映画『アリゲーター ALLIGATOR』
良い映画というのはやはり脚本ありきで、人間ドラマがいかに秀逸であるか。B級の臭いがプンプン漂っていてありえない設定と思っていても、人がしっかり描かれていれば傑作といえる事がある。
監督は『ナイルの宝石』(85)『ネイビー・シールズ』(90)のルイス・ティーグ、脚本に『ピラニア』(78)『ハウリング』(81)『ミミック』(97)のジョン・セイルズが担当。
『ブラック・ウォーター』を見て思い出したタイトルの作品ですが、これは1980年製作の古いパニック作。昔の作品としては『ジョーズ』の次に語りたくなるスリルに満ちたモンスター映画でもあります。タイトルの通り、出てくるのはアリゲーター属のワニです。
通常は最大全長6mに達するといわれるそのワニですが、この映画に登場するワニは全長9~12m。いや、もっと大きいかもしれない。
家族とワニ園に見物に来ていた少女マリサはペットとして赤ちゃんワニを飼うが、ひょんな事から親父にペットを捨てられる。時は流れて12年、その捨てられたペットの通称“ラモンちゃん”が、とある研究所が下水道に投棄した実験動物を食して巨大化し、人々を襲いだすのだった。
今や爬虫類学者となったマリサ(ロビン・ライカー)は主人公である警部のデヴィッド(ロバート・フォスター)に依頼を受け調査するが、巨大化したワニが、自身のペットだったラモンちゃんだと知る由もない。
やたらと周りから薄毛についてつっこまれる主人公はやさぐれた感じがありながらもタフな男でして、署内からは白い目で見られながらも独自に行動。マリサとは早くもラブリーな展開に。
暗い下水道で、小さな光からワニがチラッと見えては襲い来る恐怖演出がスリルがあり、見せ方がうまいです。町の道路に這い上がって来るところなんか、思い切り「着ぐるみ?」なのだけど、案外良く出来ている。「出てきた~っ」ていう感じで(笑)。
アリゲーターに振り回される警官隊、クセ者大佐(ヘンリー・シルヴァ)、町の権力者。暴れまくるラモンちゃんはやたらと強く、車さえも破壊するのだ。
CGではないが、ジュラシック・パークさながらの白昼における見せ場が凄いことになっている。最後の下水道爆破も、分かっちゃいるけどハラハラする展開で、見せ方がうまいんだな~。イモ臭いはずなのに、人が真面目に活躍するので返って面白いモンスター映画なのだ。
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