映画『感染列島』
ダイレクトなタイトルの作品です。新型インフルエンザ、致死性ウイルスの被害が予測される中公開されたこの映画はなんとも恐ろしいパニック作でした。ウイルスを取り扱う映画はこれまでにもありましたが、本作の主な舞台は「院内」になります。
かつて『アウトブレイク』(95)というアメリカ映画のパニック作がありました。冒頭の村のショットでその映画をすぐに思い出しましたが、伏線が少し似ているかも・・と思いつつ、本作の感染経路は日本へ。
邦画では破格のスケールで描かれた大作『復活の日』(80)がまず挙げられる。これは世界規模で致死性ウイルスが拡大し、人類は滅亡の危機に瀕します。この映画を観てしまったからにはウイルスを扱う映画は“なかなか超えられない壁”があるように感じていましたが、『感染列島』はどれほどのものかと、気になっていました。
日本全域が新型ウイルスの感染爆発(パンデミック)の脅威にさらされ、社会機能は完全停止・・という設定の中でも、ほぼ物語の中心はとある市立病院内。
そこで救命救急医として働く医師(妻夫木聡)とWHOから病院に派遣されたメディカル・オフィサー(檀れい)を主役として迎え、院内感染の最中患者への応対、隔離、原因の特定・・と、極限下での人間ドラマが繰り広げられる。
鳥インフルエンザが原因かと思われ、発生源の養鶏所を営んでいた父親の自殺を目撃する少女(夏緒)の悲劇。イジメ問題も描かれていた。
看護師に国仲涼子、その夫に爆笑問題の田中裕二・・と泣かせる重要な場面で登場。あ、カンニング竹山が謎の研究者として皮肉めいた役柄を演じていた。彼はいったい何だったのだろう(苦笑)
日本が舞台とはいっても、後に発生源特定のために海外へ飛ぶこともあります。そこで見たものは、、
日本国内において第一感染者が妻夫木君扮する病院で発生・死亡。その感染者の嫁さん(池脇千鶴)がキーパーソンとなる。
いくらなんでも、日本国内にウイルス持ち込んだの「あんたが原因かい!!」と、愕然とする場面が見られました(汗)
たとえ幼い子供さんであったとしても、助かる見込みの無い者よりも助かる見込みのある患者さんから優先・・。次から次へと死者が出てくる中、状況に耐えられずその場を立ち去る医師達。過去のパニック作とは異なり、病院内で活躍する医師達の姿がメインです。
都市部は崩壊しているにも関わらず、院内とその周辺はしっかり機能しているように見える。ややこじんまりとしているが、現実に起こりえる事態としては考えさせられる作品。作中最も印象的なのは檀れいのキリリとした活躍です。病院内で反発にあいながらも的 確な指揮で職務を全うしようとする彼女の姿にはちょっと惚れました。これまであまり興味の無かった女優さんですが、妻夫木医師とのほのかなラブ・ストーリーも、悲劇的な内容の作中にうまく収められ、以外にも爽やかな余韻を残し後味がいいです。
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コメント
※訂正アリ
>壇れい×→檀れい○
投稿: たまさん(主) | 2009年2月13日 (金) 13時36分