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2008年6月12日 (木)

映画『ブラックサイト UNTRACEABLE』

Photo世間を騒然とさせる“劇場型犯罪”。4月に公開されたこの映画『ブラックサイト』、一面ニュースのトップを飾った秋葉原の事件とは何の関係もないかもしれないが、どこにでもいるような人間がある日を境に凶行へと及ぶ様は共通した部分さえ臭わせる。

映画自体はあんまり面白くはなかったです。京都へ行ったときに、ちょうど時間潰し程度にふと劇場に立ち寄り観た作品で、記事にするのもすっかり忘れてました。しかしながら、案外バカに出来ない映画だったかと思い返します。

ここに登場する犯人像が幼稚且つ短絡的で残虐。犯行へ及ぶ動機が想像を絶するものである為なのか、まるで理解できないし、まぁ、そこは映画として面白くみせようとしていたのだろうけれど。。精神に異常をきたすところは現代社会に警笛を鳴らすものであろう

FBIサイバー捜査官ジェニファー(ダイアン・レイン)がネット上にライブ中継される公開殺人の犯人を突き止めるべく活躍するサスペンス・スリラー。

画面には縛り付けられ、薬物を投与されている男が。アクセス数が増えるごとに投与量も増やされ、やがて死に至るという仕掛けが施されていた。興味本位で観ているネット利用者が犯罪へ加担するような作りになっているが、観ている人間が悪いことにはならんだろう。結局はキチガイ化した犯人が悪い。

前半は謎解きから始まるが、後半から犯人の姿が簡単に映し出されてしまうのでサスペンスの面白味はなし。人気映画『ソウ』シリーズに便乗したようなグロなシチュエーション・スリラーで見せようとするので重いテーマが安っぽいものになってしまっていた。人間ドラマが希薄。

Photo_2警官だった夫亡き後、母親と幼い愛娘と暮らすジェニファーの生活は昼夜逆転。娘の為に夜勤シフトで頑張るお母さん、一見幸せな家庭にも魔の手が忍び寄る。

相棒グリフィン(コリン・ハンクス)を捕らえられたジェニファーに犯人が急接近、タフな彼女が逆転に転じるところで恐怖感が倍増した物語に終止符を打ちます。

ダイアン・レインは歳相応の薄メイク、役柄で主人公をうまく演じきっていたと思います。「運命の女」(02)以来の、当たり役かもしれない。

社会派サスペンスというにはB級の臭いをプンプン放つスリラー作ですが、かつて、リストラにおける中高年の自殺や病める若者達のニュースを見るにつけ、現代社会の「みえない狭間」を浮き彫りにするような映画ではなかったかと、怪しくも改めて思いました。

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