映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
若いです、マット・デイモン。しかも『天才』役。“ボーン・シリーズ”など最近ではすっかりアクション映画の俳優というイメージがありますが、こんなドラマな作品もあったんだなと、今更ながらじっくり拝見した。97年製作の映画。
デイモン出演作として同時期でいうと『レインメーカー』(97)や『ラウンダーズ』(98)なんて作品も好きですが、この作品は彼自身が脚本を手掛けたということもあり特別なものになっていると思う。
ハーバード大学在学中の92年に、シナリオ製作の授業のために執筆した戯曲を、親友のベン・アフレックに見せたことから映画化に向け共同で脚本を執筆したという。そのベン・アフレックが親友役で出演。変わっておられないですね(笑)
いわば、マットありきの映画であり、頭脳明晰で冷静沈着、ずっしり構えているような姿勢は彼そのものと思えたりもする。もっと、ほんわか系ハートフルドラマかと思っていたら違いました。
数学の天才でありながら、過去の生い立ちによりトラウマを抱え荒れた生活を送るウィル・ハンティングはMIT(マサチューセッツ工科大学)内で清掃員のバイトをしていた。あるとき、ランボー教授(ステラン・スカルスガルド)が学生に提示した難解な数式が書かれた掲示板をふと見て、ウィルは簡単に問題を解き明かす。
それを知った教授は暴力沙汰で拘置所にいた彼を訪ね、週1回セラピーを受けつつ、共に研究室で勉強することを示す。
教授に身柄を引き渡されたウィルはそう簡単に心を開くことも無く数々のセラピストを撃退するが、教授の大学時代のルームメイトでありコミュニティ・カレッジの講師をしているショーン(ロビン・ウィリアムズ)を紹介され、育ちが似ているということもあってか、やがて彼と打ち解けていく。
荒削りな脚本が目立つ映画だな~と思いつつ、このくだりがなかなか面白くて泣かせる場面もある。ロビン・ウィリアムズが出てくるとなんかユニークなキャラで笑っちゃうんですけどね。で、どうやってウィルに変化をもたらすのだろうかと見ていくことになる。
賢く切り込んでくるランボー教授のキャラも良いです。数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞受賞のランボーでさえ解けない難問も、ウィルは簡単に答えを出すのですが、それに愕然としてしまう教授のシーンなどひとつのハイライトになっていた。はい、素人目から見て全体的になんの数式なのかさっぱり分かりません。てか、数学自体忘れてるよ(苦)。
人から見れば羨む天才的な才能も、ウィルにとっては朝飯前のことであり仕事に生かそうとしない。 「俺には絵を描くこともピアノを弾くこともできないが、数学は身についている、ただそれだけのこと。」ヒロインとのやりとりの中でのこんなシーンも印象的。
結構、なんとなくですが気持ちの上では分かるんですね。絵を描くのは小さな頃から好きですが、僕は描けるのに頭のいいはずの皆は描けないのは「なんで?」って疑問に思うことが実際ありました。この主人公はトラウマのせいで心を開かないというのもありますが、その才能故に、どこか構えている姿勢が見えてきます。教授が愕然となったシーンもそう。
ショーンが導くとおり、途中からヒロインとの関係が親密に描かれていくけれど、ちょっと違和感があって、これはラストの“旅立ち”へも繋がる。只単に好きなタイプじゃないというだけかもしれないけれど・・いい人なんですけどね。どちらかというと、ベン・アフレック演じる友達の“後押し”のシーンなんかが好きだな。マット・デイモンがジェイソン・ボーン並み にずかずかとアクションを見せることは無いけれど、天才の主人公がNSAにオファーされるあたりはまったく関係が無いとは思えなかったり~
CIAが小さな組織として描かれている(笑)。こんな小ネタもある人生哲学の話。凄い脚本だ。
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コメント
※誤字を一部訂正しました。
投稿: たまさん(主) | 2010年6月 3日 (木) 02時10分