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2008年10月 9日 (木)

映画『容疑者Xの献身』

Photo_3

感情に流されず、論理的思考により人生を全うできるか。偏屈な物理学者・湯川新米刑事・内海『愛』について彼に問い掛けますが、さっぱりわからん返答に首を傾げます。ああ、相変わらずなおふたり。
湯川先生(教授)に無償の愛は存在するのでしょうか。

昨年、ドラマ版のエントリでも話題にして楽しみにしていたこの作品。原作本は読んでおりませんので純粋に映画のみの感想になります。ユニークな凸凹コンビを演じた福山柴咲ですが、本編の主役は堤真一松雪泰子ではなかろうかと。

堤真一がえらく地味で冴えない高校の数学教師、石神の役でいつもと印象が違いやや違和感が。その隣人には松雪泰子が住んでいて、娘と2人暮らしをしています。彼女は暴力夫から逃れ、弁当屋を経営する花岡靖子の役となります。

最近では『デトロイト・メタル・シティ』のイメージが強烈だった個性派キャラの松雪泰子が、地味だが美人と持てはやされる母親に扮します。

部屋に転がり込んできた暴力沙汰の元夫をワケありでいきなり殺害した花岡親子。物音でたずねてきた石神ですが、事情を知った彼は親子へのアリバイ工作に加担することとなる。

事件に際し、内海湯川が登場することになりますが、湯川は石神とは大学時代の親友です。天才的な頭脳を持つ石神の、事件の裏にある思惑を察知する湯川。後に事件に関与した友人の動機を知り苦悩し、事件への協力をためらいます。ここが本作のひとつのテーマであり、ポイント。

家庭事情により悲劇的な人生を余儀なくされる人物の無償の愛。天才的な論理的思考の持ち主であっても、揺さぶられる心の問題は難解なもので、恋・愛があればその人へ向けてどんなことでもするのであろうかと。

湯川先生が恋沙汰について語ったのは意外というか、だからこそ美人に敏感なのだろうけれども(笑)彼の観察力はさすがであります。ラストの真相解明はなかなかに唸るものがあり、謎解きとして面白く出来ていました。

山に登りたがる石神=堤真一には『クライマーズ・ハイ』をちょっと思い出す。その雪山の広大な俯瞰ショット、冒頭の実験場における爆破シーンと、映画としてのスケール感を出しつつ、人の感情の動きを大きく描いた映画だ。雪山における“目の演技”がすごい~

最後の石神の慟哭、そしてそこにいる花岡親子、愛の動きは果てしない。堤真一、並びに松雪泰子の演技は流石だった。何故にそこまでして花岡靖子を助けようとするのか。過去のフラッシュバックが切ないね、結構ウルッときましたよ。

いくらなんでも愛する人の為に他人を巻き込んじゃあいけないよね、後半ちょっとサイコになったねって印象もありましたが、とてもディープでシリアスな人間模様を見た気がします。

Photo友人の行動を理解できる変人ガリレオ・湯川先生にも、きっと無償の愛は存在するでしょ う。

その相手は近くにいるはず・・それは、無いかな。あったらきっと、「おもしろい」、、

映画版は重く、暗く、真面目な印象でした。

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この日は珍しくオカンを連行しての鑑賞。事件モノが好きそうだし、老後のひとり退屈な生活にちょっとした刺激になるかなぁと。話は「だいたいわかった」そうです。まぁ、やや無頓着な性格は相変わらずな印象(;´▽`A``

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コメント

※訂正アリ
 >花岡泰子→花岡靖子
 >湯川先生→湯川(教授)

投稿: たまさん(主) | 2008年10月11日 (土) 01時06分

まいどどうもです
原作を読んでいて、ドラマも見ましたが
雰囲気が違ったので不安に思ってた作品です
ドラマと違って重いテーマを良い雰囲気で
作ってくれたので有り難かったです
堤さんと松雪さんのおかげで重厚な人間ドラマ
としても見られました
特に松雪さんはDMCを見てたので驚きでした
別人ですね~
雪山はロケ地を知ってるせいかスケール感より
ギャグに見えてしまいました

投稿: くまんちゅう | 2008年10月17日 (金) 00時31分

トラコメどうもでした。
一年中テレビつけながら仕事してるので、
平日昼間の再放送枠では、年に一回くらいは「やまとなでしこ」の再放送がやってる気がしますよ。
テーマ曲は「everything」だし、押尾学・矢田亜希子も出てるし・・・
もちろん主演は松嶋菜々子と堤真一・・・
今年もそろそろ再放送される時期ではないかと思います、同じフジテレビの作品だし。

投稿: ひらりん | 2008年10月17日 (金) 01時50分

たまさん、こんにちは!

>本編の主役は堤真一と松雪泰子ではなかろうかと
そうですね、この二人にはほんとの役者は違うなと思わせられました。
堤さんはラストの感情の爆発がスゴかったです。
だからずっとおさえた演技をしていたんだなと。
探偵役湯川はドラマとしては引き気味でしたが、考えてみれば湯川も石神も同じタイプの人間なわけで、湯川からすれば石神にそうなったかもしれない自分を見たのかもしれません。

投稿: はらやん(管理人) | 2008年10月18日 (土) 08時18分

>くまんちゅうさん、
まいどどうもです。
松雪さん、同じく、別人でしたね。役者魂ここにアリです。
雪山はやっぱり無かったほうが良かったんですかね。
TVでもいいじゃんって内容の映画だけに、広大な景色を入れたかったかのような思惑がちょっと感じられます。

投稿: たまさん(主) | 2008年10月19日 (日) 01時20分

>ひらりんさん、どうもです。
『やまなで』、懐かしいドラマです。
年に一回の再放送!?まったく気がつきませんでした。今度あったら見ましょうかね。
「everything」ヒットしましたよねー
当時、矢田亜希子目当てで見ていた気もしますが、そういえば、押尾学も出てましたね。
人との出会いは繋がってます。

投稿: たまさん(主) | 2008年10月19日 (日) 01時34分

>はらやんさん、こんにちは。
石神と湯川は同類項みたいなところありますから、わかるんでしょうね。
自身を生かしてくれた彼女への「献身」が計算とおりにいかなくなり、「どうして」と泣き崩れる彼の姿、印象的でした。

投稿: たまさん(主) | 2008年10月19日 (日) 01時57分

書き込み及びトラックバック有難う御座いました。

内容的には決して悪くは無いのですが、ネット上で兎に角「純愛に感動した!」といった意見ばかりなのには「うーん・・・。」という思いでした。ですので、たまさん様の「いくらなんでも愛する人の為に他人を巻き込んじゃあいけないよね。」という御意見には全く同感ですし、一寸ホッとした思いです(^^)。

東野氏の作品は好作が多いのですが、最近の作品で言えば「流星の絆」(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/ea9b17fbd67a150ee0a95600314fc8db)が御奨めです。ドラマ版(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/a7f9cd441d122a053b9321fe1523619a)は個人的には「こりゃ酷い・・・。」と思いましたが(苦笑)。

投稿: giants-55 | 2008年10月20日 (月) 12時12分

giants-55さん、いらっしゃいませ。

ひたむきな愛という意味では純愛になるのかもしれませんが、他人を殺害してますから、広い意味で彼の行動は愛ではないと思います。異常です。

トリックとしてラストの謎解きには唸るものがありましたが、同時にホームレス如何が出てから愕然としてしまったのも事実。ここをクローズアップして視点を変えると当然まったく違う話になります。

ドラマで話題になっている「流星の絆」、見てませんけど、小説から入ったほうが良いかもしれませんね。


投稿: たまさん(主) | 2008年10月21日 (火) 01時48分

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