映画『007 カジノ・ロワイヤル』
『007 慰めの報酬』の公開に合わせてセル版DVDで拝見した本作。人物相関がやや複雑な為、最低2度観てこそ楽しめる作品と実感しました。『慰め~』は先日先行上映で観ましたが、なるほどちゃんと繋がっていて、シリーズ異色の続編というのも肯けます。
『カジノ』を『慰め~』前夜に復習して、さらに『慰め~』を観た後にもう一度『カジノ』を観るっていうのがより作品を奥深く楽しめるものではないかと思いました。
元々007シリーズに特別思い入れが無いので『カジノ』を劇場で観るのはスルーしてました。ピアース・ブロスナン主演のシリーズはまぁ、楽しんでみてましたが、あのおちゃらけた感じがど~も、感情移入できなくて、イマイチ乗る気になれないのです。
ところが、この作品はお得意のハイテク機器やらプレイボーイなボンドは登場せず、ひたすら硬派でなんかリアル。後半からは切ないラブ・ロマンスも盛り込まれていて意外や意外。
007の第1作は『ドクター・ノオ』(62)になりますが、その10年前に既にボンドの活躍はドラマで映像化されていて、それがイアン・フレミング原作の『カジノ・ロワイヤル』。権利問題で映画化されなかった作品が6代目ボンドを務めるダニエル・クレイグ主演で遂に実現した。
ダブル・オーの地位に昇格したばかりの若きボンドですが、ダニエル・クレイグは結構老け顔なので、随分ベテラン諜報員に見える。それでも、M(ジュディ・デンチ)とのやりとりや独りよがりな暴力的な行動から「やっぱり若いのか」と納得してしまうシーンがあります。
あの安っぽいオープニング・タイトルは本作には似合わない。これは『慰め~』でも感じましたが、マジメ・モードな物語からはスタッフの新たな心意気みたいなものを感じます。
スピーディーな冒頭の追跡劇から目を見張るものがあり、肉弾戦も目立ち迫力あります。
謎のテロ組織の幹部であるミスター・ホワイトと繋がる男ル・シッフル(マッツ・ミケルセン)。テロ資金運用の為にポーカーで稼ごうとする彼に対抗するボンド、その行方は!?
ポーカーのシーンと休憩時間における暴力シーンの対比がなかなかうまい仕上がりだった。
キャッチは〈最初の任務は、自分の愛を殺すこと。〉彼はとても魅力的な女性に惹かれ恋をし、愛するが、結末はあまりに切ないものでした。
財務省から送り込まれた美貌の女性ヴェスパー(エヴァ・グリーン)が中盤から登場してからというもの俄然話は面白くなり、ロマンティックな色合いが印象に残ります。仕事に忠実であるがゆえに本来あるはずの幸せを手にすることの出来ない苦しさ、悲しさ が切実なまでに伝わってきます。ボンドとヴェスパーの最期は切ないが、案外あっさりしている。Mが言う「誰も信用できないの?」「学んだわね」なんていうセリフはそのまま『慰めの報酬』に引き継がれます。
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007 カジノ・ロワイヤル デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD] 販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント |
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007 カジノ・ロワイヤル スペシャル・エディション (3枚組) [DVD] 販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント |
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007 カジノ・ロワイヤル スペシャル・エディション (2枚組) [Blu-ray] 販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント |
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