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2010年3月25日 (木)

映画『真夏のオリオン』

Photo池上司の小説『雷撃深度十九・五』を基に、『ローレライ』『亡国のイージス』などの原作者で知られる福井晴敏が監修と脚色を務め映画化された作品。帝国海軍イー77潜水艦艦長に玉木宏が凛々しく熱演北川景子が現代と過去を結ぶ重要な二役で登場。

映画館で観ることも無く、邦画の戦争ドラマにしてあまり期待せずにDVDで観たのですが、安直なラブ・ストーリーに走ることもなく、緊迫した潜水艦バトルが予想以上に見応えのある作品になっていた。

冒頭から現代の風景が映し出されます。亡き祖母・有沢志津子のサインが記された楽譜『真夏のオリオン』を どういう経緯か、米国軍人の遺品として受け取った倉本いずみ(北川景子)。彼女は戦時中潜水艦艦長だった祖父・倉本孝行(玉木宏)の元部下・鈴木さんを訪ね、何故殺し合いをする敵国に楽譜が渡ったのか、鈴木からは「私達はただ、一生懸命だった」と当時の物語を聞くことになる。

なんでも、倉本のモデルになった人物がいるとのことで、それはイー58潜水艦の橋本以行艦長に当たる。

彼は原子爆弾をテニアンまで運搬し終えた米海軍重巡洋艦『インディアナポリス』を撃沈したことで知られる。ウィキを見ると〈もっと早く哨戒海域に着いていれば、広島・長崎への原爆投下を防げたのでは(テニアン島入港前の『インディアナポリス』を撃沈できたのではないか?)〉という記述が含まれています。

特段、全体的に“事実を忠実に再現した映画”というワケではないでしょうが、存命の海軍出身者に取材をし、各々「事実を踏まえた描写」はちゃんとあるようだ。

人間魚雷となる特攻兵器“回天”登場の場面。回天搭乗員が倉本艦長に対し出撃の催促を行う場面がありましたが、彼は最後まで使用を却下した。この辺りのくだりは橋本以行艦長をモチーフにしたものとなっているのだろう。

友軍13隻を沈めた強敵イー77に対し、真っ向勝負を挑む米駆逐艦パーシバルのマイク・スチュアート艦長(デビッド・ウィニング)。この一騎打ちの行く末はどうなるのか。冒頭の現代のシークエンスがある為にイー77の乗務員数名及び艦長が生き残るのは必至になりますが、潜水艦バトルとしての醍醐味があり、じっくり見れた感じです。

助かると分かっているのが返って安心感があり、「いきるためにたたかう」という倉本艦長と律儀な乗員達の姿が爽やかなまでに印象に残る。

Photoもはや犬死でしかない人間同士の殺し合う姿も、「ただただ、いっしょうけんめいだった」と鈴木さんは問う。現代を結ぶひとつのラブ・ストーリーと終戦直前の物語が前向きなまでに語られる、意外にも爽快な作品。

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