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2011年3月 1日 (火)

映画『シティ・オブ・ゴッド CIDADE DE DEUS』

Cidade_de_deus1第17回『ブログDEロードショー』です。今回の作品を選ばれたのは「嗚呼,魅惑の映画道+Σ」のhiroさん。私は初めての鑑賞になります。02年に製作された映画で、監督は『ナイロビの蜂』『ブラインドネス』のフェルナンド・メイレレス

ブラジルの映画だけに、もっとマイナー臭漂う作品かと思っていましたが、かなりつくりこまれていて実話ベースにしても後半の展開はなかなかに見応えあった。

1960年代から1980年代にかけてのリオデジャネイロ、ファヴェーラと呼ばれるスラム街が舞台の犯罪ドラマ。

物語の語り手であり、主人公となる心優しきブスカベ、冒頭からのエピソードにおけるキーマンとなるカベレイラ、映画の構成全体における悪役であり、ギャングのボスになるリトル・ダイス(後にリトル・ゼと改名) そしてその友人のべネ、リトル・ゼと後に対立することになる退役軍人の真面目なマネ、この5人が主要登場人物といったところ。

少年時代からそれぞれの人物の視点に切り替わっては話が進むのでちょっと複雑な部分はありますが、それにしてもこれだけたくさんのエピソードを詰め込んでいても混乱せずに最後まで観れたのは良かった。

その土地のしきたりや歴史の知識が無い為に、最初はとにかく、そこにいる登場人物の姿を追っかけていく感じでの鑑賞でした。どうやってこの話は収束していくのだろう?

冒頭の鶏をさばくシーンから生々しくもあり宗教的。次に登場するのは銃をかまえた多数の若者の姿。ストリートギャングと警察が路上で対立し、その中央に囲まれてしまったカメラを持つブスカベの姿に釘付け。只単にスタイリッシュなオープニングを飾っているだけだと思っていたけれど後の伏線になっていたのは面白い。

ドキュメンタリー・タッチで進行する各々の少年達の銃を構える姿が観ていて痛々しいです。足を撃たれる子供とか、「マジ泣きしてるんじゃないか?」と。実際現地の素人をつかっていたようで、そこらへんリアルに見えた。

特にリトル・ダイスに至っては少年期からかなりのワルであり、人を殺して笑っているという状態でどうしようもない。何故警察は彼らを捕まえないのか。これが結構見ていて引っ掛かるのですが、後半暴かれるようになっていて映画的にエンタメ感も盛り込んでいるように感じられました。

暴力はしたくない、作中一際真面目なマネが、家族を殺されてからリトル・ゼと敵対するようになると住民からヒーロー扱いされ、しかしながら結局本人も銀行強盗や殺人を犯すに至る、同じ穴の狢と化すところなどなんとも悲劇的。心優しき彼も、彼に家族を撃たれた少年に撃たれてしまう。復讐の連鎖か。

Cidade_de_deus2皆、家族を守る為に戦う。戦争になる。そんな中、ひとりジャーナリスティックに動く語り手のブスカベは危機的状況下でも落ち着いていて、異常な現場の中でもユニークな人物として見れた。

人が次々と死んでいく悲惨な話ですが、ラストとオープニングがうまく繋がって面白い描写になっていた。社会の暗部が描かれるけれどドライで陽気な作風であり、見終わった後味もさほど悪くない。

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コメント

おはようございます☆

>それにしてもこれだけたくさんのエピソードを詰め込んでいても混乱せずに最後まで観れたのは良かった

このあたり、上手な監督さんでしたね~。

>ラストとオープニングがうまく繋がって面白い描写になっていた。社会の暗部が描かれるけれどドライで陽気な作風であり、見終わった後味もさほど悪くない。

共感します!
普通の日本人として見ると、こういう感じで終われると思います。
深刻に考え出しては、とても正視できる内容ではありませんものね。

あと、音楽も引っ張ってってくれて、良かったと思います☆

今回もご鑑賞と記事を有難うございました。
記録にリンクさせていただきますネ~。
次回もお誘いに参ります。投票、是非、してくださいね~♪

投稿: miri | 2011年3月 1日 (火) 07時27分

わたしも初見だったんですが、よくできた作品で面白かったですね。実話っていうのがホント驚きです。

>何故警察は彼らを捕まえないのか。

警察は買収されていたんじゃないかな。金だけ貰って、あとは静観していれば勝手に潰しあってくれる、という感じ?
実際、彼らが台頭して、つかの間の平穏がやってくるというのが皮肉です。
現在の状況が気になるところですが、長いことこんな風に抗争を繰り返していたのかもしれませんね~。

投稿: 宵乃 | 2011年3月 1日 (火) 10時49分

似たような顔の人がたくさん出てきたのに
混乱せずに見る事ができるってすごいですよね。

マネは最初は志もあったのに、
人間っておちる時は簡単におちてしまうのが怖かったです。
とはいえ、ブスカペのような人もちゃんといてくれたのが
救いでした。

投稿: マミイ | 2011年3月 2日 (水) 12時25分

>miriさん
さっそくリンクの程、ありがとうございます。
かなりへヴィな内容ではないかと思ったのですが、
後半はなかなか面白い展開になっていました。
投票の件もまたよろしくです。

投稿: たまさん(主) | 2011年3月 5日 (土) 15時58分

>宵乃さん、
映画として最終的に面白かったのでややもホッとしました。
買収されていたのはまさにラストのブスカベの行動から明らかになりました。あの警察数人だけのグループと関わっていたのではないかとも思ったのですが・・

無法地帯であることは間違いないでしょう。
今もどうなのか気になりますね。

投稿: たまさん(主) | 2011年3月 5日 (土) 16時06分

>マミイさん、
語り手がいたし、意外と普通に見れた感じです。
混乱しなかったといっても、
おっしゃるように同じような顔の人が多数出てきますので、ごっちゃになる部分はありますよね。
まぁ、それにしては最後まで面白く拝見できた映画でした。
ブスカベがいなかったらしんどい作品になっていたと思います。

投稿: たまさん(主) | 2011年3月 5日 (土) 16時16分

こんばんは。コメントありがとうございました。

マネはその時の気分次第で人を殺すリトル・ゼとは違うけど、警備員を撃ったあたりから抵抗が無くなって落ちていくんですよね。(それがあとのエピソードに繋がるのも巧い)
その辺りが怖かったし悲しかった。

僕はベネとかマネとか似た名前も多いので、レビューを書いててちょっと混乱してしまいました・・・・・

あとリトル・ゼってクリス・タッカーに似てません?

投稿: バーンズ | 2011年3月 5日 (土) 23時07分

初めまして!
この度は、シティ・オブ・ゴッドを観て頂いてありがとうございました。

鶏のシーンは、原作では時系列どおりに挿入されていた
ようですが、監督の判断でオープニングに組み込まれたらしいです。これによって先を見る楽しみも増えて、時系列を変える必然性も生まれて映画として構成がよくなったと思います。

>映画的にエンタメ感も盛り込んでいるように感じられました。
ここを解ってもらえたのは嬉しいですね。

ブスカペの写真によって警察にも因果が訪れるのを予期させる締めも個人的に納得でした。ゆっくりと自浄されるのかも知れませんね。

投稿: hiro | 2011年3月 6日 (日) 08時54分

>警備員を撃ったあたりから抵抗が無くなって落ちていく

バーンズさん、こんばんは。
マネの変貌振りには驚きましたが銀行強盗のときからなんかまた大人しくなっていた感じで最後は悲しかったです。

どの記事でも言えることですが、
名前については観ている時は把握できても、流石に後でウィキなどで再確認して記事にします。書いてるときは混乱しますよね

リトル・ゼを見ててクリス・タッカーを思い出したりはしなかったのですが、言われたら似てるかもしれません・・再確認が必要です

似てる顔が多い映画でしたので・・

投稿: たまさん(主) | 2011年3月11日 (金) 23時41分

>hiroさん

はじめまして!ご来訪ありがとうございます。
初めての鑑賞になりますが、
面白い映画でした。ありがとうございました。

ラストを見終わって、オープニングの鶏のシーンがいかに見事だったかを痛感致しました。映画の面白味が巧く挿入されていたと思います。

ブスカベには当たり前の世界であっても、新聞社などから見ればまだ未知の世界である、そういう後半の場面転換も見応えありました。
少しでも街の状況が改善されるといいですね。

投稿: たまさん(主) | 2011年3月11日 (金) 23時54分

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