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2009年3月12日 (木)

映画『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』

Photo70年代初頭、まだ生まれる前の頃の事件である連合赤軍事件。この「あさま山荘事件」へ至るまでの過程を『実録』として描写したのが本作。映画館で観れなかったのでDVDリリースを待っていました。今回じっくりと拝見。

「我々は共産主義者です」「我々の目的は資本家の為に民衆を抑圧する政府権力の打倒にあります。」

「戦争や不平等をこの世から無くす革命の為に戦っているのです。」

これは、あさま山荘内にて警官隊に追い詰められる連合赤軍メンバーのひとりが、人質の女性(劇中では人質ではないと語っている)に対し言ったセリフですが、簡単に言ってアメリカ帝国主義に追従する日本が嫌だ、ということなのでしょうか。戦争や不平等をこの世から無くす為、ではなく、“無くす革命の為”に戦っているというセリフも気になりました。どうもやってることがコジンマリとしている。

連合赤軍がどういった経緯で結成され、何を行っていたのか。冒頭、日米安保や学費値上げに反対する学生の運動が当時のニュース映像と共に映し出され、冒頭からあの時代へタイムスリップします。

といっても、なんせまだ生まれていない時代なもので、当時のニュース映像が鮮明に蘇る・・とかいうわけでもなく、あ、こんな事あったんだな~と前半はやや傍観する姿勢での鑑賞。「あさま山荘事件」はある程度知っていたけれど、そこへたどり着くまでの過程は詳しく知らなかったので勉強になります。

資金力はあるが武器が無く弱体化している赤軍派と、銃はあるが資金力のない革命左派が合体し、後に『連合赤軍』が誕生。

山中で軍事訓練を開始するメンバー達の姿が本作のメインとなる。

最初は軍事訓練というか、なんだか学生サークルの合宿のようであり、只のクラブ活動にしか見えない場面があります。ほぼ森恒夫(地曵豪)と永田洋子(並木愛枝)の独裁体制となるこの組織はさらなる狂気の世界へと変貌し、「自己の共産主義化」「総括」と称して同志を次々とリンチ、殺害。まさか、こんな展開になるとは・・徹頭徹尾 隙を見せない神経質な森と永田は「自己批判しろ」と自覚の足りないメンバーに暴力で訴えかける。しかし、なんで殺してしまうのか理解不能。こんな事が本当にあったと知ると、共産主義について改めて考えさせられます。

銃の管理に甘い、女性らしく化粧をする、恋沙汰に陥いる、子を身篭る母親、めくるめく妄想ゲリラ(!?)な森と永田は平気で大量殺人をやってのけた。彼らに何も言わないメンバーもメンバーだが、恐怖心の植え付けはまったく観ていて腹立たしくなったくる。だいたいこのふたり、偉そうな事言っといてしっかり後にカップルになっているからワケ分からん。

ぼこぼこに自分の顔を殴るように遠山(坂井真紀)に指示し、その顔を手鏡で見るように仕向ける狂気の永田。特にこのシーン、悲惨でした。

恐ろしいシーンが続出する「山岳ベース事件」から、立てこもった5人の逃亡メンバーが警官隊と激しい銃撃戦を展開する「あさま山荘事件」へ。結果、彼らは先に逮捕された森、永田に続き逮捕される。

Photo_2最後の少年の言葉、「勇気がなかったんだ!」って泣き叫ぶシーンが印象に残りますが、 この解釈を少し考えました。現状から途中で身を引く、投降する勇気なのか、これまで個々の精神が弱体化し、組織にまとまりがなかったから勇気がない、と想起したものなのか、森と永田のような狂気に対しての戒めの思いなのか、大きな意味で社会から疎外されたもののことなのか、、

う~ん、ある支配から逃れたひとつの救いかな。

遠山同様に、劇中最も普通の女の子に映っていた重信 房子(伴杏里)の行方が映画の中で気になっていたのですが、若松監督が既に71年にドキュメンタリー「赤軍-PFLP 世界戦争宣言」を製作しているのでこちらも必見といえます。

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