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2010年12月26日 (日)

映画『ベルリン・天使の詩 WINGS OF DESIRE』

Wingsofdesire1_3今回珍しくアート系映画を鑑賞しました。第15回『ブログDEロードショー』になる作品、選ばれたのは「シネマ・イラストレイテッド」の mardigrasさんです。 白黒のパッケージが目立つので60年代以前の映画かな(!?)と思いましたが、87年製作の西ドイツ/フランス合作となっております。

ジャンルがファンタジー、ラブストーリー、ヒューマンドラマとなっていますが、淡々と詩的にモノトーンで統一された作品であり、結構難解。まず自分から進んで観るような娯楽作ではないです。

簡単なあらすじとしては、長い歴史を天使として見届けてきたダミエル(ブルーノ・ガンツが、親友カシエルに永遠の生命を放棄して人間になりたいとする様を独特なタッチで描いているもの。

出荷された本数が少ないのか、地元のTSUTAYAでレンタル版を発見できず、一度ネットで新品を買おうかと考えました。中古DVDを立ち寄った店で見かけたのですが、それでもいい値段ついてる作品です。大概廉価版で1000円前後で買えると思っていたので「それだけに、評価が高い希少な映画なのかな」と思いました。

もう一方のよく行く地元レンタル屋で後に探すとあったので、これにて鑑賞。ミニシアター系になるのでしょうか、よく探さないと発見できません。

先に「結構難解」と書きましたが、意味深でありながら、まさに淡々と断片的に切り取ったかのシーンが続いていくので実際途中で二度ほど寝てしまいました(汗)。

はっきり分かるのは、途中サーカス団のヒロインが出てきてモノクロの映像がカラーに変わるところ。何故これまで白黒映像なのか疑問に思っていたのですが、これは天使の見る世界が白黒であり、人間の見る世界が色付きであるということなのかなとここで思いました。

ヒロインに恋をする天使。モノクロの世界がカラーに変わるとき、一気に「生きていること」を示唆するかの映像表現になっていると感じました。

困ったのは図書館の人々がたまにカメラ目線になったり、刑事コロンボが現れて天使の存在を把握していたり、あらかじめ意味合いを教えてもらわないと思い切り意味不明で終わってしまいかねないところです。

これが映画の表現手法として自由で希少であることは分かるのですが、天使が見てきた世界=作品全体から漂う俯瞰した姿勢は、鑑賞者をも俯瞰し、 「ちょっと嫌味じゃない?」とも思えてきます。正直こういう映画は苦手です。

後半のほうがストーリー性が出てきて見やすかった。老人が体験した狂気の戦場、そしてその老人たちの行く末、東西に隔てられた街並みが重いトーンを醸し出す。人間の酷な存在感を示しつつ、そんな人間になりたいとする天使。

Wingsofdesire2採算がとれずに折り畳むサーカス団、夢を追いつつ、行き場のないヒロイン、そしてロック。彼女と出会い、「生きること」を望んだダミエル・・・。印象的なのは、作中最も躍動感のあるサーカスのシーンだったかも。これがないと、かなり退屈な映画になってました(苦笑)。

もっと政治色が濃厚なのではと危惧しましたが、人間の生き様みたいなものをそこかしこで感じ取れる作品でした。カラーになった天使は、血を流す痛みさえ、喜びになるのです。

娯楽映画に浸っている私には、ある種衝撃的な映画体験となりました。

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コメント

こんにちは、
このたびは鑑賞にお付き合いくださって、ありがとうございました!ビデオを探す手間をかけてしまいまして、どうもすみません。でも見つかってよかったです!

ホント、断片的なシーンを繋いだかのような映画でした。ストーリーらしいストーリーがあったのは、ダミエルが人間になって、ピーター・フォークや彼女に逢いに行くあたりだけだったように思います。

図書館の人々がカメラ目線になる場面、実は、私も最初見たときかなり???で、二回目でやっと彼らが天使だということに気がつきました。そのあたりの事情説明がまったくない映画でしたね~。

投稿: mardigras | 2010年12月27日 (月) 06時49分

おはようございます☆

>よく探さないと発見できません。

たまさんのブログを毎日ご訪問していたので、
きっとないのだろうな~と思っていました。
よく探してくださり、ご鑑賞とレビューを有難う~!

>娯楽映画に浸っている私には、ある種衝撃的な映画体験となりました

色々な映画に出会える(自分の好みとは違う映画など)のも、
この企画の楽しみだと思います☆

また次回もお誘いさせていただきますね~!

投稿: miri | 2010年12月27日 (月) 07時02分

こんにちは。
淡々としてるので眠くなるのは仕方ないですよね。わたしは再見で楽しめたんですが、それでもあくびが出てしまいました(笑)

>そしてロック。

なんでいきなり?と思っていた、このシーン。監督さんがこの作品を撮ろうと思ったきっかけがロックの曲だったそうで。今回いろいろ調べていて知りました。実在のロックバンド、ニック・ケイヴ&バッド・シーズっていわれても、わたしにはぜんぜんわかんないんですけどね~。

投稿: 宵乃 | 2010年12月27日 (月) 11時40分

> mardigrasさん、
こんにちは。ご訪問ありがとうございます。

> ビデオを探す手間をかけてしまいまして、どうもすみません

いえいえ、あまり見かけない作品を探すのも映画の醍醐味ですんで、楽しんで参加させていただきました。

ただ、淡々としていて解釈が難解であるが故、途中で寝てしまい、2度に分けて鑑賞することになりました(苦笑)
図書館の人物は天使だったのですね。
天使って、たくさんいるんですね(笑)

観る人によっていろんな解釈があると思うと、
それもまた面白いものだと後になって思います。
mardigrasさんの解説は大変参考になりました。
またお立ち寄りさせていただきます。

投稿: たまさん(主) | 2010年12月27日 (月) 13時57分

>miri さん、

そうなんです。探しました。
最初、買おうかと思ったんですが意外と値がするもので一旦断念しつつ、後で発見しました。

こういうアート系の作品はまずもって自分から進んで観ることがないので、映画ファンとしてありがたいきっかけになりました。

次回もよろしくお願い致します☆

投稿: たまさん(主) | 2010年12月27日 (月) 14時08分

>宵乃さん、こんにちは。
自然とよい眠りについてしまいました(笑)
目覚めてもう一度途中からの繰り返しでした。

しかし、後半はストーリー性を帯びてくるのでちゃんと鑑賞できました。

ニック・ケイヴ・・私も後で知りましたが、アートで陶酔的なロックをしてましたね。
ウィキで、〈ザ・キュアーの曲「天使の囁き」から得た、天使を主人公とした映画〉とあったので必然的なシーンだと後で解釈しました。
にしても、断片的なシーンが多かったです。

投稿: たまさん(主) | 2010年12月27日 (月) 14時30分

今年は、たまさんとお知り合いになれて、
映画のお話ができて、とっても嬉しかったです。
「ブログDEロードショー」へのご参加、夏以降ずっと、
本当に嬉しく有り難く思っています☆

来年もこの企画は続けさせて頂きたいと思っています。
どうぞご無理のない程度に、お付き合いを宜しくお願いいたします☆
また企画以外にも、映画や音楽のお話ができたら嬉しいです♪

今日から全国的に寒くなるそうです。
どうぞお体に気をつけられて、ご家族皆様お揃いで、良いお年をお迎えくださいませ~。

投稿: miri | 2010年12月30日 (木) 14時50分

>miri さん、
楽しい企画に参加させていただき、
今年は本当にありがとうございました。

来年もぜひよろしくお願い致します。
自宅付近は大雪です。
冷え込んでおりますが、
のんびり家であったまりつつ年を迎えたいと思います。

次回の映画も楽しみにしております。

投稿: たまさん(主) | 2010年12月31日 (金) 22時10分

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