映画『2012』
予告編で見た時から「これは凄い映画になりそうだ」と思い、楽しみにしていたローランド・エメリッヒのパニック巨編。見て間違いなし、そのド迫力映像はかつて見たことがないほどに強烈だった。
この監督の映画は独特の吸引力がある映像センスに尽きる。そこにユーモアのあるキャラクターが配備され、ドラマティックな映像とドラマに感動するのだ。
『スターゲイト』『インデペンデンス・デイ』『GODZILLA ゴジラ』『デイ・アフター・トゥモロー』。出てくるキャラクター像は例えば政府高官であったり、科学者であったり、キリリとした知的キャラが目立ち、等身大の家族ドラマも盛り込まれる。
大よそエメリッヒの集大成的な内容の『2012』でしたが、破格のスケールとはまさにこのことで、街並みが次々と破壊されていく映像はやたらとリアル、CGもここまできたかと固唾を呑んだものです。
その最中にジョン・キューザック扮する主演とその家族が猛烈な生存をかけて街から街へと車で疾走し、危機をくぐりぬけて行く様がジェットコースターの如く展開されます。崩壊しかけのビルを突っ切るところなど、すんごい場面もあるのだ。
絶対、死ぬでしょ!って思うような場面でも助かるのです。その辺はスリル満点で痛快でさえある。
地球内部が熱せられ、プレートは崩壊、非常に凄惨な地球規模の破壊故に、助からない人々の姿も克明に映し出されていく。助かるだろうと思っていた人物が助からなかったり、そういった天変地異における惨劇は容赦なく描かれていると思う。
軍隊が登場しなかったのが意外でしたが、もはや戦争もへったくれもあるまい。最上層の人物達が種の存続をかけて奔走する様を、地質学者(キウェテル・イジョフォー)、米大統領(ダニー・グローバー)、首席補佐官(オリヴァー・プラット)を中心に描き出し、各国政府首脳が極秘裏に建造していた“巨大船”の登場へ向けて映画は盛り上がりをみせます。
地質学者のちょっとくさい演出や、危険回避で万歳など、引いてしまいそうになるベタな演出もあることはあった。しかしながら、エメリッヒ作にありがちな“後半トーンダウン”があまり目立つ事無く、あまりに巨大な船の造形がまた素晴らしくてラストまで見応えたっぷりな作品になっていたと思う。2時間越えで製作したのは正解だろう。
これから見る方は、巨大船はどんなものなのかとか、どこで建造されているのかとか、どうやってそこへ人々が繋がっていくのかとか、どれほどの破壊スペクタクルが見れるのかとか、様々な憶測を胸に劇場へGO!してもらいたいと思います。おそらく間違いのない映像が堪能できるのでは・・。
私はてっきり地球は崩壊して、人々は宇宙へ飛んで行っちゃうのかなと大きな予想をしていたのですが、そこは違っていました(苦笑)。これについては劇中の人物がさらりとセリフを流してくれて、皆同じ思い!?だったのかなと妙に安心したものです(笑)。

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アダム・ランバートが歌うエンディング曲も注目。
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» 2012 [Akira's VOICE]
みごとな超B級大作。
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受信: 2009年11月21日 (土) 16時27分
» 「2012」『にせんじゅうに』と読みます(^^;。 [シネマ親父の“日々是妄言”]
[2012] ブログ村キーワード
記事投稿日時 2009年11月10日1:09
※上映開始日を投稿日時に設定。上映開始1週間後まで固定。
“世紀末バカ映画監督”(←最大限の褒め言葉(^^;)ローランド・エメリッヒ最新作「2012」(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)。古代マヤ文明の予言~“2012年世界終末説”~を題材に、お約束の“超トンでも映像”が、スクリーン越しに我々を襲ってきます。しっかし、このカントク一体何回地球(人類)を滅亡の危機に直面させれば気が済むのでしょうか?
... [続きを読む]
受信: 2009年11月21日 (土) 17時45分
» 2012 [★YUKAの気ままな有閑日記★]
ローランド・エメリッヒ監督の『インデペンデンス・デイ』『デイ・アフター・トゥモロー』が好きですだから似た傾向であろうコチラにもちょっと期待していました〜【story】イエローストーン国立公園に子どもたちとキャンプに訪れたジャクソン(ジョン・キューザック)は、謎の男から“地球の滅亡”が間近に迫っていること、更に、その事実を世間に隠している各国政府は、密かに巨大船を製造し、限られた人間だけを脱出させる準備に着手していると知らされる。ほどなくしてロサンゼルスで史上最大規模の大地震が発生し、それは世界中へと... [続きを読む]
受信: 2009年11月21日 (土) 21時51分
» 「2012」レビュー [映画レビュー トラックバックセンター]
映画「2012」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *出演:ジョン・キューザック、キウェテル・イジョフォー、アマンダ・ピート、オリヴァー・プラット、タンディ・ニュートン、ダニー・グローヴァー、ウディ・ハレルソン、モーガン・リリー、ジョン・..... [続きを読む]
受信: 2009年11月22日 (日) 04時55分
» 2012 地球ボコボコ [労組書記長社労士のブログ]
【 67 -13- 1ヶ月フリーパスポート=15 】 火曜日の昼ご飯、三宮の参議院議員の事務所に寄った帰りにプラプラ歩いていて何気に気になったので入ってみたラーメン屋さん「ホープ軒」にて。
細めながら腰の強い細麺、薄くスライスしたあっさり味ながらコラーゲン濃縮なチャーシュウ、澄んだスープに香り濃厚ながら味はさっぱり豚骨味、それらが控えめながら絶妙なバランスで、一つのラーメンにちゃんとなっている。
美味しくて気に入ったが、さらに気に入ったのが、トッピング自由って各テーブルに置いてあるニラの辛味噌がかな... [続きを読む]
受信: 2009年11月24日 (火) 23時24分
» ★「2012」 [★☆ひらりん的映画ブログ☆★]
久しぶりの週末ナイトショウはTOHOシネマズららぽーと横浜で。
「インディペンデンス・デイ」や「デイ・アフター・トゥモロー」の
ローランド・エメリッヒ監督作。
いやーーーこの人の作品は地球的規模の危機を描いてて、
お金かかってそーーーだよねーーー。... [続きを読む]
受信: 2009年11月26日 (木) 03時40分
» 「2012 」もしかしたら現実にありえるかも、大画面で見るべき [soramove]
「2012」★★★★オススメ
ジョン・キューザック、キウェテル・イジョフォー、アマンダ・ピート出演
ローランド・エメリッヒ監督、158分 、公開:2009-11-21)、アメリカ
→ ★映画のブログ★
どんなブログが人気なのか知りたい←
「久々の超大作映画、この映画を大画面で見なくてどうする!
内容があるとか無いとか、そんなこと考える前に
客席に座って現代の映像技術に素直に驚... [続きを読む]
受信: 2009年11月26日 (木) 07時38分
» 2012 [小部屋日記]
2012(2009/アメリカ)【劇場公開】
監督:ローランド・エメリッヒ
出演:ジョン・キューザック/キウェテル・イジョフォー/アマンダ・ピート/オリバー・プラット/タンディ・ニュートン/ダニー・グローバー/ウッディ・ハレルソン
2012年12月21日
マヤの予言通り、世界は変わるー。
「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」のローランド・エメリッヒ監督が手がけるディザスター・ムービー。
古代マヤ文明の暦が終わる日、2012年12月23日に人類は滅亡してしまうのか?
スペクタ... [続きを読む]
受信: 2009年11月26日 (木) 20時34分
» 映画2012 もう一度観たい映画に1票! [ぱるぷんて海の家]
ポップコーンメーカー
すっげぇーど迫力の映画でした2012。
ド迫力の映像とストーリにくぎ付けでした。
もうどれくらいすっごかったかと云うと
映画のお供は毎回バケツのポップコーンなのです。
そのポップコーンを頬ばりながら映画を観て
終わる頃にはポ....... [続きを読む]
受信: 2009年11月28日 (土) 00時13分
» 映画:2012 [よしなしごと]
前回が超単館系のマイナー映画だったので今回は超有名どころで。ローランド・エメリッヒ監督のパニックムービー2012を観てきました。 [続きを読む]
受信: 2009年11月30日 (月) 05時48分
» 「2012」 良くも悪くもエメリッヒ [はらやんの映画徒然草]
宇宙人に襲わせたり、氷河期を起こしたり、怪獣を呼び込んだりして、何度も都市と地球 [続きを読む]
受信: 2009年12月 5日 (土) 06時18分
» 映画『2012』観賞★超大盛りディザスターに満腹!! [コソダチP's 光速L(気分は冥王星)SQ]
ローランド・エメリッヒ監督の作品『2012』を観賞しました。
上映時間170分に及ぶド迫力の映像に、もうヘトヘト・・・。
この映画で、ストレスを発散できたような、ストレスが溜まったような・・・。
とにかく、これぞ”エメリッヒ”でありまして、真面目に物語を見る類の映画と言うよりは、ひたすらVFXを駆使した大法螺を楽しむべき映画。
そもそも、ハリウッド版『GODZILLA』のエメリッヒ監督に細かいことを求めても仕方ないので、「科学的にありえない」なんて野暮な突っ込みを入れずに、スクリー... [続きを読む]
受信: 2009年12月 8日 (火) 18時22分
コメント
トラコメ、ありがとうございました。
確かに映像は、文句の付けどころがなかったと
思います。
んが、吾輩はとりあえず長かった!と思います。
何ぼ何でも、もう少し詰めれただろうに…。
そうした方が、もっと密度の濃いスペクタクル・ムービーになっておったと思います。
投稿: mori2 | 2009年11月25日 (水) 16時58分
mori2さん、こんにちは。
あれだけ長く引っ張るのであれば、
やっぱり宇宙へ行かなあかんくらいの
破壊スペクタクルがあってもいいのではないかと
思ったり~(^^;
未来少年コナンなんか、
大陸つぶれて一旦宇宙へ出ましたからね~(あれは戦争でしたけど)。
この作品、ちょっと悠長な展開の部分で、
眠気が襲ってきたのはありました。
投稿: たまさん(主) | 2009年11月26日 (木) 13時20分
こんばんは!
破壊ものとしては、一番すごかったですね。
映画館でみなきゃ意味ない作品ですよね。
都合よすぎるかもしれないけど(笑)、スリルは満点でした!
投稿: アイマック | 2009年11月26日 (木) 20時38分
>アイマックさん、こんばんは!
とにかく、迫力のある映像でしたね。
見てない人は映画館へGO!・・です。
つっこむべきところは、つっこんで、
楽しんで観るのがいいです(笑)
投稿: たまさん(主) | 2009年11月28日 (土) 00時49分
「日本以外全部沈没」よりはだいぶ残ってましたね。
最初から現地集合って手もありましたし・・・。
まっ、そんな話より、大迫力の地球崩壊シーンを大画面で堪能する作品でしたね。
ちょっと主人公の生命力が強すぎでしたが。
投稿: ひらりん | 2009年11月28日 (土) 01時54分
>ひらりんさん、
もっと大陸は地球まるまる規模で
ズタズタに破壊されると思ってましたけど、
だいぶ残ってましたよ。
気候変動だってほとんど無いし・・
あの主人公には多分、なんか憑いてるんだと思います。
投稿: たまさん(主) | 2009年11月28日 (土) 14時04分
たまさん、こんにちは!
いつも通りというか、さらにパワーアップしたエメリッヒ節でした。
これでもかという映像は呑み込まれるような迫力ありましたよね。
文字通り怒濤のごとくくりだされるスペクタクルな映像に圧倒され続けました。
人間の描写がステレオタイプなのもいつもの通りで、これはまたご愛嬌ですよね。
投稿: はらやん | 2009年12月 6日 (日) 17時34分
>はらやんさん、こんにちは!
エメリッヒ作は、なんだかんだ言って好きなんです(笑)安心して観ていられるというか・・・
人物のキャラクターも言われる通り、ご愛嬌ですね。
前半の映像はとくに凄かったので、もう一度見たいくらいです。
投稿: たまさん(主) | 2009年12月 7日 (月) 13時36分