映画『グッド・シェパード』
アメリカ合衆国の諜報機関であるCIA。いまだに謎の多い秘密部隊による草創期が描かれるということで、如何わしいながらも興味津々で劇場に向かいました。CIAといえばジェイソン・ボーンシリーズで大活躍のマット・デイモン。彼が今度はマッチョ・デイモンというよりか、見た目はマトモ・デイモンな感じで内向的な諜報員を演じておられました。
CIAの誕生から冷戦時代の諜報活動がメインの壮大な物語なのですが、エドワード・ウィルソン(マット・デイモン)という青年が二股をかけてはできちゃった婚をし、後に淡々と着実にCIAの仕事をこなす地味な展開。彼はマトモなのか、イカレテルのか!?その活躍は事件の背景を臭わせる程度で、終始分かりづらい。コレ、つまらなかったな~、、
秘密ばかりな夫に耐えられず、疲れ果てる妻クローバーにアンジェリーナ・ジョリーが扮する。ジョリーは顔からして迫力があり、いまにも暴れだしそうなオーラを放っているが、とにかくこの映画では我慢しているように見えてしまい滑稽だった。過去の出演作がかなり強力だからね。
結婚してから22年という歳月が流れているにも拘らず、夫婦がまったく老けていないのはなんかおかしい。特にエドワードは。不老長寿の薬でも手に入れたのかしらん。息子はいつの間にかすっかり男になっているのに・・。
◎冒頭のシーンが伏線となってラストで収束します。
他人を信じないように施す将軍の言うとおり、誰にも感情移入できないスパイ合戦が繰り広げられる。「あれ?あの人は誰でこの人は誰だったかなぁ・・」と、混乱しまくりになる為に物語のベース自体が信じられなくなってくる始末。前半は特に辛かったです。「これ、2時間以上も見なきゃならんのか。」
劇場には年配の方も結構見受けられましたが、CIAやそれにまつわる事件を少しでも知ろうとする若者達にとって、この映画は逆に興味を無くさせる要因になりかねないのだろうかといらぬ危惧さえしてしまった。
後半になるとなかなか面白味は出てきましたが。
イエール大学にある秘密結社 スカル&ボーンズの存在やCIAとFBIの関係、イギリスやソ連の諜報員の工作など非常に興味深かった。しかしどうも腑に落ちない主人公エドワードの淡白なキャラクターから話が生かせてないような気がする。それがCIAなのか。正直、『ボーン・アルティメイタム』にもう気が行ってしまってる自分がここにおります。
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コメント
コメトラ有難うございました。
秘密結社とか諜報機関とか大好きなので、全然長く感じませんでした、実際のCIAの活動は地味な物らしいですし、相手に感情を読ませないことが大事なので、無表情なマットはにあってたと思います。
ボーンシリーズはフィクションとして派手なアクションを楽しみにしています。
投稿: くまんちゅう | 2007年10月28日 (日) 19時00分
くまんちゅうさん、こちらこそコメトラ、ありがとうございます。
>相手に感情を読ませないことが大事
確かに、マットは無表情ですね。この手のはなしには合っていると思います。
長かったですけど、後半は引き込まれるものがありました。
無表情なボーンのラストはどうなるのでしょう。楽しみです。
投稿: たまさん(主) | 2007年10月28日 (日) 20時21分
こんにちは♪
ボクは逆に前半は惹き込まれて後半がちょい苦でした。
キューバ危機のエピにもう少し盛り上がりがあれば最
後まで集中できたかなと思えました。
ロシア人スパイ連は完全に顔と名前が一致出来なくなっ
てました…。r(^^;)
投稿: 風情♪ | 2007年10月29日 (月) 10時59分
風情♪さん、こんにちは。
誰が誰だったか?って感じでダレてしまいましたね。後半の盛り上がりにも欠けていました。
ローラのエピを増やすと別の意味で面白かったかもしれません。
投稿: たまさん(主) | 2007年11月 1日 (木) 01時54分