映画『ワイルド・タウン2 WALKING TALL:THE PAYBACK』
実在した保安官ビューフォード・パッサーをモチーフに、腐敗した故郷を立て直すため一本の棍棒を手に立ち上がる男の勇姿を描いた勧善懲悪物語。一作目はザ・ロック主演で豪快なアクションが堪能できました。
今回はキャストを一新し、現代的なアレンジが施されています。
中学、高校の時によく親父と見たB級アクション映画を懐かしく思い起こすような作風でした。
男として生まれてきたからには、メラメラと燃え滾るものがこういった作品からは感じ取れる。アホなガキがアホなまま大人になって取り返しのつかないド悪党になる。ド悪党には正義の鉄拳をお見舞いしてやるしか成す術が無い。良い子のボクちゃん達には悪影響ですから、こういう映画は見なくてよろし。
この映画の主人公は「正義とは金と権力」と言い切った。世の中を見透かしている。悪事を働くものでも、金さえあればどうにでもなるということだ。
私利私欲の為に他人を不幸に陥れる悪。簡単にそれが「悪」だと決め付け、割り切れるものではないが、根本的な原因は何かと色々考える。人間に「欲」というものがある限り、決して消えないものなのだろうか。ある人が善だと思うことが、ある人にとっては悪だと成りうる事もあるだろう。人が健康で長生きできることが基本かもしれないが、そこに「尊厳」が加われば考え方もまた違ってくる。
勧善懲悪のアクション映画はフィクションという名目、娯楽作という理由付けで昇華される。登場人物のアイデンティティに常に疑問を投げ掛けつつ、「私もあなたの立場ならそうするかもしれない」というところで感情移入し、バイオレンス描写に息を呑むのだ。
一見平和に見える田舎町が舞台ですが、弱いコミュニティが形成されると上に出てくる者が必ずいる。それぞれの店を買い占め、人々を脅し、上へと上り詰める悪。黒幕はとある巨大企業だ。
話の内容は前作とよく似ていていますが、ちょっとしたアレンジが施されていました。正義感の強い保安官の父の不可解な死をきっかけに、元特殊部隊の男が故郷に戻り平和な町を取り戻すため立ち上がる。気丈な母、ウェイトレスの彼女、友人の保安官、馴染みある隣人達。FBIの女性捜査官も加わった。
極端な悪には極端な正義が必要であり、その正義が周りを巻き込み悪に変わりそうな危うさも描かれている。“目には目を、”では犠牲があまりに多い。そういった歯痒さもあるが、自らの信念に赴き、行動する人間の姿には熱いものがこみ上げてくるのも事実。B級と言い捨てるには惜しい、DVDで観るにはちょうど良いアクション映画の快作でした。これは3に続きます。
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ワイルド・タウン2 販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント |
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