賞。「あさま山荘事件」はある程度知っていたけれど、そこへたどり着くまでの過程は詳しく知らなかったので勉強になります。

資金力はあるが武器が無く弱体化している赤軍派と、銃はあるが資金力のない革命左派が合体し、後に『連合赤軍』が誕生。

山中で軍事訓練を開始するメンバー達の姿が本作のメインとなる。

最初は軍事訓練というか、なんだか学生サークルの合宿のようであり、只のクラブ活動にしか見えない場面があります。ほぼ森恒夫(地曵豪)と永田洋子(並木愛枝)の独裁体制となるこの組織はさらなる狂気の世界へと変貌し、「自己の共産主義化」「総括」と称して同志を次々とリンチ、殺害。まさか、こんな展開になるとは・・徹頭徹尾 隙を見せない神経質な森と永田は「自己批判しろ」と自覚の足りないメンバーに暴力で訴えかける。しかし、なんで殺してしまうのか理解不能。こんな事が本当にあったと知ると、共産主義について改めて考えさせられます。

銃の管理に甘い、女性らしく化粧をする、恋沙汰に陥いる、子を身篭る母親、めくるめく妄想ゲリラ(!?)な森と永田は平気で大量殺人をやってのけた。彼らに何も言わないメンバーもメンバーだが、恐怖心の植え付けはまったく観ていて腹立たしくなったくる。だいたいこのふたり、偉そうな事言っといてしっかり後にカップルになっているからワケ分からん。

ぼこぼこに自分の顔を殴るように遠山(坂井真紀)に指示し、その顔を手鏡で見るように仕向ける狂気の永田。特にこのシーン、悲惨でした。

恐ろしいシーンが続出する「山岳ベース事件」から、立てこもった5人の逃亡メンバーが警官隊と激しい銃撃戦を展開する「あさま山荘事件」へ。結果、彼らは先に逮捕された森、永田に続き逮捕される。

Photo_2最後の少年の言葉、「勇気がなかったんだ!」って泣き叫ぶシーンが印象に残りますが、 この解釈を少し考えました。現状から途中で身を引く、投降する勇気なのか、これまで個々の精神が弱体化し、組織にまとまりがなかったから勇気がない、と想起したものなのか、森と永田のような狂気に対しての戒めの思いなのか、大きな意味で社会から疎外されたもののことなのか、、

う~ん、ある支配から逃れたひとつの救いかな。

遠山同様に、劇中最も普通の女の子に映っていた重信 房子(伴杏里)の行方が映画の中で気になっていたのですが、若松監督が既に71年にドキュメンタリー「赤軍-PFLP 世界戦争宣言」を製作しているのでこちらも必見といえます。

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2009年3月 8日 (日)

映画『イナフ』

Photo_4シンデレラ・ストーリーが一変するとき。悶絶必死の逆転サスペンス・スリラー、物語は衝撃のエンディングを迎える。 03年当初周りでも好評だった作品で、怒涛の展開は多くの女性の共感を呼んだかもしれない。

DV(ドメスティック・バイオレンス)をテーマに持ってきているように見えますが、そんなに真面目に問題提示をしているわけでもなく、主演のジェニファー・ロペスのタフな印象が炸裂した作品。

監督は『愛は霧のかなたに』(88)、『ボディ・バ ンク』(96)のマイケル・アプテッド。オリジナル脚本は『運命の逆転』(90)、『アンドリューNDR114』(99)のニコラス・カザン。

ある日親切な男性客ミッチ(ビリー・キャンベル)と出会ったウェイトレスのスリム(ジェニファー・ロペス)。親しい友人達にも祝福され結婚するが、建設会社を経営するミッチの裕福な生活も束の間、娘が5歳になった頃に夫の様子が変貌しはじめる

大きな切っ掛けは ばれてしまったミッチの浮気電話。スリムへの態度を改めるものの浮気癖は直らず幼稚な暴力夫の本性が剥き出しになる。支配欲の塊のこの男、もはや彼女への愛は“妻を演じさせる”アクセサリーでしかないのか、、

家庭内暴力だけでなく、この旦那がタチが悪いのは汚職警官ともつるんでいるところ。権力を駆使し、ゴロツキを使ってまで彼女を追い詰める。

娘の身を案じ、法に頼ることもできずに夫からの逃亡生活を強いられるスリム。友人達や元カレ、生き別れた父親の助けを得て勇気付けられるが、なんにせよ娘さんが一番かわいそうだ。

彼と彼女の出会いの時点でその『愛』が策略であったことが伏線となり暴かれます。

Enough_3予測不可能なラスト、トレーニングに打ち込む彼女の悲壮な決断が、驚嘆のラストへ辿り 着く。想像を絶する暴力にはそれを上回る知恵を駆使した暴力で対抗するしかないのだろうか。あまりにも救われない複雑な心境はジェニロペの演技からも滲み出ていた。

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2009年3月 7日 (土)

映画『フェイクシティ ある男のルール STREET KINGS』

Photo_3男気一本勝負。 キアヌ・リーブスが一匹狼の刑事に扮したクライム・アクション。写真は重要な局面を物語るワンシーンですが、練られた脚本と激しいガンアクションが目立つ硬派な作品です。この間見た『地球が静止する日』とはまるで違うキアヌ出演作。

この映画の宣伝が気になり、久しぶりに映画『ハートブルー』を拝見したのですが、銃を持ったキアヌの勇姿は様になっているなーと。

しかし本作の彼は酒に入り浸れた年相応のやさぐれ感漂うアウトサイダーを演じる。法で裁けぬ悪人はためらわず射殺するラドロー刑事。バックには上司であるワンダー(フォレスト・ウィテカー)が付いており、“後片付け”も容易とみた。

ロス市警の腐敗振りが後半の場面転換から一気に暴露されていくのですが、正義感のあるラドロー刑事はそうやすやすと組織に依存することもなく、個人としての自覚の下に行動を開始する。

違法捜査をしている事を元相棒のワシントンが内部調査部に密告していると知ったラドローは証拠を突き止めるべく彼を尾行するが、酒屋であろうことか鉢合わせになった武装強盗2人組と対戦、目の前でワシントンは死亡し、疑惑は何故かラドローに向けられることになる

ワシントン殺害事件を担当するディスカント(クリス・エバンス)は不可解な事件の真相を追う為、ラドローに協力。

最初、細部までの人物相関が分かりにくいのでボーっとして見ていると置いてきぼりくらいそうになりましたが、後半の畳みかけはハラハラものでした。

Photo_4ワシントンの嫁さんやラドローの亡くなった元妻の謎、彼を支える現恋人の看護師グレイ ス(マルタ・イガレータ)などわずかな女性陣が作品に花を持たせ、特にサンドラ・ブロック似の看護師さんは狙ったような女優さんの配置で印象的です。

内部調査部の切れ者おやじビッグスを演じるヒュー・ローリーとか、“たまによく見る俳優さん”で味があって良い。クリス・エバンスは残念な最期を迎えますが、ファンタスティック・フォーの男前さんでした。フォレスト・ウィテカーはさすがの貫禄があり、どことなく怖い

『L.A.コンフィデンシャル』(97)、『ブラック・ダリア』(06)の原作者ジェイムズ・エルロイが脚本を担当しているのも話題の映画、疑惑に疑惑を重ねた描写もリアルに感じられ、鋭い。

Photo_5ここに端正な顔立ちのカッコいいキアヌが活躍するものだから、ややその世界観からは主人公が浮いて見えているというのもあります。クリス・エバンスとのイケメン・コンビ誕生から俄然話に引き込まれるものの、一匹狼の活躍は一筋縄では収まらない。個人の信念は対立していたビッグスおやじをも唸らせるのでした。

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2009年3月 2日 (月)

映画『ウォー・ゲーム』

Photo昔の映画で面白そうなものは無いかな~と探しつつ、前から気になっていたこの映画『WARGAMES』。83年に公開された作品で、コンピュータを扱っている為に今と比べてチープさは隠せないですが、スリリングで軽快なタッチの良作でした。

学校のコンピュータに侵入してガール・フレンドの成績表を書き換えることくらい朝飯前の高校生が、偶然とある軍事コンピュータにアクセス、ソ連側に付き、米国へミサイル攻撃を仕掛ける“遊び”だと思うのもつかの間、これは実はNORAD(北米防空司令部)の人工知能コンピュータであり、只のゲームが現実のものになろうとする

かわいいヒロインとの掛け合いも楽しいお気楽な少年が、緊張感ピリピリな軍部へ連れ去られ、現実を目の当たりにするところが可笑しくもあり、やんわりした80年代ムービーの代表作ともいえるような娯楽作でした。

しかし当時はこの映画の影響力って凄かったんじゃないかなーと想像します。まだインターネット、携帯電話なんて無い時代ですが、こんな簡単に国防のコンピュータに侵入できるとしたら・・、あり得ない・・。

冷戦時代とはいえ、結構主人公とか、のほほんとしているのですね。小難しい情報なんか得ることも無いあの、のほほんとした空気感。なんか、あの時代へ戻りたい気もしますな~。そんな、青春ストーリーとしても楽しめる映画です。

主人公の少年はどっかで見た事ある顔だなーと思っていたら、映画『GODZILLA ゴジラ』(98)にも出ていたマシュー・ブロデリックでした。若いのなんの。

第3次世界大戦の危機が迫る!!ってところでは、冒頭からミサイル攻撃の軍事演習が展開され、さっそくハラハラさせられるシーンが出てきます。演習だとは知らされていない現場の人物2名のうち1名は「本当に発射させていいのだろうか」とためらい、発射キーを回して任務を遂行する事ができませんでした。

人間が実行できないのならコンピュータが。コンピュータの暴走としてはまるでターミネーターの世界だ。

Wargames人工知能のコンピュータが戦争ゴッコしている最中、軍部では本物のミサイル攻撃だと錯覚し、場内は混乱します。違う違う、それは只のシミュレーション!!コンピュータ開発者のおっさんも登場し、なかなかスリリングなシークエンスでラストへ向けて収束します。

なんでもレオナルド・ディカプリオがリメイク版を映画化しようとしているニュースもあり、期待する。あの博士が家で流していたスクリーン『恐竜100万年』は『ジュラシック・パーク』になるのかもしれない。

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2009年2月20日 (金)

映画『ハートブルー POINT BREAK』

Photoキアヌ・リーブスがはみ出し刑事に扮する新作映画『フェイクシティ ある男のルール』が気になりつつ思い出したこの映画『ハートブルー』(91)。冒頭から銃を持ってる姿が印象に残っているのですね。あと“敵”と対面するとき。

確か高校の頃、親父と一緒に茶の間で見てました。「こいつらが犯人一味で・・あ、ここで分かっちゃった」てな具合に楽しんで観ていた記憶があります。

何が分かったかというと、キアヌ扮するエリート新人のFBI捜査官ジョニー・ユタ歴代大統領の覆面銀行強盗団を追っているさ中、潜入捜査でサーファーとして友情を育んだ強盗団のボスに顔がばれちゃった時のシーンのことです。ユタは彼の事をまだ分かっていないながらもボスにはばれてしまった。あっちゃ~のシーンです。

そのボスにしてカリスマ・サーファーに扮したパトリック・スウェイジ「今を生きている」って感じの、海を見つめる魅力ある男を好演していました。

銀行強盗をしているとはいえ、人の命を奪うことは無く、暴力は嫌いと言う相反するかの行動心理を有する犯罪者であり、金を奪うはものの90秒、やってることの意味は体制へ反する心。

根っからの悪人というわけでもなく、自然に生きる"人生"を悟った男なのだ。

しかし、ユタとの友情もつかの間、捜査の介入があった事が分かると彼とその仲間たちの間にも亀裂が走り、サーファー仲間でありユタの恋人となった女性(ロリ・ぺティ)も危うい状況下に置かれることとなる。

監督は『ブルースチール』(90)『K-19』(02)のキャスリン・ビグロー。製作総指揮のジェームズ・キャメロンは元夫です。

サーフィンやスカイダイビングの爽快さを盛り込みつつ、ハードなアクションを展開させる監督の手腕は女性でありながらも鋭く、特に後半は見せ場も多い。

今、冷静にこの作品を見ると、FBIのユタ捜査官は同行するおやじ捜査官(ゲイリー・ビジー)共に仕事とはいえ、周りにとって大変迷惑な行動をとるおバカさんであり、死人を大勢出しすぎ。そりゃ上司も怒るだろう。

今でもこの作品が好きでいられるのは犯罪者の心理を友情というフィルターを通して描いているからだと思います。

Photo_2まっすぐ真面目なまでに活躍するキアヌの勇姿は映画『スピード』(94)でも観れましたが、そんな役柄が似合う俳優さんだと、この作品を10数年ぶりに再度観て思いました。

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2009年2月14日 (土)

映画『パッセンジャーズ』はおもしろい!?

予想外のオチに衝撃!『パッセンジャーズ』を観たら二度と飛行機に乗れない?(シネマトゥデイ~ニュース)

※以下引用

Photo[シネマトゥデイ映画ニュース] 映画『シックス・センス』のように、ラストのオチが予想できない映画が近年増えているのだが、アン・ハサウェイ主演の映画『パッセンジャーズ』のオチはその中でも予想外だ。

 最近は度肝を抜くような衝撃的ラストを用意する映画が好まれているようで、ラストシーンを口外してはいけないような作品も多くなっている。例えば映画『パーフェクト・ストレンジャー』は“ラスト7分11秒まで真犯人はわからない”とうたい、映画『ミラーズ』では“ラスト予想的中率0%”など、衝撃のラストをうたい文句にする作品が増えている。

 3月7日に公開される『パッセンジャーズ』は、飛行機事故で奇跡的に生き残った5人の乗客のカウンセリングを担当することになった、セラピストのクレアが陥る不可解な恐怖を描いていく心理サスペンス。生存者たちの食い違う事故の記憶や、航空会社の陰謀をにおわせる彼らの失踪(しっそう)。謎が謎を呼ぶ本作が迎えるラストは、これまでのどんでん返し系サスペンス映画をはるかに超える衝撃がある。さらにラストのどんでん返しだけでなく、登場人物たちの怪しさもポイントだ。

 クレアの素性を知る生存者のエリック、グループセラピーを窓からのぞく謎の人物、そしてクレアの隣人……といった個性的なキャラクターたちは謎というパズルのピースになるわけだが、ストーリーが進むにつれてそのピースは、はまるどころか形を変化させ、クレアと観客を困惑させるのだ。

 巧妙でリアルな本作を作り上げたのは、ノーベル文学賞受賞作家ガブリエル・ガルシア=マルケスの息子、ロドリゴ・ガルシア監督。特に墜落現場の描写は、偶然通りかかった一般人が本物の墜落事故と勘違いしてしまったほど。本作の衝撃的ラストを体感してしまったら、飛行機には二度と乗れなくなってしまうかもしれない。

映画『パッセンジャーズ』は3月7日よりTOHOシネマズ みゆき座ほかにて全国公開

【一言】
こ・・これは面白そうじゃないですか。どんでん返し・謎々系映画ってのは、見てない人にはネタバレできないけれど、友達で見たもん同士だと会話が弾む楽しいもの。

オチが予想できない映画は確かに増えてきているように思いますが、安っぽい作品で無い事に期待したいです。

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2009年2月12日 (木)

映画『感染列島』

Photo_2ダイレクトなタイトルの作品です。新型インフルエンザ、致死性ウイルスの被害が予測される中公開されたこの映画はなんとも恐ろしいパニック作でした。ウイルスを取り扱う映画はこれまでにもありましたが、本作の主な舞台は「院内」になります。

かつて『アウトブレイク』(95)というアメリカ映画のパニック作がありました。冒頭の村のショットでその映画をすぐに思い出しましたが、伏線が少し似ているかも・・と思いつつ、本作の感染経路は日本へ。

邦画では破格のスケールで描かれた大作『復活の日』(80)がまず挙げられる。これは世界規模で致死性ウイルスが拡大し、人類は滅亡の危機に瀕します。この映画を観てしまったからにはウイルスを扱う映画は“なかなか超えられない壁”があるように感じていましたが、『感染列島』はどれほどのものかと、気になっていました。

日本全域が新型ウイルスの感染爆発(パンデミック)の脅威にさらされ、社会機能は完全停止・・という設定の中でも、ほぼ物語の中心はとある市立病院内

そこで救命救急医として働く医師(妻夫木聡)WHOから病院に派遣されたメディカル・オフィサー(檀れい)を主役として迎え、院内感染の最中患者への応対、隔離、原因の特定・・と、極限下での人間ドラマが繰り広げられる。

鳥インフルエンザが原因かと思われ、発生源の養鶏所を営んでいた父親の自殺を目撃する少女(夏緒)の悲劇。イジメ問題も描かれていた。

看護師に国仲涼子、その夫に爆笑問題の田中裕二・・と泣かせる重要な場面で登場。あ、カンニング竹山が謎の研究者として皮肉めいた役柄を演じていた。彼はいったい何だったのだろう(苦笑)

日本が舞台とはいっても、後に発生源特定のために海外へ飛ぶこともあります。そこで見たものは、、 

日本国内において第一感染者が妻夫木君扮する病院で発生・死亡。その感染者の嫁さん(池脇千鶴)がキーパーソンとなる。

いくらなんでも、日本国内にウイルス持ち込んだの「あんたが原因かい!!」と、愕然とする場面が見られました(汗)

たとえ幼い子供さんであったとしても、助かる見込みの無い者よりも助かる見込みのある患者さんから優先・・。次から次へと死者が出てくる中、状況に耐えられずその場を立ち去る医師達。過去のパニック作とは異なり、病院内で活躍する医師達の姿がメインです。

都市部は崩壊しているにも関わらず、院内とその周辺はしっかり機能しているように見える。ややこじんまりとしているが、現実に起こりえる事態としては考えさせられる作品。

Photo_3作中最も印象的なのは檀れいのキリリとした活躍です。病院内で反発にあいながらも的 確な指揮で職務を全うしようとする彼女の姿にはちょっと惚れました。これまであまり興味の無かった女優さんですが、妻夫木医師とのほのかなラブ・ストーリーも、悲劇的な内容の作中にうまく収められ、以外にも爽やかな余韻を残し後味がいいです。

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2009年2月 7日 (土)

映画『ダーク・フロアーズ』

Df1フィンランドの国民的人気怪物ハード・ロック・バンド、ローディ原案・総出演のホラー映画。1月23日からレンタルリリースとなり日本上陸。祖国では昨年2月に公開され、いつ来るかと待っていたらいつの間にかレンタルでのリリース。

監督・脚本はローディのPVを全て手掛け、欧州のミュージック・アウォードで最優秀監督賞など数々の賞を受賞してきたピート・リスキ

完成度の高い彼らのPVを見るだけでも映画的な映像美が楽しめましたが、ようやくMr.Lordi(Vo)のイメージ戦略が映画という舞台で実現されたようです。

HR/HM(ハード・ロック/ヘヴィ・メタル)と映画主体のこのブログ内において、度々ローディの記事は取り上げてきましたが、まさしく当ブログうってつけのエントリになります。

ま、映画自体はB級ですし、なんせローディのメンバーそのまんま出てますからホラー映画にしてもあんまり・・というか、まったく怖くないです(汗)

さらに出演者達がステレオタイプ・・というか、皆あんまし驚かないので、余計に怖くない。これは世界トップの高い教育水準を誇りつつもシャイなフィンランドの国民性に由来しているのかなー・・。“シャイ”っていうのは勝手なイメージですけど、全体的に冷たい印象で感情の起伏が薄い。

ローディを知らない人が見たら「つまんないっ」ってことになるかも。早送りする人もいるかも。けれどもフィンランドでホラー映画が出てきたこと自体が話題ですし、この映像美はなかなかたいしたものだと思いつつ観てました。

Photo話は、とある病院のCT検査で拒絶反応を起こした自閉症の娘の身を案じ、病院から連れ出そうとする父親のシーンから始まります。前置き無しにいきなり始まり、何故か病院を変えず考え直すように説得する女性医師、それと黒人警備員、おじいさん・・と、エレベーターに乗り込んだ彼らを待ち構えていたのは異世界の扉。

そのフロアには院内のスタッフが誰もいない不思議世界。やがて恐るべき魔物たちが現れるのでした。

ストーリー性はほとんど無く、登場人物の会話も少ないので退屈だが、ある意味それこそが不気味な演出と思えたり(苦笑)

とにかくローディのメンバーがいつ現れるだろうと待ちわびつつ、出てくる出てくる(笑)一番怖く見えるのはCGで襲い来るバンドの紅一点のアヴァ(Key。バンドのキャラ設定では吸血鬼伯爵夫人となっていますが、あの顔がまず怖いね。

最後の最後にMr.ローディが目立って登場します。なんだか意味不明ですけど、バンドの存在を知っているからこそ、それなりに楽しめた作品だった。

特典にテレビ東京の女子アナ2名の解説があります。こちらも必見(笑)

ローディのアルバム・レビューの記事
→1st『GET HEAVY
→3rd『THE AROCKALYPSE
→4th『DEADACHE

映画の予告編の記事
Lordiの映画『Dark Floors』はどうなの

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2009年1月31日 (土)

映画『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』

Photo_2

「この映画はいったい何を伝えたいのだろう?」と気になりながら観ていました。伝説のタイタニック・カップルが11年ぶりにスクリーンに復活。そういやレオ君とは同い年だったのね。ウィンスレットはひとつ上。あ、キャシー・ベイツも一緒に出ている。

“燃え尽きるまで”なんていうサブ・タイトルだから、主役が主役だし最初は「ホットなラブ・ロマンスなんだろうね、」と思っていました。ところが予告編を見るとどうも不穏な印象で、ラストが「!!!」という宣伝もある。

1950年代のアメリカ郊外が舞台。“レボリューショナリー・ロード”と名づけられた閑静な新興住宅街に暮らす、二人の子供に恵まれた一見理想的な夫婦。そのフランク(レオナルド・ディカプリオ)エイプリル(ケイト・ウィンスレット)を通し、結婚生活の理想と現実の狭間で揺れ、あって無いものを追い求め、不満を募らせる男女の姿が壮絶なまでに生々しく描写されています。

基本的にはこれまで実際あちらこちらで話にも聞いたような夫婦ゲンカの物語なのですが、ちょっとこのカップルは尋常じゃないというか、つくりもののカップルであるとしてもとてもまともじゃないように思えます。

これ見て誘発されるようなカップルや夫婦の方はおられないだろうと信じたいところですが、やたらとリアルに生々しく描かれているので独身者には冷や汗たらり状態だ。

なんでもっと思いやりをもって接することが出来ないのだろう、と感じるのですが、ウィンスレットの演技がかなりきていて凄まじかった。これ、ドラマというよりか、サイコ・サスペンス・スリラーの部類でいいのではないでしょうか。

彼女の作品では『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』(03)が好きでしたけど、『リトル・チルドレン』(06)を通過した上でこの映画は納得の演出。

愛情をもって接することが出来ない男の側に否があるとばかり思い込んで見ていれば、どうも違う。フランクは仕事に不満があるかもしれないが家族を養える安定した収入があるサラリーマンで、ちゃんと彼女と向き合っていて幸せなんだね。

エイプリルも一見幸せなはずなんだけど、どうも彼女の場合は性格がもともとガメツイ印象で、浅墓な夢を追い求めているよう。やがて専業主婦という内的に閉ざされた環境に追い込まれ、壮絶な夫婦ゲンカのもと精神を病んでいくのですが、彼女は子供が嫌いなのか?とみられる場面も。

郊外という空虚な環境が一因としてあげられるのかもしれませんが、たとえ提案されたパリへの移住が実現してもこの夫婦は破綻していたのではないかと思います。彼女たちの相談役になると思われた家族・親戚がまったく登場しないのも不思議。

年収がちゃんと確保できていたとしても人格自体に問題があるから、どこいっても何をしても一緒じゃないかなーと思ってしまいます。

11_2エイプリルの心情を感じ取るにつけ、この映画を真っ当から評価できるのは主婦の方に限るのかもしれません。私はどちらかといえばフランクに一部、特に後半は同情して観てました。ウィンスレットはディカプリオと比べてすごい年上に見える。 映画としてはかなり見応えのある作品で老若男女問わずオススメできます。

近年稀に見るスリラー作でした。キャシー・ベイツはふたりを見つめる不動産屋のおばさん役、やはりサイコ・スリラーが似合う方だと改めて認識。

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2009年1月30日 (金)

映画『アンダーカヴァー WE OWN THE NIGHT』 

Photo“潜入捜査”。日本では違法捜査でも、アメリカのアクション映画では度々登場する話です。今回の作品の邦題がまさしく“それ”。上映館数少ない割には結構な豪華キャストで気になる作品でした。

プロデューサーとしても注目されるホアキン・フェニックスとマーク・ウォールバーグが犯罪サスペンス『裏切り者』のジェームズ・グレイ監督と再びタッグを組んだアクション・ドラマ。

前作のシャーリズ・セロンに成り代わって登場するのはエバ・メンデスクラブで働くボビー(ホアキン)の彼女の役で豊満な色気を放っている。

ボビーの兄はNY市警のエリート(マーク)であり、父親は警視監(ロバート・デュバル)。警官一家で育ちながらも反目し、夜の世界で活躍するボビーだが、秘密裏にロシアン・マフィアと繋がる組織にいるボビーの店に兄ジョセフ率いる市警の一斉検挙が入る。

ここで何故題名が『アンダーカヴァー』なのかと不思議に思うのです。一体誰が潜入捜査官なのだろうかと。

マーク・ウォールバーグがてっきり潜入捜査するのだろうと思っていたら、いきなり彼は組織の一味から報復の銃弾を浴び、瀕死の重傷を負うことに。

華やかな世界で生きるボビーにも兄の悲劇的な知らせが届く。彼は家族との愛情と組織の一員としての自分の立場から板挟みに遭いながらも行動を移します。

潜入捜査を強いられるのは実はホアキンの方でした。

兄を撃った黒幕と普段接しているボビーは、次に狙われているのは父だと知る。市警の保護を受けるボビーとその彼女・・。ある日移動途中に黒幕から襲撃を受け、父を失うことになる。

ここのシークエンスは印象的でした。どしゃぶりの雨の中を3台の車で保護を受けるボビー・カップル(彼らは真ん中の車)なのですが、雨で視界が妨げられている中でのカー・チェイスはまるで自分が運転しているようなリアリティがあり、なんとも怖かったです。

カップルの心境、家族愛・・。地味な作風は『裏切り者』とよく似ていて、ひたすら淡々としたドラマが進行していきます。

Photo_2それでも退屈しないのは、緊迫感のある潜入捜査のシーン、カー・チェイス、取引現場での掃討、復讐・・とアクション・ドラマの醍醐味が描かれているからでしょう。

警察官として生きる心情は、 「こういうものなんだろうな~」と納得の、型破りなアクション映画とは違う淡々としたリアリティがあります。

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2009年1月23日 (金)

映画『光州5.18』

Photo_2 ちょっと久々に韓国映画を観てみよう・・と気になったこの作品。光州事件を題材にした映画で、1980年5月18日から10日間に渡り、光州市で起こった民主化を求める活動家とそれを支持する学生・市民が軍の制圧により多数の死傷者を出した事件を基に描かれる。

凄く悲劇的で残酷な話。唯一看護師のヒロイン・シネ(イ・ヨウォン)の姿に救われた印象です。

この映画を見るまではまったく知らなかった事であり、当時は軍の完全統制によりまったく報道されなかったという。ドイツ人記者により諸外国では報道されたらしいが、劇中新聞の紙面に報じられた場面は市内での救われない状況下の中に少しだけ挿入されていた。それでもアメリカは動かない。

北へ向かっていると思っていたのか、冒頭、軍用機で移動途中の兵士が「南へ向かっている・・」とつぶやきます。上層部からは何も知らされていない様子です。

79年、パク大統領暗殺後に軍部がクーデターにより実権を掌握した。

ごくごく平和な光景のいつもの日々に突如現れる戒厳軍。前半は何気ない青春ストーリーな展開ですが、一気にありふれた日常が惨劇に変わる。

もしこんな事が日本でも起こったら・・なんて思うとゾッとしますね。登場人物には少なからず感情移入できたかと思います。

頭のいい弟ジヌ(イ・ジュンギ)と二人暮らしのタクシー運転手ミヌ(キム・サンギョン)。弟と同じ教会に通うシネに思いを寄せるミヌは3人で映画を見に行くチャンスを得るが、外では民主化デモ隊と軍の衝突が始まり、やむをえず3人も巻き込まれる

シネの父親(アン・ソンギ)はミヌの会社の社長であり、空挺部隊の元軍人。この主要登場人物を軸に話は進行していきます。

韓国産らしいオーバーアクトな演出が目に付きますが、実話を基にしているだけに真面目に直視していました。

何故そのような経緯になったのか説明不足な為か、只々残酷なまでに撃ち殺される人々の姿が理不尽でいたたまれない。軍部の行動も描かれますが、なんだか個人の只の張り合の為に200名近い命が奪われていますからバカらしくて怒りさえ込み上げてきます。

Photo事実はもっと複雑で映画のようなものではないかもしれません。こんな事が起こりえた背景に興味を持ち、考えてみるのに重要な作品です。「暴徒じゃない」と抵抗した主人公、ラストで投降し、じっくり後で話し合うという解決策はもう無かった。せめて生き残って欲しかった・・。

「私達を忘れないでください・・」ヒロインの後姿が印象に残ります。

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2009年1月22日 (木)

オバマ米新政権発足

2009年は良い意味で分岐点になる年・・そう願わずにはいられない中、新たなアメリカの姿、世界の動きを目撃することに。

映画の中でも様々な「アメリカの姿」を見てきましたが、
    ここまでドラマティックな瞬間はそう見られることは無いです。

新しい希望と入り乱れる不安。

TV・新聞・ネットでしか情報を得られない「遠い国」の物語にしてそんな現実なんか、直視・理解できるのか?ってところもあるのですが、個人の生活にも大きく影響されるであろう世界規模の動きは今後も注目せざるを得ないです。

米国初の黒人大統領になるバラク・オバマ氏の率直な印象は「親近感」「品格」ある紳士。優しさ、幸せ感が漂っている。

包容力のある人で、「私があなたの立場なら」という敵を見方につけるほどの魅力が世界を大きく変えるかもしれない・・という期待感があります。

ヒラリー・クリントン国務長官、ゲーツ国防長官、ジョーンズ国家安全保障担当大統領補佐官・・と、リンカーンの再演といわれる“チーム・オブ・ライバルズ”の存在もちょっと気になるところで、
いわば宿敵同士ともとれる新布陣が今後うまく機能するのかどうか?内部抗争に発展しなければいいのですが。

二つの戦争、核問題、経済危機に地球温暖化・・と難問ばかり。


また映画の中でも語られる日がくるでしょう。

良い年になることを願って。

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2009年1月21日 (水)

映画『007 慰めの報酬』

Photo_16カジノ・ロワイヤル』から異例の続編となり、しかも前作から1時間後の設定で冒頭から激しいカーチェイス&銃撃戦の嵐、巻き込まれる周りの人達が気の毒だ~と思うのは暴走気味なボンドの活躍が目立つから。

それにしても前作は良く出来た物語で、生身の肉弾戦・銃撃戦が目立つ中でも、ヴェスパーの存在感があったからこそ印象に残っている。

今回も新たなボンドガール、カミーユ(オルガ・キュリレンコ)が登場しますが、色恋沙汰はほとんど無し。ヴェスパーの姿を引きずっているボンドの不条理ストーリーを見ている感覚です。

キャッチに「傷ついた心が、共鳴する」とあり、それは愛する女性を亡くしたボンドと悲痛な過去を持つカミーユの行動心理を表しているかのよう。

リアル志向を受け継ぎ、今回も秘密兵器なんかは登場せず、結構地味な作風になっていPhotoた。前半は正直ちょっとウトウトしかねない展開(汗)偽善エコロジーな会社組織のCEOであるドミニク・グリーン(マチュー・アマルリッ ク)と、共謀するボリビアの将校。時代を反映させたかの設定がいいのですが、もうひとつ何をやっている組織なのかが分からず尻切れトンボな印象もある。

前作から繋がる謎のテロ組織は皆やってることバラバラで、それは当然なのかもしれないが、どう取引されているのか観ている方には微妙に理解しにくい。

たとえばこのサイトなんかを見て人物相関を予習してから作品を鑑賞するほうが分かりやすくていいかも。事前知識ほとんど無しで観ておりましたが、カミーユの正体を知ったときは「へぇ~っ」って思いましたから、彼女が何者かなのだけは知らなくていいかもね。

MI6の元諜報員マティス、カジノでボンドに手助けをしていたCIAのフィリックスも再びさりげなくお目見えし、それはそれで味があって良い。

M続投するMはボンドにとって母親のような・・というか、それ以上のよき理解者。今回も前作にちなんだやりとりが見れてその存在感は必要不可欠なもの。こんな頭の切れるおばちゃんは近所にはいないよな・・。(いたら怖い)

愛する女性を亡くし、何に立ち向かっているのか分からないながらも闘いに挑んでいるボンドの姿はジェイソン・ボーンを思い出します。ダニエル・クレイグのボンドはボーンの対抗馬になるのか!?

ボンドとカミーユ、行動を共にするふたりのアクションは後半から面白くなってくる。惜しむKらくは、人物背景をもう少し掘り下げて魅せてくれれば良かったかなーと思います。フラッシュバックで、ヴェスパーの過去の姿なんかを挿入しても良かったような、、淡白なボンドの心情がどうも・・っていう物語に終始してしまって、カミーユも同様にもうちょっとドラマが観たかった。

見応えはあるんだけどあっさり早く終わってしまい、どうも印象に残りにくい映画でした。故に記事にするの遅くなりました・・。これ観た後に『カジノ・ロワイヤル』を観ると、「ああ・・カジノ、やっぱり面白い」って、思っちゃいます。

その後、さらにもう一度『慰めの報酬』を観ると、もしかして1回目より楽しめるかも(!?)クレイグ版ボンドはまだ続くようだし、早くも次作に期待。 ヴェスパーは実は生きていた!!なんてことには・・なりませんわな(^ ^;

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2009年1月20日 (火)

映画『007 カジノ・ロワイヤル』

Photo_3007 慰めの報酬』の公開に合わせてセル版DVDで拝見した本作。人物相関がやや複雑な為、最低2度観てこそ楽しめる作品と実感しました。『慰め~』は先日先行上映で観ましたが、なるほどちゃんと繋がっていて、シリーズ異色の続編というのも肯けます。

『カジノ』を『慰め~』前夜に復習して、さらに『慰め~』を観た後にもう一度『カジノ』を観るっていうのがより作品を奥深く楽しめるものではないかと思いました。

元々007シリーズに特別思い入れが無いので『カジノ』を劇場で観るのはスルーしてました。ピアース・ブロスナン主演のシリーズはまぁ、楽しんでみてましたが、あのおちゃらけた感じがど~も、感情移入できなくて、イマイチ乗る気になれないのです。

ところが、この作品はお得意のハイテク機器やらプレイボーイなボンドは登場せず、ひたすら硬派でなんかリアル。後半からは切ないラブ・ロマンスも盛り込まれていて意外や意外。

007の第1作は『ドクター・ノオ』(62)になりますが、その10年前に既にボンドの活躍はドラマで映像化されていて、それがイアン・フレミング原作の『カジノ・ロワイヤル』。権利問題で映画化されなかった作品が6代目ボンドを務めるダニエル・クレイグ主演で遂に実現した。

ダブル・オーの地位に昇格したばかりの若きボンドですが、ダニエル・クレイグは結構老け顔なので、随分ベテラン諜報員に見える。それでも、M(ジュディ・デンチ)とのやりとりや独りよがりな暴力的な行動から「やっぱり若いのか」と納得してしまうシーンがあります。

あの安っぽいオープニング・タイトルは本作には似合わない。これは『慰め~』でも感じましたが、マジメ・モードな物語からはスタッフの新たな心意気みたいなものを感じます。

スピーディーな冒頭の追跡劇から目を見張るものがあり、肉弾戦も目立ち迫力あります。

謎のテロ組織の幹部であるミスター・ホワイトと繋がる男ル・シッフル(マッツ・ミケルセン)。テロ資金運用の為にポーカーで稼ごうとする彼に対抗するボンド、その行方は!?

ポーカーのシーンと休憩時間における暴力シーンの対比がなかなかうまい仕上がりだった。

キャッチは最初の任務は、自分の愛を殺すこと。〉彼はとても魅力的な女性に惹かれ恋をし、愛するが、結末はあまりに切ないものでした。

財務省から送り込まれた美貌の女性ヴェスパー(エヴァ・グリーン)が中盤から登場してからというもの俄然話は面白くなり、ロマンティックな色合いが印象に残ります。

Oo72仕事に忠実であるがゆえに本来あるはずの幸せを手にすることの出来ない苦しさ、悲しさ が切実なまでに伝わってきます。ボンドとヴェスパーの最期は切ないが、案外あっさりしている。Mが言う「誰も信用できないの?」「学んだわね」なんていうセリフはそのまま『慰めの報酬』に引き継がれます。

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2009年1月15日 (木)

映画『ゲーム・プラン』

Game_plan__3 「ハムナプトラ2/黄金のピラミッド」(01)で映画デビューを果たし、以降「スコーピオン・キング」「ランダウン」「ワイルド・タウン/英雄伝説」とアクション映画一辺倒で活躍すると思われたWWE(アメリカ最大のプロレス団体)所属のザ・ロックハートフル・コメディにチャレンジ。

拍手喝采、全米2週連続1位になったにもかかわらず日本では何故だかビデオ・スルーになっていた作品。

NFLのスーパースターに扮し、たくましいながらもいつになく笑顔を振りまくザ・ロックと 彼のおしゃまな娘役になるマディソン・ぺティスの魅力を主軸に、バレエ教室の先生になるロゼリン・サンチェス、エージェント役のキーラ・セジウィックと実力派俳優も脇を固め愉快でホロリとくるドラマが楽しめます。

実力・金と名声を手にしたスター・プレイヤー、キングマン(ザ・ロック)は愛犬ブルドックと何不自由なく悠々自適な暮らし。ボタンひとつであらゆるものが動作するスタイリッシュでゴージャスなお部屋が素晴らしく、なんかうらやましいわ。

そんなお部屋に突如として現れた少女ペイトン(マディソン・ぺティス)。彼女はなんと自分の娘だと言い張る始末で、そんな事情は知らないキングマンは気が動転。母親が不在の間同居すると言い出した彼女だが、ここからふたりのドタバタ劇が展開する。

いきなり父親?っていう映画はこれまでも何本かあったような気がしますが、ザ・ロックがコミカルに演じるからこそ面白い!ってーのもあり、子役の女の子も地味だけど徐々に可愛くなってくるから楽しいです。

花形プレイヤーになっていても、優勝できないのは大切なものを忘れているから・・っていう成功の法則みたいなものが狭間見える作品だね。

アメフト全開な映画かと思っていたら、バレエのエピソードがうまく挿入されていて、ペイトンから引き寄せられるようにバレエ教室の先生とのラブ・コメなエッセンスが絶妙でいい感じ。

Thegameplanpubd_2先生役のロゼリン・サンチェスサンドラ・ブロックに似たお綺麗な方でして、役柄もゆるめの作品にピリッと引き締め効果を発揮されていて良い。彼女の立ち位置はキングマンにとってどれほどのものなのかなーと思っていたら、なるほどペイトンの意外な真相が明らかになり今後の展開を予感さる。

笑ってホロリなファミリー向けの楽しい一本です。

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2009年1月10日 (土)

映画『ワン・ミス・コール ONE MISSED CALL』

Photo_2洒落たパッケージに引き寄せられるがままに見てみたこの作品。柴咲コウ主演 『着信アリ』のハリウッド・リメイクであるが、果たしてどんな味付けが施されているのだろうか。斬新な展開が待ち受けていれば嬉しいが!?

数日後の着信日付で奇妙な着信音にてかかってきた携帯電話から発せられる死の呪いの連鎖。そこには各々の死に際が目されている。

主演の大学生べス役に『ロック・ユー!』(01)『カタコンベ』(07)のシャニン・ソサモン、彼女と行動することになるアンドリュース刑事に『15ミニッツ』(01)『幸せになるための27のドレス』(08)のエドワード・バーンズ。地味な配役ですが、後で「あ、こんな映画にも出てたのですね」と気付きました。

今や日常生活の必需品となったなんでもありの携帯電話ですが、このツールを使えば様々なバリエーションの作品が出来そうな気がします。

とはいっても、このリメイク版はオリジナルにほぼ忠実。なぁーんだっていうガッカリ感もありますが、ちょっとラストのオチが違っていた。

日本版の方はホラー映画として残虐な死に方がやたらと目に付いて印象に残っていますが、ストーリー性が薄っぺらく「これ自体駄作」だと思っている私にはアメリカ版への期待がちょいとばかしありました。

全体的に登場人物が抑えた演出でよろしいのですが、あまり怖くは無い。パッケージの怪物くんらしき物体も随所で登場して嬉しいですが、逆にアレをあんまり出されると笑ってしまいそうで怖くない。デーブが出てきたときは「は?」って思っちゃいました。笑えます。

死の予告としては映画『ファイナル・デスティネーション』(00)ぽいシーンもあり、結構あっさりしている。あんまりグロいところはないです。最後の火災現場での焼け爛れたゴースト(生きている!?)は不気味でしたが。

Photo_3携帯をツールとした面白み、虐待をテーマに母親がもたらす愛の罪深さ、解き明かされる 謎、ホラー映画としての醍醐味、いろいろありますが、オリジナルを見ていない方の為の映画であったかのように見えます。これ、海外での評価はどうだったのだろう。

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↑このカオ、目が口になっているところがナイスルッキン。

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2009年1月 8日 (木)

映画『ホワイト・ライズ WICKER PARK』

Wicker_park_2先日『アフタースクール』を観て思ったんですけど、やっぱり時間軸を交差させる物語は面白いなーと。『バタフライ・エフェクト』『イルマーレ』のような傑作もありますが、この『ホワイト・ライズ』(04)もなかなかの作品。

寒い時に観るとちょうどよい、切な系のラブ・サスペンス。最初観たのは3年くらい前になりますが、スタイリッシュな映像美とラストの泣きどころがエモーショナルで印象に残っている。

監督は『ラッキーナンバー7』のポール・マクギガン。主人公マシュー役ジョシュ・ハートネットとはこの作品に続いて2度タッグを組んでいた。

今回この映画を観るのは2度目になります。白銀の世界がキレイで感動的な映画だったのですが、謎々ストーリーであった為にいまいち理解できていないところもありました。

過去と現在が交差しまくりで、登場人物も交差しまくり。おそらくあと2度3度観ないと完全に理解できないんじゃないかと思ってしまうほどに時間軸の交差が激しい。2年前?現在?昨日?今日!?とんとん拍子で場面転換がある。

結婚を目前に控え、今や広告代理店で勤めるマシューは仕事もプライベートも順調であるかに見えた。ある日カフェ(レストラン)で2年前に姿を消した恋人リサ(ダイアン・クルーガー)らしき人物を見かけ、彼女の本当の気持ちを確かめるべく後を追います。

彼女なのかどうなのか確信が無いままに追うのですが、何か感じ取るものがあったのでしょう。やがて辿り着いたアパートの一室には、同じリサと名乗る女性(ローズ・バーン)がいたのですが、何故だかその女性と一夜を共にすることになる。

悪戯に引っ掛かってしまったマシューの冒険が始まるのですが、驚愕の真相を目撃することに。

大切な仕事をそっちのけにして2年を経過した今でも彼女を探し出すのだから相当なもの、婚約者への気持ちはどうなっているんだ?と疑問に思いつつ、話は進行する。

ダイアン・クルーガーの美貌がうまく引き出された作品。マシューと初めて出合った時の彼女、もうひとりのリサと一緒にいる時の彼女、マシューと再会するときの彼女。現在・過去、どちらの彼女なのか最初見た時はちょっとややこしいがいずれも輝いて見える。

Josh_hartnett4_3ラストはとても切ない。あれはハッピーエンドなのかどうなのか。“婚約者”の女性からしてみたらとんでもない話でもある。実はその婚約者の女性が、劇中一番まとも(美人)だったのかもしれない。うーむ、でもスタイリッシュな作品です。

エンディングがエモ系バンドのバラードが似合います。

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Photo_3 ホワイト・ライズ[DVD]

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サントラもオススメ。『ステレオフォニックス』、『ライフハウス』も収録されている。

ホワイト・ライズ Music ホワイト・ライズ

アーティスト:サントラ,ジェイミー・ワイアット,メイツ・オブ・ステイト,プラス・マイナス,ムーム,ポスタル・サーヴィス,アクアラング,モグワイ,ジョネット・ナポリターノ・アンド・ダニー・ローナー,ステレオフォニックス,ライフハウス
販売元:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
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仏版オリジナルのジャケ写↓

Photo_4

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2009年1月 2日 (金)

映画『P2』

P2_2地下駐車場2階、クリスマス・イブの夜に残業を終え、ひとり帰宅途中の女性が一晩中監禁される恐怖を描いたサスペンス・スリラー。これは監視カメラの必然性を皮肉ったかのごとき、孤独な警備員サイコ君の物語でもある。

新年早々何観てんの?って感じなのですが、何気に空いてた一本を借りて見てみました。

実話を基にしたものらしく、確かにありそうな事件ですが、パッケージ見ると最初警備員に女性が助けられる話・・かと思っていたらこの警備員自体が犯人という設定。

この男がまた今の日本にもいそうなキャラクターでして、孤独で友達がいないひきこもり警備員(ウェス・ベントリー)

グロな描写も出てきて『キレる』瞬間の恐怖演出が怖い映画ですが、精神的に主人公の女性(レイチェル・二コルズ)を追い詰めてはいるものの、彼女自体には暴力を振るわないという変わった優しい男でして、歪んだ愛情が悲劇的。

監禁されるとはいえ、舞台は広い駐車場とさらにエレベーター。ここをうまく利用して、逃げる・追う様をスリリングに描ききっています。

偏執狂なサイコ君の純愛ともいえる行動があまり怖くないのですが、そこが観やすいというか、痛い場面が意外と少なくて反撃に出る女性の活躍が痛快です。

白い薄着ひとつで闘うレイチェル・二コルズ、美しくも強い女性像を体現している。後半のカーチェイスも見もの。

P22脚本・製作をハイテンション」「ヒルズ・ハブ・アイズアレクサンドル・アジャが手掛けて いますが、思ったほどグロでダークな映画でもなく、冒頭のレイチェルの登場警備員室のデコレーション、脱出した後の地上における白銀の世界など、スタイリッシュな作品として印象に残る稀なスリラー作であったと思います。

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2008年12月31日 (水)

映画『ワールド・オブ・ライズ BODY OF LIES』

Wol_2見たいのは、CIAの諜報活動が如何にして行われているかということ。本部のエリート局員ホフマン(ラッセル・クロウ)と現地の工作員フェリス(レオナルド・ディカプリオ)のやりとりから見えてくるのは空前絶後の騙し合い。彼らの“思いつき”ひとつで世界が動く。

フィクションとはいえ、原作は中東問題に精通するベテラン・ジャーナリスト、デイヴィッド・イグネイシアスによるもの。

「いま、世界でこんな事が起こってますよ」と陰惨たる現場を提示してくれていますが、次にとる行動はなにか、それはラストのフェリスの決断からも示されるとおり、個人として「大切な人のもとにかえりなさい」といったところなのかもしれない。

しかし、対比して描かれる上司ホフマンは非人道的といえる決断をすんなり下す戦略家でありながら、〈表向きかもしれないが〉家族を愛する良きパパとして描かれている。いったい何人の命を犠牲にして生計を立てているのだろう。

ここが怖いところであり、見て見ぬふりをし、「あなたの周りにもこんな人で溢れてますよ」なんてこと語っているような映画にもみえる。

ショッキングなのが、世界規模の無差別爆破テロ組織の首謀者をあぶり出すべく、彼らを上回る爆破テロ組織をデッチ上げようと思いついたフェリスの一言。それに即座に乗るホフマンにも驚きだ。

遠目から見て、そんな作戦上手く行くわけないじゃんって思うのですが、爆破事件を報道させ、一般市民をテロ首謀者に仕立て上げているから恐れ入る。911陰謀説にも通じて見えるからまた恐ろしい、、デッチ上げられたものにはたまらんだろう。劇中のフェリス、モハメド・アタの事をちょろっとだけ語っていた。

良心的な主人公と思えた彼も裏工作により多大な犠牲者を送り出すことに。もはや個人のできることの範囲を超えたわけがわからなくなる話故に感情移入ができる隙がないです。

Wol2一瞬たりとも隙をみせればテロ組織の思う壺。来年(2009年)のアメリカの動きはまた別の映画でも提示されることになるのでしょう。これは面白いとか、娯楽作とか言うよりも、情報の塊の映画だと認識しています。

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2008年12月26日 (金)

映画『花より男子 ファイナル』

Photo_2映画館へこれ観に行くのはちょっと恥ずかしいな~なんて思いながら観に行かなかった(行けなかった)作品。とかいいながら、TV版は観てましたので興味アリ。どんな展開で終わるのだろうかと、DVDでの鑑賞です。

学園を牛耳る御曹司4人組“F4”の中でも傲慢で自己中心的且つ乱暴な道明寺司(松本潤)と、彼に出会ってしまった平凡で等身大の女の子である牧野つくし(井上真央)、そしてその家族のドタバタ劇が面白いシリーズでしたが、これで終わりの模様。

司とつくしの『格差』があるからこそ面白いシリーズであり、金持ちばかりのゴージャスな話なら感情移入など皆無であったろうかと想像します。

故、つくしはこの映画でも「ありえない」 「ありえないっつーの!」と何度かつぶやきます。そうそう、まったくありえない話なのですが、彼女が観客に成り代わり思いを伝えてくれるので納得なのです。

オレ様な司のくだらないギャグの挿入も絶妙で、F4とつくしの可笑しなやりとりが見所のひとつ。

TV版をそのまま受け継ぎ、あれから4年後の設定。司は全世界に向けてつくしとの婚約を発表する。ロード・ムービー的なシーンで始まり、舞台はラスベガス、香港とワールドワイド。

あの「ティアラ」を盗む際の組織的ガラス・トリックは何?アクションは何?オークションの金、半端じゃないよね~!!とか、いろいろありましたが、冒頭からラストへ向けて収まるべきところで収まる展開は上手いなーと思いました。

F4の80年代風のジャケットをはおるスタイルはマジシャンぽくて個人的にも好きだし、つくしは素朴ながらかわいらしく映っていて好感度高し。ラスベガス・香港の夜景含め、視覚的にも楽しめる作品。

藤木直人演じるエピソードはもう少し描かれると思ったのですが、流されましたね。

あ、そういえばこんな大事なとき、司の姉ちゃん(松嶋菜々子)はどこいったのでしょう。

Photo_4魅せるところはやはり結婚式なのですね。ここへ辿り着くまでに、金持ちと貧乏人、その他価値観の違いによる“格差”が強調されるわけですが、無人島のシーンで上手くまとまりました。

「ありえない・・」
けれども感動のフィナーレとしては女の子には「たまらない」映画だったのではないでしょうか。

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2008年12月19日 (金)

映画『地球が静止する日』

Photo_351年に製作されたSF映画の古典をキアヌ・リーブス主演で映画化。オリジナルは見ていないので簡単に比較できませんが、ほぼ同じ物語だとするならば、50年前から人類はあんまり進化していないってことでしょうか。現代でも通用する物語。

徹底的な軍事力で制圧しようとするアメリカの姿が随分強調されていたように見えましたが、やはりというか、この映画でもバカな指導者が裏で動いています。

巨大な球体と供に地球に降り立った異星人クラトゥ(キアヌ・リーブス)と巨大ロボット・ゴート。クラトゥの目的は“地球を救う”こと。人類(国連)と対話し、解決策を提示しようとするが、侵略者への敵意を剥き出しにする米国は危険因子である球体・巨大ロボに攻撃を仕掛ける。

弱いものは強いものに土地を奪われる。そうなる前に、先手を打とうとする米国ですが、宇宙の根源を司る強大な使者の前に成す術が無い。

映画『インデペンデンス・デイ』のような侵略者のエイリアンとは違い、この映画のエイリアンには心がある。しかも、70年前からの先住民もいたね。

対話が大切であるはずなのに、ひたすら軍事力を行使するアメリカ。

環境問題をテーマに持ってきているようですが、「いい加減、そんなバカな戦いは辞めたら?」なんてメッセージが聞こえてくるような作品です。

主演はキアヌですけど、科学者役のジェニファー・コネリーの活躍がメインで彼を良い方向に動かすのは彼女の役目。このふたりが主人公といっていいでしょう。また、相反する活躍を見せるのは国防長官役のキャシー・ベイツ。ゴツイです。

予告編で見たとおりですが、映像はなかなか見応えありました。ゴートが不気味で、怒りの代弁者のように見えました。

「何さらすねん!」「お前ら、ドンパチばかりやっとってもらちが明かんぞぉ!!」こんな感じです。

Photo理想としては、醜い争い事の無い世の中になるのが望ましいが、地球を救うということは、 地球に住む人類を救うことではなく、人類から地球を救うということだった。ジェニファーとその子役がいなければ、いったいどうなっていたことやら・・。

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2008年12月14日 (日)

映画『築地魚河岸三代目』

Photo_3そんなに期待せずになんとなくDVD借りて見てみたんですけど、面白かったですよ、これ。主人公カップルだけじゃなくて、脇役陣の描写がうまくてラストはハッピーエンド。みんながハッピーになれる後味の良い物語。

あの魚市場の独特の臭いとか苦手な方かもしれません。随分長いこと行ってないな。だから、余計に最初は見る気になれなかったというか、多分苦手な話かも・・という勘繰りがありつつ、、の鑑賞です。

仕事の転身は誰しも考える時期、あるかもですが、長い人生の中での本質的なきっかけがないと、そう易々と動けるものでもない。

この作品の主人公・赤木旬太郎(大沢たかお)はやり手商社マンとして働いていて、リストラの陣頭指揮を任される身分。恩義ある元上司(大杉漣)に解雇を通知せざるを得ない立場でいらだちを隠せない様子です。

ある日、装飾デザイナーとして働いている恋人・明日香(田中麗奈)を夜明け前の街角で見掛けるが、彼女が向かった先は何故か築地市場。

結婚を考えている彼ですが、彼女が仲卸の名店「魚辰」の二代目の娘であり、ワケあって父が営む市場を手伝っていることを知りませんでした。

で、多忙な彼女を手伝おうと市場に乱入する旬太郎ですが、慣れない接客やルール、人間関係に四苦八苦する。

仕事に苦悩してもっとグダグダになるのではと思ったのですが、元々行動力がありできる男なので、すぐにその場に溶け込んでいきます。ですが、彼女の為にと起こした行動でも、明日香にとってはとても喜ばしいことでもなく、いきなり会社を辞めて築地市場で働き出す彼に「なんで勝手にきめるの!」と怒ります。

商社を去ることになった元上司、それと連動するように会社を辞める旬太郎、父との確執に苦悩する明日香。

明日香の親父さん役が伊東四郎なんですけど、終始なんか、笑えます。なんか憎めないキャラクターだな~。

父と反発して外の世界で働く明日香の気持ちも分かります。田中麗奈はなかなかかわいらしく映っている。また、彼女にはなにかと噂される英二(伊原剛志)という存在もあり、ひとり飲み屋を営む千秋(森口瑶子)のエピソードがまた意外で、主役カップルだけでなく、脇役陣もみな主役級の場面転換があり良かったと思います。

森口さんは変わらず、キレイな方ですね。

Photo_6生まれ育った環境がまったく違えども歩み寄る人々、昔から知っているはずなのに、近くにいても気が付かなかった存在。最後の最後で大団円で終わる爽快感。とても良い作品だったと思います。

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2008年12月12日 (金)

映画『252 生存者あり』

252ドラマ版を観ちゃったので、ちょっとの期待を胸に引き寄せられるように映画版も観に行きました。これはラストで泣かしにかかってきます。感動的な泣きのシーンではなくて、ずるい泣きのシーンです。そう、総括して見応えはあったけれど、ずるい作品。

いきなり結論を語りましたが、だいたい予告編で観られた通りの設定。都心に向かって大きく流れ込む津波、閉じ込められた人々、引き裂かれた親子、助けに行くハイパーレスキューの活躍。以下、ネタバレご注意。

原作・脚本の小森陽一が『LIMIT OF LOVE 海猿』(06)の撮影後半時に伊藤英明(元ハイパーレスキュー役)に渡した最初のプロットが結果映画化へと繋がったようです。

『海猿』シリーズは面白かった。過酷な現場とコミカルなラブストーリーが同時進行していき絶妙の面白さだった。今回も伊藤英明が出てるし救出ものなので『海猿』と似ているといっちゃあ似ていますが、前者の役柄が独身者であったのに対し、今回は妻子がいる。所帯持ちに因んだ落ち着き、幸せ感、苦労などの家族愛がクローズアップされていた。

子供がいるかいないかで随分印象が変わる映画かもしれません。救出に身内と一般人の優先順位をつけれるかどうかの難題も、ハイパーレスキューのプロ意識が試されるからそこらへんは考えさせられました。

監修には新潟県中越地震の救出劇で知られるハイパーレスキュー清塚光夫総括隊長の名があります。

「チーム全員が生きて帰ってこその仕事」という部分ではドラマ版でも語られていた通り、しっかりリンクされていました。

気象庁予報部職員役の香椎由宇の活躍が知的なまでに洗練されていて、感情的になりがちの登場人物達とうまくバランスがとれていたように思います。彼女、ドラマ版ではまだ学生でしたね。あ、繋がってるな~と、

地下のホームに閉じ込められた人々、屈折した研修医役の山田孝之、大阪で中小企業を営む社長役の木村祐一、韓国人ホステス役のMINJI。
そこには元ハイパーレスキュー役の伊藤英明娘さん役の大森絢音ちゃんもいる。地上に待つ嫁さんは桜井幸子、兄であるレスキュー隊長は内野聖陽。

スタローンの『デイライト』(96)をちょっと思い出しました。どっかで観たような展開はまぁ、いいとしても、本作は奇跡的に都合の良いアイテムが登場し、奇跡的に助かり続ける描写が露骨でどうなんだっていう印象も。

ラストの救出劇は、なんであんなに間があったり、チンタラしているのかが分かりませんでした。あんたら、たった18分間しかないのに、何語り合ってるわけ(!?)。そして最後の最後でなんと、伊藤英明が!!

「ウソでしょ!?ムリムリ!!」愕然としてしまいました。

252_4スペクタクルシーンは凄みがあるしさることながら、一番の見所は大森絢音ちゃんの演技です。お父さんが救出されない場面で彼女が泣くんですね。耳が聞こえないながらも頭のいい彼女が泣き叫ぶ。

あそこは泣きます。変に間があるラストの展開の中での彼女の演技はリアルに響いていた。

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2008年12月 6日 (土)

『252 生存者あり episode.ZERO』

消防士を扱った映画はハリウッドでも幾つかあった。『タワーリング・インフェルノ』(74)、『バックドラフト』(91)、『炎のメモリアル』(94)、『ワールド・トレード・センター』(06)・・。

本日公開される映画『252 生存者あり』の前夜祭として放送されたドラマ『252 生存者あり episode.ZERO』ですが、映画版は見に行こうと思っていたのでこりゃ見逃すまいとDVDに録画しておきました。

で、見てみたのですが、さほど映画版との繋がりはないのでしょうか、阪神淡路大震災で両親を亡くした青年がレスキュー技術研修にて仲間と葛藤・苦悩・衝突を繰り返し、成長しようとする(成長するのか?)物語。

別に見なくても良かったかな~と思いましたが、映画の宣伝にはなるでしょう。

命がけの過酷な仕事であるが故の恋人や家族の葛藤・・って、もう、そのまんまで、見飽きたかな。やはりどこかで見たことあるベタな展開で、それはいいとしても、主人公のキャラクターがどうもダメで、全体的にオーバーアクトが目立ちました。

「消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)」は阪神淡路大震災の経験・教訓により大規模災害等に対応する為の特別な技術・能力を有する隊員で編成された救助隊とされる。

かつてのハリウッド映画をお手本にしつつ、どのような活躍が描かれるのか。

『海猿』消防バージョン、予告編を見る限り、なかなかのパニック大作映画であるようです。

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2008年12月 4日 (木)

映画『アフタースクール』

Photo_3 ユーザー・レビュー見てると結構高評価なこの作品。普段洋画観ることの方が多いからまったく気にもしていなかった映画ですが、DVD出たのでなんとなく見てみることに。どうも巧妙なプロットが用意されているようであり、キャッチがまた凄いです。

行方不明の友人、同級生を名乗る探偵、大人の放課後(アフタースクール)には何かが起きる!!
笑って、驚いて、巻き込まれて、グッとくる。驚きエンターテインメント! 甘く見てるとダマされちゃいますよ〉

ん~、騙されました。面白い映画だなーと思いはしましたが、いろんな意味で騙されました。

冒頭で中学時代の淡い1ページが綴られまして、その後妊娠している常盤貴子と会社員っぽい堺雅人が現れます。自然に考えればこのふたりは夫婦であり、隣にいる山本圭は常盤貴子のお父さん役に見えます。

で、ふたりの親友のようである大泉洋が出てきて、堺のいない間に常盤貴子の出産に立ち会うことになる。どうやら彼は母校の教師であり、さらにそこへ謎の探偵佐々木蔵之介が現れた。

探偵・北沢(佐々木)はとある人物から依頼を受け、会社員・木村(堺)の愛人らしき謎の人物(田畑智子)の写真を中学教師・神野(大泉)に突きつけるがー。

あまりネタバレはできませんが、感想としてはさほど印象に残る映画ではなかったです。かなり強引に話をつなぎ合せているように見えました。

個人と個人の濃密なドラマが展開されるわけでもなく、さらりと時系列を操った作品

神野・木村・北沢、それぞれ個人の強い意思により動いているわけでもなく、惰性的に生きているようにみえるのです。組織めいた人物がずらずらと出てきたところで「あっちゃー」って思ってしまいました。

最後、探偵に教師が言った「お前がつまらないのは、お前のせいだ」っていうの、大きくでたな~と。そういえば、中学の先生で一番印象に残っているのは美術の先生、こんなセリフ、言いそうな先生だった記憶が。劇中、神野の教科は何だったかな、保健体育?

Photo_2冒頭のシーンがラストで昇華される過程はうまいです。中学時代の同級生の友人同士の青春、いいですね。もっと、主要登場人物4人に的を絞れば感動できたかなーと。常盤貴子が演じた女性の過去も謎だし。

まぁでも、こんな作品層々邦画で見れるわけでもないし、映画館で見逃した人、どんでん返しものに敏感な人は必見でしょう

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2008年12月 1日 (月)

映画『ストーン・コールド』

Stone軽快なハード・ロック・ナンバーに乗せ、殺人暴走族集団にひとり立ち向かう潜入捜査官の活躍を描いたバイカー・ハード・アクション、91年製作。アウトローなマッチョマンの主人公を演じるのは元プロ・フットボール選手のブライアン・ボズワース

監督はクレイグ・R・バクスリー。あんまり内容覚えてないんですけど、ドルフ・ラングレンが凶暴な宇宙人と闘ったSFアクション『ダーク・エンジジェル』(90)の監督さんでもあります。

ラングレンシュワルツェネッガーと並びに映画界で大活躍していくだろうと思っていたボズワースですが、あんましパッとする作品がないのが残念。故にこの映画はやたらと派手に目立つ作品であり、豪快なアクションが炸裂した代表作といえる。

オルタナティブ・ロックが台頭する直前、メタラー的なファッションに身を包むボズワースがなかなかカッコイイ。そう、あの時代の空気がバイカー集団からもぷんぷん放たれている感じ。

族長にランス・ヘンリクセンが扮し、チョイワルおやじならぬゲキヤバおやじを熱演されていた。その暴走振りはまさしく「人でなし」。

族長の片腕にウィリアム・フォーサイスが出ていた。セガールの『アウト・フォー・ジャスティス』(91)のリッチー役が強烈に印象に残っていますが、悪っぷりはこの作品でも生かされている。

マフィアとも繋がりを持つ巨大組織に膨れ上がった殺人暴走族集団。ワルにはワルの潜入捜査官が大活躍だ。

かなりアホアホな展開でオーバーアクトが目立つ作品ですが、そこが潔いというか、アクションに徹しているから痛快。クライマックスの裁判所における『ダイ・ハード』な場面は金掛けていなさそうで結構頑張ったぞ!てな具合の豪快さ。まったく「人でなし」だな~。酷い。

Photoこれ見たの高校くらいだったかな。DVD出てるから久しぶりに見たんですけど、意外とよく覚えているものです。ひとりで巨悪に立ち向かう男の勇姿は見ていて痛快。B級ならではの壊れっぷりが面白かったのだ。

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2008年11月29日 (土)

TV『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ 第1話 序章』

Photo_2物語は『T2』のその後。時は1999年と表示される。サイバーダイン社を破壊し審判の日を回避させたかにみえたサラ・コナーとジョン・コナー母子の前に再びターミネーターが現れる

全米で今年1月に放送され、高視聴率をマークしたスピンオフ・ターミネーター。雑誌DVDでーたで特集が組まれ、第1話の『序章』がDVD『SUPERNATURALⅢサード・シーズン⑧』に収録されているということでさっそく借りて見ました。以下、ネタばれご注意

『T2』のその後といいつつ、物語は1999年からスタートします。“その後”というのでてっきりT-800とお別れした1994年直後の話かと思っていたら99年。ここで「アレ?」と疑問を持ちます。何故なら、『T3』でサラ・コナーは1997年に白血病で亡くなっているはずだからです。

ここでちょっと頭がこんがらかりましたが、調べてみるとどうやら『T3』はタイムライン上別次元らしく、来年公開される『ターミネーター4 Terminator Salvation』との繋がりから『T1』→『T2』→『TV版』→『T4』というストーリーの流れになるようだ。(ウィキ参照)

では、『T3』はなんだったんだということですが、結果『T1』『T2』『T3』と3つに分かれた時間軸のうち『T3』は番外編とされ、TV版本編が『T2』の後の時間軸として成立することになる。んー、『T4』はどうなるのだろう。

『T3』では最終的に審判の日が2004年に到来してしまったのに対し、TV版では“2011年4月19日”に始動したことになっている。これはサラ(レナ・へディ)とジョン(トーマス・デッカー)の前に現れた美少女ターミネーター・キャメロン(サマー・グロー)の台詞から語られます。

わくわくしながら見た『序章』ですが、やはり面白かったです。現在全米ではシーズン2が放映中のようですが、これは絶対全編見なければなりません。『T4』へはどう繋がるのでしょう。

Photo_4高校生になったジョンの前に現れたキャメロン。普通の女の子に見える彼女がジョンを護衛するターミネーターだというのに驚き。可愛いです、彼女。人間らしい表情・仕草を見せるキャメロンを見てジョンが言います。 「ロボットなのに何か違う」。もしかして、何か特別なアンドロイドなのだろうか!?

ジョンを抹殺しようとするT-800シリーズのターミネーターと肉弾戦を繰り広げるところも素敵です。

サイバーダイン社マイルズ・ダイソン殺害の罪でFBIに指名手配されているサラ。冒頭で婚約者が現れますがすぐに別れることに。敵との闘いに備えている為に強い精神と肉体的訓練を欠かさない。奔走する中で、ジョンとの固い絆を保っている。

貸金庫に常備されている時空間転移装置の登場も面白く、審判の日阻止の為にキャメロン率いるサラとジョンは2007年に飛びます。

「恐れるな。未来は変えられる。」

『T4』公開に向けて、TV版DVDを要チェックです。にほんブログ村 映画ブログへ

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2008年11月24日 (月)

映画『バトル・ライダー MISSIONARY MAN』

Missionaryman_4内容がどうであれ、ついついレンタル屋で借りてしまうB級アクション群。「なんとかライダー」なんていう安っぽい邦題はいただけないのですが、本作の主演はドルフ・ラングレンであった。

そう、『ロッキー4』のドラゴ役が一番有名ですが、主演を務めた『レッド・スコルピオン』(88)パニッシャー』(89あたり、好きで観てました。以降、あまりパッとせず、いい作品にめぐり合えていない気がしていたものですが今回は監督・脚本も務めている。

無骨ながら体格のいいハンサムな彼のイメージはそのままに、より渋みを増した顔つきが作風にマッチしている。

製作はアンドリュー・スティーブンス。最近では『ワイルド・タウン』シリーズがなかなかのアクション作だったので覚えております。

色調を落とした映画なのでちょっと違和感を持って観ていたのですが、内容は現代版西部劇といった趣向で分かりやすい内容。イーストウッドの『ペイルライダー』が元ネタでしょうか。

馬の代わりにバイク、いつも聖書を手放さない。戦友の死を機に暴力が支配する町にやってきた男はひとり戦いに挑む。

ちょっと思い出したバイクもののアクション映画の傑作はブライアン・ボズワース主演のストーン・コールド』(91などがある。あれは潜入捜査官が暴走族を壊滅させる話でしたけど、マッチョな男がひとり立ち向かうところは似ているから、ふと脳裏によぎった。

んー、バンダムやセガールと同様に落ち着いた感のあるラングレンの作品群ですが、まぁまぁの出来ですかね。アクション映画が好きな人は観て損はないでしょう。

Photo_2最後のほうなんて、ラングレンがターミネーターに見えましたからね。無骨だな~なんて思いつつ、彼は何も言わずに町を立ち去っていく。暇つぶし程度に観るのもいいでしょう。

・・久しぶりに『ストーン・コールド』が見たくなってきた。にほんブログ村 映画ブログへ

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2008年11月22日 (土)

映画『300〈スリーハンドレッド〉』

300_2よくスパルタ教育なんて言葉を聞くことがありますが、古代ギリシアのスパルタで行われた教育方針・方向が語源だとされる。程度の差こそあれ、現代の生存競争社会でも当てはめられる課題だ。

紀元前10世紀から約700年間実在したとされる都市国家スパルタには強靭な兵士を育成するためのプログラムがある。

新生児は面接を受け、虚弱者はいきなり遺棄される。これは優生学をまず想起しますが、映画で語られる厳しい掟とは7歳で母と決別、平野にひとり放置され、 「空腹なら盗め、情けを捨てろ、痛みを隠せ恐怖を受け入れろ、絶対に退却するな、絶対に降伏するな。」というもの。

なんとも男気溢れるハードボイルドな世界ですが、同時に女性も強くなければならない。

スパルタ王レオニダス扮するジェラルド・バトラーは作品によってキャラをうまく使い分ける役者さんですが、鍛え抜かれた精神と肉体は映像から迸り、妻への愛情も深き戦士を熱演されていた。

ペルシャ王クセルクセス率いる100万のペルシャ軍精鋭300人を率いて闘いに挑むレオニダス。「テルモピュライの戦い」をフランク・ミラーのグラフィック・ノベルを基に描かれたこの作品はまるで“北斗の拳”な世界観。デジタル処理を駆使した映像は美醜漲るアーティスティックな場面で統一され、BGMともに斬新なまでに展開される。

史実を忠実に描いたわけでもなく、かなり漫画的な描写なのはモンスターなんぞも登場するから。巨悪に立ち向かう善人ととれる構図が分かりやすく、エンタメに徹しているのが潔いです。うーん、北斗の拳だなー。

昔の物語で大軍vs大軍ていう映画は苦手なほうでして、映画館で見る気がしなかったんですね。けど、これは映画館で見た方が良かったかなーと後で思いました。ちゃんとひとりひとりの戦士をクローズアップして描かれてますし、そこは良かったです。

ペルシャ王のキャラは飾り物が多くて不気味でしたけど、悪人めいたオーラが漂っていて強烈だった。

「絶対に退却するな、絶対に降伏するな。」

軍事的な解決策では多大な損失と早急な『死』が待っている。彼らは何のために生きていたのであろう。対話での解決方法はなかったのでしょうか。服従を迫ってきたペルシアの使者をひと蹴りしたところが分岐点である。

Photo仲間と助け合い、知力を駆使して戦いに挑むスパルタに魅了されるから、それはそれでこの映画の成功どころだったのかもしれない。スパルタ教育なんて響きはあまり聞こえの良いものではないですけど、エンタメ化した映画としては見応えのあるものでした。

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2008年11月21日 (金)

映画『幻影師アイゼンハイム THE ILLUSIONIST』

Photoはぁ~、面白かったよ~、してやられました。去年ここのエントリで書いてたとおり、マジックが好きなものとしてはずっと待ってた映画です。忘れかけていたところでDVDのリリース、これは芸術的なまでに格調高い作風でラストは驚きと爽やかな感動が待っている

同年に制作された映画『プレステージ』は空前の奇術バトルでラストはうっそーんてな印象でしたが、こちらは政治に奇術と恋愛をうまくミックスさせた物語でして、奇術師アイゼンハイム(エドワート・ノートン)公爵令嬢ソフィ(ジェシカ・ビール)の一国を激変させる物語がうまくまとまってました。驚きのトリックの全貌ここに。

舞台は19世紀末のウィーン、手品に魅せられた若きエドゥアルドは町で出会ったソフィと仲良くなるが身分差により引き裂かれる。それから15年の歳月が流れ、アイゼンハイムと名を変えた彼は天才奇術師として活躍するが、皇太子レオポルドとの政略結婚を控えるソフィと舞台上で再開し、ふたりは密会をする。

キャッチはすべてを欺いても手に入れたいもの、それは君。

あ、こういう人いるよね~と思わせる、トリックを見破りたがる皇太子と彼を舞台で挑発するアイゼンハイム。天才的な奇術の数々は小手先のものから「そんなのムリムリ!」と思わせる超自然的、霊的なものまで芸術の域に高められたもの。

途中彼はホントに魔法使いじゃないの?と思います。まぁ、映像はCGなんだろうけど。

皇太子の右腕であるウール警部(ポール・ジアマッティ)はアイゼンハイムの密会を監視している身分だが、奇術に魅了されるが故に詐欺罪で逮捕を命ずる皇太子にも戸惑い気味。

そして事件は起こった。ソフィが皇太子と言い争う直後、死んでしまいます

ここで殺したのは当然のように皇太子と思うわけです。奇術師も警部も彼を疑うが、三つどもえの駆け引きが“死者を蘇らせるショー”とともに展開されていく。

最後で明かされるトリックは・・言えませんね。見てない方には、とにかく見てくださいと言いたい。“奇術のタネ”自体は作中臭わせる程度に出てきますが、一番注目するのはそこではない。

Photo_3最後でウール警部も気が付いたんですね、アイゼンハイムが何をしたのか。ラストは警部と共に驚きと笑みが止まりませんでした。趣味程度であれ、マジックをするものなら尚更楽しめる作品、お見事!

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2008年11月19日 (水)

映画『P.S.アイラヴユー』

Psどうしようかと悩みつつ、徳永英明の日本語テーマ曲が脳裏に引っ掛かってまして、京都行った帰り際レイトショーで見てきました。公開から一ヶ月近く経ってから観たのですが観客は意外と多く、やはりというか、女性客が多いです。

亡くなった夫から届けられる手紙。「翌日から何らかの方法で届く手紙の指示に従って欲しい」というボイスメッセージが入ったプレゼント、そこから若き未亡人の人生を目撃することになります。

未亡人といえば高橋留美子の漫画『めぞん一刻』をふと思い出します。あれは五代くんが響子さんを振り向かす為に奮闘してましたけど、この映画では五代君的なキャラはいたけど、惣一郎さん的なキャラは主人公の心に深く生き続けていて惣一郎さんに成り変わるパートナーが現れそうになるまでが描かれますが、鈍感でおっとりしたキャラの響子さんとはかなり違うタイプの主人公にドギマギします。あ、前置きが長いね、

超常的な話でなければ手紙を届けているのは身内の誰か。それはラストで明かされますがミスリードを感じさせる部分があり、物語の流れとしてちょっと回りくどいかな~と思うところもありました。重要なのは人の気持ちですので、そこに感情移入できるかどうか。

子供を持てないことに苛立ちを隠せない妻ホリー(ヒラリー・スワンク)と体格の良いアイルランド男の夫ジェリー(ジェラルド・バトラー)の痴話喧嘩から物語が始まります。かなりS対Sな感じでいきなり壮絶なバトルが繰り広げられ、ややドン引き状態になりました。まぁ、これくらいの夫婦喧嘩はどこぞの家庭でもあるのではないかと想像しますが、なんせ『ミリオンダラー・ベイビー』vs『300〈スリーハンドレッド〉』ですから、こんな喧嘩は収集つかんでしょうと思いつつ、すぐに仲直りするおふたり。

その後すぐにジェリーが亡くなった上での設定になり話が進みます。故に手紙と思い出がリンクしてホリーの夫への想い、幻影が浮き彫りになり、戸惑いや希望が綴られていく。

原作者のセシリア・アハーンはアイルランドの元首相令嬢であるらしく、21歳のときにこの原作本を書き上げた。若くしてよくこのような物語を書けたねーと感心します。ニュース記事をみると何故主人公を実年齢より10歳近く上にしたかについて語っている。

Photo「ホリーは友だちより少し早く結婚のスタートを切っていたのに、夫の死で取り残された感じになる。この先孤独に生きるのか、何か新しいスタートを切るのか。よく30歳はパニックエイジという言い方があって、大人なんだからいろいろと決断しなくちゃという年齢で、その直前に夫を亡くしたことに意味合いがあるんです」

監督は『マディソン郡の橋』の脚本家であるリチャード・ラグラベネーズ。ヒラリー・スワンクとは『フリーダム・ライターズ』でもコンビを組んだ。

どちらかといえば女性向きの映画。ホリーのママ親友などもなかなかに濃いキャラクタ ーでして、女のホンネをまざまざと見せられたような作品でした。これはアメリカ人と日本人のギャップもかなりあると思えたんですけど、どうなんでしょう。原作を読んでないので分かりませんが、結構アメリカ向けに脚色されているような気がします。

Ps3ホリーのような女性はあまりタイプではないし、感情移入できないから終始微妙ではありました。夫の死で打ちひしがれ、彼女はグダグダになるんですね。グダグダのボロボロな心を引きずって、「いつまでグダグダなんじゃい!」と、言いたくもなります。あの、アイルランド旅行の行きずり男との出会いとその一夜とか、何故にあそこであーなるのか、それはそれでよかったんでしょうか。

ジェリーとの出会いの場面は犬も含めて印象に残っている。あそこが人生の分岐点でもあったわけだし。

陽気で気前が良く、音楽でノリノリなアイルランド人の印象はそのまんまだった気がします。誰かに何かをしてあげたいという気持ちになれるところではジェリーが分かりやすかったですけど、バーテンダーのダニエル(ハリー・コニック・Jr)がうまく話に溶け込んでいていい意味で、意外なキャスティングでした。

Ps2しっかし、ママ役のキャシー・ベイツが出てきたときは怖かったです。あまりにも映画『ミザリー』の印象が強いもんで・・。けれども、ちゃんと最後に話をまとめてくれますから、そこはよかったかな。「ず~っと、泣いとった~」なんて声もちらほらと聞こえます。原作者の理想の男性像は体格のがっしりとした、包容力のある男性像なのかなと。

この映画で描かれる女性像はかなり強気です。男性の束縛に打ちひしがられ続ける女性をみているのは辛くなります。冒頭の痴話喧嘩にせよ、ジェリーはホントにホリーを愛していたのかと疑問に思えた、というのもあります。新しい人生に踏み出す後押しの手紙なら、一通の遺書でもいいじゃないかと真面目に考えてしまいました。そうなると話にならないですけどね~、、

自分が予感したハッピーエンドとは違ったのでちょっとしっくりこなかったです。五代君は報われず、惣一郎さんに似たパートナーが最後で現れた。キャラのタイプは違えども、敏感な主人公の動きを見ているとそんな感じでした。

エンディングはホントに徳永英明。この映画に日本語テーマ曲は似合わない気がします。けど、いい曲です。にほんブログ村 映画ブログへ

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2008年11月 7日 (金)

映画『ハンサム★スーツ』

Photo

天才ですね、よくこんな面白い映画をつくれたもんだと感心します。久しぶりに笑えましたよ。ぶさいく男が左の“ハンサム・スーツ”を着ることで一気に男前の容姿になるんですけど、二転三転するストーリーに驚きでした。

特別協賛として洋服の青山が出てきたのも笑えました。ペコちゃん人形のような瞳を持つ、ゴーストバスターズのマシュマロマンみたいなハンサム・スーツ。身分を隠したい国の要人なんぞも着用するようであります。

『人は見た目が9割』という本が売れています。人は見た目か中身かという単純な疑問は「人はまず外見で判断するから、気をつけましょうね」ってことで、フィーリングは人それぞれ。その人の人格は外見に如実に表れるものであり、好みの問題でもある。

映画の主人公琢朗(塚地武雅)は亡き母から継いだ定食屋を営む人柄の良い男だが、見た目ブサイクな為に女性に縁がなくフラれまくりの人生。さむいギャグも災いしているようにみえる。そこへアルバイトとしてやってきた寛子ちゃん(北川景子)に告白するが、またしてもフラれてしまい、彼女は店から立ち去った。

琢朗は自身のコンプレックスが優先してしまい彼女へうまく気持ちを伝えられない。彼女は外見だけでなくちゃんと中身を見てもらいたいはずなのに。

で、ここからが面白い。友人の結婚式で着るスーツを青山に買いに行ったのだが、そこで店長らしき“ハンサム・ガイ”から好みのハンサムに変身できるアイテム『ハンサム・スーツ』を勧められる。試着してカッコいい光山杏仁(谷原章介)に変身!

谷原章介は最近のドラマやCMでも見られた壊れキャラがここにきて一気に開花したようで、最高に可笑しかったです。中身は琢朗だから、寒いギャグもするし、かなりアホアホな感じ。塚地はドランクドラゴンが大好きで良くあの爆裂キャラに爆笑してましたが、地でいっているようなキャラは控え目ながらもここでも健在。

カリスマ・モデルの來香(佐田真由美)shineとともに一躍トップ・モデルになる光山(中身は琢朗)。彼の飾らない性格に惹かれていく來香、そして定食屋の琢朗の前には寛子ちゃんと入れ替わりに働きにきた温和で働き者の本江さん(大島美幸)の存在が浮上する。

來香と部屋でいい感じになり、シャワーを浴びる光山だが、どうもお湯がかかるとハンサム・スーツの効力が落ちるようで、いきなり顔がふくらんだ!プッ!とっさに裸のまま逃げる琢朗。ここはウンナンキャラの満腹ふとるを思い出しました。
いや、あのキャラ、好きだったんです。

豪華なファッションショーとかも出てきました。ここらあたり見て思ったのは、映画『カンナさん大成功です!』男版!?ってな印象。

主要4人のキャラだけでなく、豪華なメンバーが総出演でさらに笑えます。劇中やたらと渡辺美里の『MY REVOLUTION』がかかっていて、エンドロールでもおまけが。その後にもさらにオマケがあるので、最後まで席を立っちゃだめ。

いや~、でも、ちゃんと心をこめて作品をつくっていますね。結構若い子向けのユルい映画だと甘く見ていたら、しっかり大人も楽しめる作品に仕上がっている。ラストのどんでん返し的な展開も、「ええ~っ」と、驚きつつ、うなずいて観ていたのでした。

外見とは違う精神的な面で心が動く。ただ、琢朗は本江さんの見た目、内面の全部ひっくPhoto_2 るめて惹かれたのであり、そこはタブーな領域、最後にあーなったのは驚いたけど感情移入はむずかしいところでもありました。やっぱり琢朗は寛子ちゃんがいいのです。

美形だろうがなんだろうが、みんな悩みくらい抱えて生きてると思います。そこをどうやって調整しつつ楽しく、頑張って人生送れるか。いっしょですよ、みんな。おそらく(^-^;

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2008年11月 4日 (火)

映画『ハンティング・パーティ CIAの陰謀』

Photo_3雑誌『Esquire』に掲載されたスコット・アンダーソンが書いた実録記事『 What I Did on My Summer Vacation』を基に、実在する戦争犯罪人ラドヴァン・カラジッチを追跡したジャーナリスト達の体験を脚色。
リチャード・ギア主演の社会派サスペンス・アクション。

ウィキによると7月にカラジッチが逮捕されたらしく、その際彼が語るには、「自身の安全を保障した密約を米国側が破った、CIAによって守られていた」等の発言をしているようで、そこら辺の裏事情は映画の中でも描かれています。何もかも鵜呑みにするのはよくないが、ちょいと立ち止まって世の中の動きを考えてみるのもいい。

映画自体はおそらくほとんどフィクションであり、エンドロール前にしっかりと事実について提示されるので、ただのおバカな娯楽作ではない模様だ。

放送されるテレビのニュースに真実なし(全てではないということ)。現場にこそ真実がある。一流の戦場レポーターだったサイモン(リチャード・ギア)は生放送中にキレてクビになりどこぞかへ立ち去るが、相棒のカメラマンだったダック(テレンス・ハワード)は昇格し優雅な暮らしになる。はて、このまま2人は別の人生を歩むのか。

ボスニア紛争終結5年後のサラエボ、ある日ダックの前にサイモンが現れる。昔のよしみでダックを誘い出した彼は新米プロデューサーのベン(ジェシー・アイゼンバーグ)を連れて、セルビアへ向かうのだった。そこには戦犯のフォックスが潜伏している。

映画に出てくるフォックス役の役者さんは写真のカラジッチとよく似てますね~・・。3人はその男をCIAを出し抜いてとっ捕まえようとするのですが、そこまでの過程がコミカルなやりとりがある中で、なかなか見やすく出来ています。フィクションでも随所で真実を盛り込んでいるように見えて緊迫感もある。

悲惨な紛争地帯の映像が出てきても、明快なキャラ設定で突き進んでいくのでさほど重い映画にはなっていないです。 「お前はもう、死んでいる」っていう状況下でもうま~くすり抜けていく主人公達には神様でもついているのか、ここがまぁ、娯楽映画ってところ。

Photoフォックスに捕らえられてしまった3人が間一髪のところで救助される。ご都合主義~、、 なんだけど、彼らを一部始終監視し、助けたのはCIAであり、劇中度々CIAの諜報員が出てきた。なるほどなと。何故、CIAでさえフォックスをとっ捕まえることが出来ないのか。国際司法裁判所、国連、NATO、3人が2日で見つけた男を何故この5年間逮捕できないのか

そんな感じで、陰謀めいた終わり方になったのは惜しい作品ですが、最後の最後で「現代の神話」と称して3人がフォックスをとっ捕まえてしまいました。こうあって欲しいという監督のご希望なのか、フィクションとしてはうまい終わり方だな。

最近よくお目にかかるテレンス・ハワードはやっぱり男前の俳優さん。リチャード・ギアは暴言吐いたり尻出したり、いろんなとこでギア入りまくりでした。この2人の会話は笑えましたよ。

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2008年10月31日 (金)

映画『僕の彼女はサイボーグ』

Photo_3ちょいと映画館で観る気になれなかった作品。『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』の監督が日本人キャストを迎えて製作している。面白いんだけど微妙なこれまでの作風がどうも苦手なもので、今回もちょいと不安なのです。

気性が激しい強い女性像ひ弱で内気な男性像、このコミカルな植え付けが本作でも炸裂しているのですが、その独特なユルい展開は健在でした。

いや、こういうラブコメ・ファンタジーは何も考えずに見てられますから楽しいです。気楽です。これを単純に楽しめるのかどうか。
リアリティ皆無な設定の中でも冒頭のシークエンスがラストに繋がるあたりの見せ場はなかなか感動的でした。

誕生日を自分ひとりで祝う純朴な大学生ジロー(子出恵介)の前に現れた“彼女”(綾瀬はるか)。いきなり話しかけてきては食い逃げ、持ち逃げ、ふざけた展開にこちらもいやになってくるが、なんかワケありなようだ。

そして突然立ち去ってしまうが、1年後の同じ日に再び彼女が現れた!何故に。そう、彼女は未来からやってきた、未来のジローが製作したサイボーグ(ロボット)だったのだ。

最初に出てきた綾瀬はるかは人間で、後から出てきた彼女はサイボーグってのは分かります。どちらも彼女の天然、人工・・というか、綺麗な魅力が全開していていい感じです。ロマンティックに映し出す監督の手腕が発揮されている。

で、ジロー君はかなりユルいです。まずあんなのが自分の前に現れたら、どうだろう。共感できるところなんてほとんどないよ。ま、これはタイム・パラドックスものだし、永遠に繰り返される運命的な物語、ファンタジーとして楽しむべし。

全ては、はるかちゃんがかわいいから、これでOKなのです。

一番のハイライトは予告編でもあった、大地震における倒壊スペクタクル・シーン、どうやって撮影してんの?と思わせるリアルな場面が凄い。ビルの下敷きになり、胴体がまっ二つに破壊されながらもジローを助けようとする彼女の動きに注目。

未来からやってきたサイボーグ彼女の登場シーンはもろにターミネーター(裸Photo_4じゃないけど)で最後もそんな感じ。サイボーグ彼女は一体、何体いるの?と思わせるし、人間の彼女も何回ジローに会いにくるかもわからない。これだからタイムスリップ映画は面白いのですが。今後の未来はどんどん変わって行きそうだ。

強引な挿入歌や話の流れを断ち切るワンシーンなど、荒が目立つのも監督の“らしい”展開ですが、ラストのシーンを見るにつけ、うまいラブストーリーだったと思います。

ラストはいらないって意見もありますが、あって良かったのでは。

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2008年10月30日 (木)

Lordiの映画『Dark Floors』はどうなの

アルバム『DEADACHE』が発売されたLordi、彼らが出演する映画「Dark Floors」の情報を検索しているとフィンランド政府観光局Visit Finlandにたどり着きました。

直行便なら日本からわずか9時間半で首都ヘルシンキに到着するヨーロッパ最短コースのフィンランド。ぜひ、行ってみたい。いや、行くぞ。

フィニッシュ音楽のトップを飾っているのもLordiだ(笑)。これだけでいかに人気者かがわかりますね。

で、映画なんですけど、アメリカ版DVDは既に出ているようです。日本版はニュースで来春ってなってたけどホントかな。

Dark Floors、主題歌のクリップはこれ↓

入院中の娘の健康状態を心配したお父さんが、娘を助けるにはその病院から連れ出すしかない・・というような話らしいが、どういう理由でLordiモンスターが出てくるのでしょう。気になるホラー映画です。AWAはむっちゃ怖い幽霊でほかのメンバーはジェイソンみたく実体のある怪物なのか!?面白ろ怖そう~

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2008年10月29日 (水)

映画『アメリカを売った男 BREACH』

Photo_3 FBIに務めるエリック・オニール(ライアン・フィリップ)は 捜査官への昇進を目指す若き訓練生。家へ帰れば愛妻が待っている。そんな彼に上司のケイト・バロウズ(ローラ・リニー)から国内一のロシア通であり、コンピューターのエキスパートであるロバート・ハンセン捜査官(クリス・クーパー)の補佐、監視が命じられる。

ハンセンには性的倒錯、セクハラ疑惑があるようだが、ここで真の目的は告げられていない。

前半は淡々と上司と部下の人間模様が映し出され、FBI捜査官とはいえ至って平凡、家族ぐるみの付き合いさえ普通に出てくるので物語としては退屈な印象です。しかし、真の目的が告げられていなかった理由はここにあった。

エリックは家族から愛されている真面目なハンセンを見るに付け彼のことを信頼するようになっているが、そうなるようにワザと仕向けたのがバロウズ捜査官であり、そこでエリックはハンセンの衝撃の真実=正体を告げられる。

なんと、彼は20年に渡り自国の国家機密をソ連/ロシアに漏らすスパイであったのだ。2001年2月、実際の司法長官の記者会見でハンセン逮捕が告げられる場面が冒頭で出てきますが、この作品はそこから遡ること2ヶ月前からストーリーが始まる、事実を忠実に再現したという映画です。

エリック・オニール本人が特別顧問として作品に関わっている

ハンセンの部室には既に監視カメラ、盗聴器、動作センサーが張り巡らされ、莫大な容疑を晴らすために50名体制で捜査本部が敷かれていた。

最初は地味な展開でしたが彼の正体が明かされてからというもの、ハラハラ・ドキドキな動揺・葛藤・知能戦が繰り広げられグイグイと作品世界に引き込まれていきます。

愛し愛される家族がいて、普通にまともな生活を送っているように見えるハンセンが何故、スパイ活動に常時するようになったのか。金の為?
逮捕時に彼が語ったのは『人間のエゴ』だという。バカバカしい、意味の無いものとも言う。飽くなき追求、認められたいと願う存在意義ではなかったのでは。自分の居場所を探している誰の心でもあったかもしれない

それはエリックも同じだ。妻にも極秘にとハンセンの監視を余儀なくされ、仕事をしていた彼は捜査官への道を目指していた。ところがハンセン逮捕後に取った行動は辞職。辞めなければ捜査官になること確実であるはずなのに何も求めず妻の下へ帰っていく。

Photo_4バロウズ捜査官が勧めるとおり既婚者も多い職業だし、彼なら辞めなくてもやっていける だろう。しかしながら、人を欺いて生きる現行の仕事を辞し、彼女との生活を望んだ彼の気持ちには、ハラハラ・ドキドキな展開の後にもホッとした感じです。

派手なアクションとか、ロシア側の動きとかはほとんど無くて退屈なところがあったものの、個人の心理に焦点を置いた見応えアリの作品でした。

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2008年10月24日 (金)

映画『イーグル・アイ』

Photo_3イーグル・アイとは国民を監視する政府の目の事だそうだ。 PC・携帯電話・街中の監視カメラ、至る所に張り巡らされているテクノロジーから個人情報が傍受される脅威。意外なところで、この映画に出てくる“アイ”は人の目ではなかった。

『ディスタービア』のD・J・カルーソー監督が再び主演にシャイア・ラブーフを迎え、スピルバーグが製作総指揮を務めたサスペンス・スリラー作。『トランスフォーマー』での演技が印象的だった坊やのシャイア君、スピルバーグのお墨付きのようで、今回もおいしい役どころを好演している。『ディスタービア』も結構面白かったし、頼りなさ気な風貌が独特。

共演には最近話題だった『近距離恋愛』のミシェル・モナハン。アクション映画の出演としては『M:i:Ⅲ』(06)以来のお目見えとなる。

ごく平凡な会社員、コピー・ショップ店員のジェリー・ショウ(ラブーフ)
・・と思いきや、どうやら彼には国防総省に務めていた軍人の双子の兄がいたようで、兄が急死してからというものいきなり銀行口座に大金が振り込まれるわ帰宅したアパートには大量の軍事機材が放り込まれているわでさぁ大変。「なんでやねん!」と思ったのも束の間、見知らぬ女性から電話が入り、FBIが迫っているのですぐに逃げろ、と警告されます。

ホントに踏み込んできたFBIに拘束され、テロリスト扱いされる彼ですが、またしても掛かってきた電話の主のメチャクチャな策略に便乗して逃走することに。
そんな頃、1人で遠出することになった幼い息子を送り出すシングルマザーのレイチェル(モナハン)にも謎の電話が掛かってきた。合流することになってしまった彼らはFBIに追撃されるも電話の主の誘導によりわけがわからぬまま動き回る事になる。

「掛けてくる電話の主は誰なんだろう」「なんでだろ~」と疑問に思いつつ観てるわけですが、なかなか回りくどい展開にウトウトしてくる。カーアクションは派手でBGMともにスリリングなんですが、なんか強引な進行具合でここらあたりなんか、どうでも良くなってきた。あれれ!?

“見知らぬ女性”というやつが、国防総省の地下にいる“アイ”でして、こいつがいろんな悪さを仕掛けるわけです。自身はいい事だという名目で動いてるのですが、仕掛けられたものにはたまりません。

これまで映画やTVドラマで拝見したことあるようなアイテムが登場する、目新しいものはあまり無い映画だった。アニメでも似たようなの見たことある。あれ、なんだっけ、タイトルが思い出せない・・。

冒頭のアフガニスタンの誤爆が、報復としてアメリカ国内に跳ね返るといういかにも現代的な伏線がありましたが、話の焦点が定まっていない為にかどうにも解りにくい話だった。ありきたりな設定の話のはずなのに解りにくい

Photo監視社会に警笛を鳴らしているのは分かるものの、話に入っていけないのは「人の目」ではないからです。人の感情・思考の動きがないからつまらない。

今回のははずしたな、、度々ウトウトしたから理解できてないだけかもしれませんが。

ああ・・『アイアンマン』がヒットした後だけに物足りない作品でした。

ラブーフはまだまだ子供じみた印象なので、こういうシリアスな作品には合わないような気がします。モナハンはロマコメが似合う。終始不釣合いな二人で、コンテナ内での会話もあまり生かされていなかった。ラストも(^ ^;

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2008年10月22日 (水)

映画『幸せになるための27のドレス』

Photo_2キャッチは 「プラダを着た悪魔」のスタッフが贈るあなたの物語。プラダはなかなかに面白い作品でしたので、これもいけるだろうと観てみました。今回の主役の女性はそこそこのキャリアウーマンですが、仕事が花嫁付添い人のスペシャリストということもあり、自身よりも他人の幸せを優先しがちという設定。

世話好きでお人よし、人の幸せが生き甲斐。いやいや、素晴らしいではないですか、小さな頃から決めていた天職です。

ところが彼女、ジェーン自身は恋に臆病なもので、片思いの上司ジョージに想いは届かず。そこにわがままな妹テスがやってきて、いつのまにやら妹とジョージの結婚までの話が進む始末。私はどうなっちゃうのって感じなんですね。

なんか、ひたすら爽やかな雰囲気の物語かと思ってたんですけど、話が進むにつれ結構ドロドロのグダグダな展開になっちゃいました。

主役ジェーンを演じるのは『グレイズ・アナトミー』に出ていたキャサリン・ハイグル。かわいらしくも落ち着いた感じのベッピンさんです。

人の結婚式を引き立てる役になってはいるものの、彼女自身基本的に美人ですから思い切り目立ってます。そりゃ、主役だしね・・。タイトルの27のドレスというのはジェーンの付き添い役用のドレスで、しかもどれもかわいらしいドレスである為中盤のドレスを取っ替え引っ換えする場面でむちゃ目立ちます。これぞロマコメなシークエンス。ここんとこは、ラストの伏線になりますから、重要なところだ。

そんな彼女に興味を示す一人の地元新聞記者ケビン。ややひねくれた姿勢の彼は結婚産業を皮肉って記事にしようとしてみたり、何故そうなのか伏線はあるが、やさぐれ気味のルックスからも『魔法にかけられて』に出ていた王子様、ジェイムズ・マースデンであることに気が付かず。雰囲気がまったく違うんですよ。万年付き添い役のジェーンを記事のネタにしようとするわけです。

やや結婚不信な皮肉男と結婚に夢を抱く女性が出会い、グダグダながらも共通点さえ出てくれば、、というベタな展開です。

強力な妹テス役のマリン・アッカーマンは全然知らない女優さんですが、ちょいとキャメロン・ディアスっぽい顔つきで、男によってはキャラを使い分ける悪女なイメージがピッタリだった。う~むしかし、姉と妹、女同士の嫉妬心のもつれ合いは怖いです。

婚約パーティーのあのシーンは酷い。グデグデのダラダラな話になってしまっていたのは惜しかったです。あの後の流れから、どうしたって王子様と仲良くなれようが、しっくりこなかったね。

Photo強引ながらも終盤の船上結婚式の乱入告白タイムは良かったように思います。人の結婚式に入って何してるんだよと突っ込みたいところでもあるが、新聞騒動で一躍有名になった彼女だからこそできたのかなと納得。二人の距離感がグッと縮まったあの酒場のシーンが生きてくる。

ラストはハッピーエンドといえますが、テスとジョージが置いてきぼりくらってます。あの二人が復縁するなり何かしらのエピソードを残しておかないと、やっぱりしっくりこないよね。

キャッチのとおり女性目線の作品。新聞記者(ライター)も出てきたし、キャサリン・ハイグルの美貌に見とれつつ、楽しめる作品でした。

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