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2008年6月 8日 (日)

映画『ラスベガスをぶっつぶせ』

Photo

MIT(マサチューセッツ工科大学)の学生達がベガスに行ってこっそり大金を稼いだという実話がベースになっている作品。実話とはいえ、その物語はエンタメ感溢れるフィクション仕込みの作風で、どこまでホントかは分かりませんが、映画としては大変面白く出来ていたと思います。

ラスベガス!いいですね、一度は行ってみたいところです。二度友達にも誘われたんですけどね、行けなかったんだね、残念。お土産ありがとうございました。行ってみていかに楽しいところかは話でも重々きいております。

美しい街並に華やかなカジノ。ランス・バートンのマジック・ショーはとりわけマジック好きな者としては一度見ておきたい。

そんな憧れなんぞを胸に、ラスベガス映画を観て来た訳です。しかも実話が基になっている。ブラックジャックを数学の理論的な戦術で勝利へと導く“カード・カウンティング”という技法が描かれていました。最初は物理的な手品のトリック、イカサマかと思いましたが、これ数学者のデータ分析ってところがまた凄い。

カウンティング手法は物語を断絶させることなく劇中でも分かりやすく解説してくれます。ブラックジャックのルールを完全に理解していなかった為、ちょいと分かりにくい部分がありましたが、後で気になってネットで調べました。

ん~、それでも、「これで勝てるのか?」と、凡人には理解できない確率。やっぱり賭け事、シャッフルされると終わりだよね。

Photo他人のフリしたチームのひとり(偵察役)がプレーヤーに秘密のサインを送るなどチーム・ プレイの妙技が楽しめて、そこらへんは見せ方がうまい。けど、防犯カメラに映っていてバレバレじゃないですか。どうも ルール違反になるようで、見つかってとっ捕まえられたらボコボコにされ、「二度と来るな」と脅しをかけられる。カジノの裏側はヤクザ社会か。

◎物語が面白く描かれています。〈以下、後半のネタバレにご注意〉

ハーバード大学医学部へ進学する為の学費(30万ドル)が必要で苦悩するMITのエリート学生ベン(ジム・スタージェス)が、彼の天才的な数学力の才能に気付いた教授ミッキー(ケヴィン・スペイシー)の勧誘を受けカード・カウンティング研究チームへ仲間入りし大活躍。そこにはベン憧れ&お気に入りの美女ジル(ケイト・ボスワース)もいた。 

彼女、映画『スーパーマン リターンズ』(06)で出てました。ベッピンさんです。一歩引いてはチームの行動をちゃんと見ている才女といった印象で、髪型や衣装が変わるたびに色気が増す良い役柄を演じておられたと思います。

ジム・スタージェスは“天才”という風格よりむしろ見た目は甘く優しき好青年な感じ。母親思いの主人公を好演。金のためにやるんじゃないとかいいながらも、高級スーツに身を包み、徐々にギャンブルの世界に嵌り理性を失うところ、親友2人を置き去りにしてしまうところなんぞ、作中に警笛を鳴らしております。ギャンブル依存症には気をつけましょう。

チームの仲間割れなんかも描かれています。エリート集団も感情を持った人間ですから、いろいろあるよね。感情に支配されずに、理論的に行動する事が大事だと悟る。“変数変換”も強調されていた。

Photo_2で、ヘマやらかして、教授を怒らせるんですね。「この青二才!」って。ベンの学籍を剥奪する教授、ケヴィン・スペイシーはやっぱり曲者俳優。作品自体をプロデュースしておられます。かの名作『セブン』(95)のキャラのイメージがなかなか消えないのだが。

ボコボコにされてベガスから戻ってきたベンは全てを失うが、再びベガス攻略を胸に教授に接近、リベンジへと向かう。

ヘマやらかした時点で優しいドラマに転じるんじゃないかと思ったんですが天才のやる事は違います。まだ懲りないのかよ!と。教授も只者ではない。
「~教授、そこでうなずくかよ、いろいろ偉そうな事言っといて、結局あんた、金が欲しいだけやんけ。」
なんてこと思ったのは私だけ?

Photo_3ラストの展開はうまかったです。ヒロインとの修復作業も上々、年金が欲しいカジノのおっさん(ローレンス・フィッシュバーン)との裏工作が微笑ましくもあり。教授はその後どうなったのだろう。最後の最後でこのエピソードがハーバード進学に繫がるところ、クスッと笑いがこみ上げる出来で後味は爽快。

どこからどこまでが実話なのかな。記事で見ましたが、94年にMITのブラックジャック・チームに誘われた学生ジェフ・マーが実際劇中でディーラー役として登場していたようです。

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コメント

記事中、算用数字と漢数字が混在していますが、気になったところだけ修正しています。『教授』に怒られそうだわ、、

投稿: たまさん(主) | 2008年6月10日 (火) 23時58分

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» ラスベガスをぶっつぶせ [Movies 1-800]
21 (2008) 監督:ロバート・ルケティック 出演:ジム・スタージェス、ケビン・スペイシー、ローレンス・フィッシュバーン MITの学生がカードカウンティングという技法でラスベガスのカジノで大金を稼いだという実話を基にした創作。 この邦題だと、天才学生が得意の頭脳を駆使してカジノに挑み、それを阻止しようとするカジノ側との攻防戦を描いた痛快サスペンス系の映画のようだが、実際はカジノを題材の一つにした典型的な青春映画といった感じ。 このように、内容と会わない邦題をつけたり、宣伝スタイルをとるのは、最... [続きを読む]

受信: 2008年6月 9日 (月) 00時49分

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「ラスベガスをぶっつぶせ」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *出演:ジム・スタージェス、ケイト・ボスワース、ローレンス・フィッシュバーン、ケヴィン・スペイシー、アーロン・ヨー、ライザ・ラピラ、ジェイコブ・ピッツ、他 *監督:ロバート・ルケ..... [続きを読む]

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