映画『大いなる陰謀 LIONS FOR LAMBS』
ロバート・レッドフォード監督作。彼の監督作はこれまで未見でしたが、出演作として印象に残っているのはダスティン・ホフマンと共演した映画『大統領の陰謀』(76)があります。“ウォーターゲート事件”の真相を突き止め、ニクソン大統領を失脚にまで到らしめた新聞記者の活躍を描いた作品。
今回の映画も同じ『陰謀』繋がりのタイトルで、『大いなる陰謀』とはいったい何の事か、そこには“選挙戦”という同じカラクリが潜んでいるように思えました。さらに、トム・クルーズ扮する上院議員の語り口からも分かるとおり、視点がかなりマクロである。
彼の言葉には責任と重みがある。テロ戦争を勝利へと導くためにアフガニスタン現地にて少数精鋭部隊により新作戦を展開させ、その真実の情報を流すようにとジャーナリストの女性に語る言葉のひとつひとつ。
「騙されてはいけない。これはプロパガンダ。」怪優ならぬ名女優メリル・ストリープがトム・クルーズに疑問を投げ掛ける。
新作戦には志願兵の2人(マイケル・ペーニャ、デレク・ルーク)がいた。彼らが在学していた大学の教授(ロバート・レッドフォード)はひとりの学生に『参加することの重要性』を伝えている。
ハリウッド屈指の俳優達によるトーク・バトルは字幕を追うことに徹しました。読んで読んで読みまくっては考える。けれども疲れたり飽きたりすることは無く、ぐいぐいと引き込まれていきました。
イラク戦争の是非が問われる時勢でいまのアメリカを1時間30分の講義で教えてくれる映画です。「さぁ、あなたならどうする?」 観客に問い掛けます。
陰謀を語るのは空論にすぎない。じゃあ、参戦しよう!いや、そうではない。
日本とて、徴兵されて「おめでとうございます!」なんて言われる時代がまた来てしまったらどうだろう、恐ろしいことである。
民主主義をめざし、世界が平和になることと個人が幸せに生きることには大きな開きさえ感じるが、「無感動」「無関心」「無反応」ではいけない。そういった事柄を認識しつつ、日々前向きに暮らせればいいのではないかと私は思う。
『陰謀』という名目は計り知れずとも、レッドフォード監督は確かな口調で問題を提起していました。歳は取っても目は輝いてみえる俳優さんでもあります。ダスティン・ホフマンの隣にいた時は若かった。
◎見応えありました。あの学生の今後の予定が気になります。
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