映画『オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式 HOT TUB TIME MACHINE』
この映画と似た露骨な邦題ですが、80年代へタイムスリップするという設定だけでも嬉しいものがありDVDで観ました。いきなりオープニングからオートグラフの『 TURN UP THE RADIO』が流れ、ハードロック・ムード全開でニンマリしてしまう。
原題は『HOT TUB TIME MACHINE』という地味でパッとしないものだから、この邦題はうまいことはめ込んだほうかもしれない。僕は嫌いじゃないです。
タイムマシンがオフロのジェット式なものだから、まさにそのとおりの展開。80年代に青春時代を過ごした現代の40代中年男達が、当時の思い出を胸にスキー場に遊びに来たはいいものの、泊まった部屋にあるお風呂場から86年にタイムスリップしてしまう。
ジョン・キューザック製作・主演ということもあり音楽つながりで思い出すのはジャック・ブラックと共演した『ハイ・フィデリティ』(00)がありますが、今回の監督であるスティーブ・ピンクは実は『ハイ・フィデリティ』の脚本家。ロックな音楽ネタが満載なわけです。
オートグラフだけでなくモトリー・クルーやポイズンもクローズ・アップされ、いかにも80年代の華やかさを体感できる作品。マイケル・ジャクソンもネタになっていたり、なかなか洒落た演出が随所に盛り込まれています。
80年代中期ってのは僕なんかはまだ子供でしたが、それでもなんか、楽しい時代だったのはリアルに感じて生活していたと思う。
この映画で出てくる主人公たちは自分よりかはちょいと年上なのですが、やっぱり80年代好きにはたまらない小ネタがいろいろ出てきて面白い。携帯なんて当然無い時代、Eメールなんて使えないギャップもあるが、そんな時代だからこその、男女間のコミュニケーションの面白さはうまく描かれていたと思います。
過去に行って、下手に時代を書き換えないように工夫したり、よくタイムスリップものである展開は同じようにここでも見られる。『ターミネーター』や『バタフライ・エフェクト』のネタをセリフに入れるなども可笑しい。
しかし、ジャック・ブラックが出演していれば、さぞ凄まじく面白い映画になっていたのではないかと想像したり。
彼に成り代わるかの人物は一応存在しており、おバカで下ネタも多く壊れまくったキャラが痛快ではあったが、その姿を見てジャック・ブラックを思い切り思い出してしまった。しかも冒頭の数秒で。それこそLAメタル、ロックを絵に描いたようなもの。
やたらと若者がハイテンションなのもあの時代特有の空気だろう。ふさふさのパーマがかった髪型に原色の多い服、カセットテープにMTV。
過去へいくと、その時代の本人と遭遇するという変なことも起こりますが(例えばバック・トゥ・ザ・フューチャー)、この作品では86年に生きる人物には彼ら中年おやじがその時代の若いときの姿で見えるという、そこは新しい解釈だったかも。『バタフライ・エフェクト』が当時の自分の姿へタイムスリップしたのと似た解釈だ。
人生やり直したいけど過去を書き換えるとえらいことになる。けれども、どうせならいい人生に書き換えちゃえ! そんなノリが最後にあったのは、それはそれで良かったのだろう。女運が悪いジョン・キューザックの役柄も、ここで発揮されていたように見れた。
あと、泊まり先のベルボーイの変化が面白い描写になっていて印象に残ります。なかなかの快作怪作じゃないかな。
オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式 [DVD] 販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン |
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コメント
たまさん、こんにちは。
完っ全に邦画だと思ってました。(笑)
そうか、あっちは『バブル』でしたね。
ジャック・ブラックが出てない事に驚きです。
一番最初の写真、左から2番目の人はジャックかと思いました。
ジャックが出てなくってもおもしろそうなので
見てみようと思います。
投稿: マミイ | 2011年3月20日 (日) 08時29分
マミイさんこんにちは。
音楽に関わったものであれば
まず楽しめるネタが随所で拝見できます。
ジャックに成り代わるのは実は左から3番目の人物。
最初出てきたときはマジでジャックじゃないかと思いました。
かなり危険な奴なんで、覚悟して、いや、楽しんで見てください。
投稿: たまさん(主) | 2011年3月20日 (日) 14時59分
たまさん、こんばんは
85年生まれの僕にとっては
物心もついてない時代でしたが、それでも楽しそうだった雰囲気は伝わってきましたね
21世紀も最初の10年が過ぎましたが
今後これほどアッパーな時代は再び来るのでしょうか
来て欲しいですね。
ジャック・ブラックが「ハイ・フィデリティ」に出たのは
主演のジョン・キューザックがジャックの才能にそれ以前から注目してたからなんだとか。
投稿: バーンズ | 2011年9月12日 (月) 20時06分
バーンズさん、どうもです。
僕なんかも、あと5年くらい早く生まれたかった、
なんて思ったほどの時代でした。
音楽もそうですが、日本人はアメリカに左右されますから、
あちらの国がどうなるかでまた変わるかもしれませんね。
今なんか、R&B/HIPHOPだし。
ジョン・キューザックは、いい人材を持ってきましたね(笑)
投稿: たまさん(主) | 2011年9月19日 (月) 23時56分
下ネタ満載でしたね~。
ジャック・ブラックと見た目が似てるオタク青年と、かもし出す雰囲気が似ている厄介者のおじさん(名前忘れちゃった!)がいい味だしてました。
音楽の事はよく分からなかったけど、映画の知識で行動するところは「スクリーム」にも通じるモノがあったかな。
ベルボーイには笑わされました!
ところで、今月も「ブログ DE ロードショー」 のご案内に参りました。
作品は「ジャイアント・ピーチ」 (1996年アメリカ製作/ヘンリー・セリック監督)。「子育て 時々 映画」のマミイさんが選んで下さいました。
お選びになられた理由は
・ブログ名に「子育て」と入っているので、子どもも楽しめる映画を選びたかった。(お子様がいない方や、お子様が既に大きくなっていらっしゃる方は、「元」お子様として、楽しんでいただければ幸いです。)
・最近原作を読んだので、映画との違いを比べてみたい。
・・・とのことです。
観賞日は10月28日(金)~30日(日)。都合が悪い場合は、後日でも結構です。
もしよかったら、今月もぜひ皆一緒に映画を楽しみましょうね♪
投稿: 宵乃 | 2011年10月21日 (金) 10時26分
宵乃さん、
今回もお誘いありがとうございます。
記事が滞っておりますがマメに映画は見ておりますので
今回も鑑賞致します。
ネタがたまって何から書いたらいいのか分からなくなってきているのですが・・・できればUPしますね。
とりあえず借りてきます
投稿: たまさん(主) | 2011年10月25日 (火) 00時24分