映画『トワイライトゾーン 超次元の体験』
第19回『ブログDEロードショー』です。今回の作品は私が選ばさせて頂きました(当告知記事はこちら)。今回初めての鑑賞となりますが、有名なタイトルであり、あのオープニングの「トゥルルル・トゥルルル」っていうのはどこかで聴いた事があります。
最初はプロローグで始まり、ふたりの男が乗った車が出てきて夜の田舎道を走っています。音楽に合わせて車内で歌っておられますが、テープが切れて困った彼ら。テープで音楽なんていつの時代やねんということですが、時はまさに80年代。テープが切れる体験は自分もありますね、古き良き時代を感じます。
運転手はいきなり恐怖体験ごっこをしだして車のライトを消したり。となりにいるダン・エイクロイドは「本当に怖いものを見たいか?」と問いだし、ふりむくと・・
ギャー!!な展開。かなりベタですが、ここで笑いと恐怖が同居したトワイライトゾーンの世界への入り口となるのでした。
掴みはばっちりだったかもしれません。ナレーションが入り、どこでもドアーが出てきて目玉・・目玉のおやじは出てこなかったな・・ タイトルが入ります。こういう始まり方は好きですw
4話構成のオムニバスで、導入部に主人公たちのキャラクターの解説がはいります。話が分かりやすくて楽しめます。
第1話はジョン・ランディスがヴィク・モローを主演に、人種差別的発言の多いすねたサラリーマンの恐怖体験を描いたものになっていて、相手の立場になると自分はどういう思いをするのかという、視点の切り換えがテーマになっていました。バーで愚痴って、外へ出てみると何故がナチスの警備隊らしき人物にいたぶられ、次はKKKらしき団体に、そしていつの間にかベトナム戦争の地へ。この作品の主人公のような、いちびった会社員の人物はいるだろうな~というところで見入ってしまいました。第2話は老人ホームが舞台。監督はスピルバーグで、ジェリー・ゴールドスミスの音楽が輝いているエピソードです。老後を、どのようにして暮らすのか。年を取ると足腰に負担がかかり、心臓にもよくないので遊びまわることが出来ない。明日くるのが楽しみで仕方がなかった子供の頃が懐かしい。そんなとき、ひとりの老人の魔法で子供の姿に戻れた。でも、若返ったからといってまた人生を歩むのは・・人生、一度きりだからこそ面白い、いつまでも気持ちは若々しく、という前向きなテーマが印象的です。
第3話は『グレムリン』のジョー・ダンテ監督による若き女教師の不思議体験。このエピソードはちょっと意味不明な笑いと不気味さがあり、グレムリンに登場してもおかしくはないコミカルなクリーチャーも出てきました。へんてこりんなファミリーと少年・・・うん、意味不明(苦笑)。何故に二階にいた姉は口が無かったのか(普通に怖い)。少年には超能力があるらしいが、その設定がいまいち生かしきれていないような気もしました。こういった不条理な世界観こそまさにトワイライトゾーンなのかも。
ここまでのエピソードはそれぞれ並程度というか、それなりに見て楽しめるTV的な作風だったと思います。劇場版でオムニバスというのは、そのつくり自体が不思議な気がするのですが、最後に「これ!」というエピソードを持ってくるのも味になるでしょう。
次の第4話が最も印象に残るものになっていて、流石に怖いですね。怖いといっても今流行りの痛々しい恐怖ではなくて、どこかシニカルな笑いがあり、演出が冴えている。ジョン・リスゴー主演の第4話。『マッドマックス』のジョージ・ミラーが監督した作品。飛行機恐怖症の男が機内で外の翼の上にいる奇怪な生き物を目撃します。パニくる彼が言うことを、誰も信じてはくれない。これは、墜落する可能性のある飛行機の恐怖を化け物に置き換えた風刺だととっさに思うのですが、幻覚ネタではなく、本当に何者かが飛行機をいじくっていたというオチがあるんですね。
最後に再びダン・エイクロイドの登場。全てはこの男のいたずらか?みたいな終わり方がシュールです。
『トワイライトゾーン』は、後のファンタジー、SF、ホラー映画や日本のTV番組、コミックなどへの影響力をそこはかと感じることができる作品でした。
TVシリーズもぜひ見てみたい・・そんな気分になりました。
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コメント
たまさん、おはようございます☆
>少年には超能力があるらしいが、その設定がいまいち生かしきれていないような気もしました。
>こういった不条理な世界観こそまさにトワイライトゾーンなのかも。
第3話のご感想のこの部分ですが、まさにその通りだと思いました。
自分ではよく分からなくて表現のしようがなかったのですが、つまりはこういう事だと思いました。
もやもや感が、スッキリとして、なんだか嬉しくなりました。ありがとう~。
80年代の作品も見逃し系が多いので、機会がある作品から順番に鑑賞してみたいと、この作品を見てこころから思いました☆
投稿: miri | 2011年5月23日 (月) 08時43分
たまさん、こんにちは。
主宰お疲れ様でした。
私は3話おもしろかったです。
少年は自分の思い通りになる超能力を持っていたのだと思います。
家の中も食事もテレビも、全て少年の思いが具現化していると思いました。
2階にいた女性だけが少年と血がつながっていて
きっと失言をしてしまった実のお姉さんは
少年の能力によって口が消されてしまったのだと思います。
実の両親も消されて、あのファミリーはどこかから連れてきた
偽りのファミリーだと思いました。
お姉さんや両親に対する仕打ちを見ていたから
少年に対してビクビクしてご機嫌を損ねないように
こびへつらっていたのだと思いました。
・・・・・というのが、私の解釈です。
(力説してしまいましたが、間違っているかも^^;)
見ている間、『笑ゥせぇるすまん』を思い出したり、
荒木飛呂彦の昔の短編を思い出したり、
色んな所に影響を与えた作品だな~と改めて思いました。
ステキな作品を選出してくださり、ありがとうございました。
投稿: マミイ | 2011年5月23日 (月) 10時08分
こんにちは、とても懐かしくて再見できてよかったです。選んでくださってありがとう!
すっかり記憶から抜け落ちていたけど、ベタなプロローグがほんとよかったです。「トワイライトゾーン」が始まりますよ~って感じでニヤニヤしてしまいました。
でも、1話目でそのニヤニヤ笑いも吹き飛んで、いろいろ考えさせられますね。事故の事も今回初めて知ってショックでした。
いろいろあっても、長く続いている人気シリーズですし、わたしも最初のTVシリーズが観たくなってきました!
投稿: 宵乃 | 2011年5月23日 (月) 11時25分
その後ですが、take51さんと、bambooさんと、ラルフさんが、お店に行かれたけど、このDVDがなかったそうです。
皆さま、本当に残念です・・。
かえるまま21さんは別のお店で、借りて下さったそうです。(喜)
今朝は(昨夜)tonboriさんが記事をアップしてくださいました。(嬉)
では、もうしばらく記事をお待ちしましょうネ~。
投稿: miri | 2011年5月25日 (水) 09時01分
>miriさん、
この度はありがとうございます。
そうなのです、80年代の作品を見たかったのですが、
他のも知らないの多いのでまたいろいろ探索してみたいですね。
やはりお店にない方が多いようですね。
記事をUPされた方には順番に寄らせて頂きます。
投稿: たまさん(主) | 2011年5月25日 (水) 14時38分
>マミイさん、こんにちは。
分かりやすい解説ありがとうございます。
なんとなく、あのへんてこりんな家族は
少年に操られているような雰囲気でしたが、
姉の口封じは少年によってのものだと、納得です。
偽りのファミリーは
最初から行動がはちゃめちゃだったので
なんか意味不明に思えてしまいました。
しかし少年はかわいい顔してとんでもなく恐ろしい奴ですね。
まさに、笑いと恐怖が同居した世界です。
僕も、もぐろ ふくぞうをなんとなく思い出しました。
楽しんでいただけてよかったです。
投稿: たまさん(主) | 2011年5月25日 (水) 14時56分
>宵乃さん、
この度はありがとうございます。
ベタなプロローグで掴みはOKでしたね。思わずニンマリでした。
第一話からちゃんとテーマがはっきりしていて、
主人公の姿に見入ってしまいました。
外へ出ると・・「あれ?」って、見ているこちらもなりましたからね(笑)なんでナチスやねん、仮装パーティかと。
僕も事故のことはショッキングでした。
想像しただけで痛々しい・・現場にいた監督・スタッフたちはさぞ壮絶な体験だったでしょう。
でも、ちゃんと公開されていて、
その後も受け継がれた作品があることはいいですね。
TVで見たことありますが、『世にも不思議なアメージング・ストーリー 』なんかもまた見たいです。
投稿: たまさん(主) | 2011年5月25日 (水) 15時08分
ブログにコメント及びTBいただきありがとうございました。
4話目だけがリメイクであとはオリジナルなんですが(プロローグ、エピローグはオリジナルエピソード)それぞれに監督たちの持ち味(演出、テーマの折込かた)が出ていてましたね。
今後もよろしくお願いいたします。
投稿: tonbori | 2011年5月26日 (木) 21時27分
こんにちは☆
昨夜、たそがれピエロさんからご連絡を頂き、やはり借りられなかったそうです。
大変に残念ですが、今回は、もうあまり記事は上がってこないかもしれませんね・・・。
でも、あと数人、心当たりがありますので、もう少しだけ、お待ちしましょうね~♪
投稿: miri | 2011年5月29日 (日) 11時29分
>tonboriさん、
ご来訪ありがとうございます。
>4話目だけがリメイクであとはオリジナル
これも初めて知りました。情報ありがとうございます。
スピルバーグのが最もらしい演出だと思いましたが、
いずれも監督の持ち味が出ていましたね。
4話目もよかったです。
リスゴーの演技は流石でした。
次回もよろしくお願い致します。
投稿: たまさん(主) | 2011年5月31日 (火) 14時58分
>miriさん
度々ありがとうございます。
この有名なタイトルが何故にない・・!?
と、驚きですが、しようがないですね。
ネット時代を痛感いたします。
あとのかた、どうか、あるようにお祈りします。
投稿: たまさん(主) | 2011年5月31日 (火) 15時07分
おはようございます☆
たまさん、今回の主宰、本当に有難うございました☆
もうすぐ3週間になりますし、毎日いろんな人のブログをご訪問しているのですが、借りられなかった方が多く、何も言ってくれない人も多分借りられなかったのだと思いますし、もし今後、記事が上がりましたら、こちらからご報告させて頂きますので、今日で「〆」という事にさせて頂きますね~。
今回、参加者は少なかったですけど、人数ではなく、皆さんがそれぞれに楽しんでくださり、良かったと思いますし、
借りられなかった皆さんの中でも「どこかで見つけたら是非借りたい、機会があれば見たい」と仰る方が多く、良い作品を選んでくださったと思っています。
もちろん私自身、この機会を頂かなかったら鑑賞しなかったと思いますし、特に「第2話」の温かさが、今も残っています♪
・・・最初に主宰のご依頼をしてから、長い間お気持ちにご負担をおかけしたかもしれません。
もしそうだったらゴメンナサイね。
次回以降もお誘いに参りますので、是非、ご一緒に楽しみましょう~☆
そして良かったらリクエストもお待ちしています☆
本当に長い間、有難うございました。(ペコリ)
投稿: miri | 2011年6月 7日 (火) 08時45分
>miriさん、
この度はありがとうございました!
今回主宰をやらせていただき、
大変面白い経験となりました。
第2、第3隠れ候補もございましたので、
そのあたりは、できればリクエスト企画に持ち込んでもいいかなと密かに考えております。
今回の作品、なかなか置いていないのは
しようがなかったですね。
それこそがトワイライトゾーン。
まぁ、そういうことも当然ありの企画ですし、
次回以降もまたよろしくです。
かなりドタバタしているので更新が途絶えていますが(汗)、
ネタはたんまりありますのでまた映画ネタで盛り上がりましょう。
投稿: たまさん(主) | 2011年6月 9日 (木) 02時00分