映画『252 生存者あり』
ドラマ版を観ちゃったので、ちょっとの期待を胸に引き寄せられるように映画版も観に行きました。これはラストで泣かしにかかってきます。感動的な泣きのシーンではなくて、ずるい泣きのシーンです。そう、総括して見応えはあったけれど、ずるい作品。
いきなり結論を語りましたが、だいたい予告編で観られた通りの設定。都心に向かって大きく流れ込む津波、閉じ込められた人々、引き裂かれた親子、助けに行くハイパーレスキューの活躍。以下、ネタバレご注意。
原作・脚本の小森陽一が『LIMIT OF LOVE 海猿』(06)の撮影後半時に伊藤英明(元ハイパーレスキュー役)に渡した最初のプロットが結果映画化へと繋がったようです。
『海猿』シリーズは面白かった。過酷な現場とコミカルなラブストーリーが同時進行していき絶妙の面白さだった。今回も伊藤英明が出てるし救出ものなので『海猿』と似ているといっちゃあ似ていますが、前者の役柄が独身者であったのに対し、今回は妻子がいる。所帯持ちに因んだ落ち着き、幸せ感、苦労などの家族愛がクローズアップされていた。
子供がいるかいないかで随分印象が変わる映画かもしれません。救出に身内と一般人の優先順位をつけれるかどうかの難題も、ハイパーレスキューのプロ意識が試されるからそこらへんは考えさせられました。
監修には新潟県中越地震の救出劇で知られるハイパーレスキュー清塚光夫総括隊長の名があります。
「チーム全員が生きて帰ってこその仕事」という部分ではドラマ版でも語られていた通り、しっかりリンクされていました。
気象庁予報部職員役の香椎由宇の活躍が知的なまでに洗練されていて、感情的になりがちの登場人物達とうまくバランスがとれていたように思います。彼女、ドラマ版ではまだ学生でしたね。あ、繋がってるな~と、
地下のホームに閉じ込められた人々、屈折した研修医役の山田孝之、大阪で中小企業を営む社長役の木村祐一、韓国人ホステス役のMINJI。
そこには元ハイパーレスキュー役の伊藤英明と娘さん役の大森絢音ちゃんもいる。地上に待つ嫁さんは桜井幸子、兄であるレスキュー隊長は内野聖陽。
スタローンの『デイライト』(96)をちょっと思い出しました。どっかで観たような展開はまぁ、いいとしても、本作は奇跡的に都合の良いアイテムが登場し、奇跡的に助かり続ける描写が露骨でどうなんだっていう印象も。
ラストの救出劇は、なんであんなに間があったり、チンタラしているのかが分かりませんでした。あんたら、たった18分間しかないのに、何語り合ってるわけ(!?)。そして最後の最後でなんと、伊藤英明が!!
「ウソでしょ!?ムリムリ!!」愕然としてしまいました。
スペクタクルシーンは凄みがあるしさることながら、一番の見所は大森絢音ちゃんの演技です。お父さんが救出されない場面で彼女が泣くんですね。耳が聞こえないながらも頭のいい彼女が泣き叫ぶ。
あそこは泣きます。変に間があるラストの展開の中での彼女の演技はリアルに響いていた。
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コメント
たまさん、こんばんは!
前半の新橋駅の描写などは迫力あったんですけれど、脚本にややご都合主義的なところが散見され、また登場人物がステロタイプなところが終止気になってしまいました。
子役の子は良かったんですけれど、あの展開すら予想されるものであったので、「泣かせ」の意図を感じてしまったんですよね・・・。
投稿: はらやん | 2008年12月20日 (土) 18時10分
はらやんさん、いつもありがとうございます。
episode.ZEROのときも思ったのですが、どうもオーバーアクトが気になる作品です。
どっかで見たことある展開の中で、子役を配したのは最後で泣かせにかかってくる意図があるからこそ、ですよね。演技は良かったんですけどね~。
投稿: たまさん(主) | 2008年12月22日 (月) 13時48分