映画『プレステージ』
手品は趣味程度に嗜む当方、この作品は稀に見る『マジックを真っ向から題材にした映画』として以前から楽しみにしてました。ようやく公開される運びとなりじっくりと鑑賞、その模様は小手先のものではなく、体を張ったまさに命懸けのものでした。
◎物語は19世紀のロンドンから、奇術修行中の身であったアンジャー(ヒュー・ジャックマン)とボーデン(クリスチャン・ベール)による頂上決戦です。この闘いは憎悪によるもので、事故で妻を亡くしたアンジャーがそれに関わっていたボーデンを恨み、彼の演じる手品のタネを暴こうとしては究極の瞬間移動に辿りつく姿を追います。一方のボーデンも負けちゃあいられない、誰も知らないトリックを持っている。そのスーパー・トリックで嫁さんをゲット。

この二人の間に入る相変わらずな小悪魔、助手のオリヴィア役のスカーレット・ヨハンソン がまた可愛らしい。ボーデンの嫁さん、サラ(レベッカ・ホール)のドラマがまた深くて良かった。嘘で塗り隠されたマジシャンの実生活、「私には正直でいて」と。
私はクローズアップ・マジックが好きで、たまにコインやカードを使ったマジックをするのですが、この映画で登場するマジックは水牢脱出や銃弾つかみというとても危険なものがハイライトとして描かれています。たとえ大金をもらったとしても絶対よーしませんよ、このようなマジックは。 ・・あ、お呼びでない?
人の命を犠牲にするマジックなど今では到底考えられませんが、実際にあったとされるマジックやそれによる事故も作中に取り入れられていました。こわいですねー、舞台裏がこんな過酷なものとは。ドロドロしてます。
ニコラ・テスラという科学者が重要なキーパーソンとして登場、彼を演じていたのはデヴィッド・ボウイだったようで、気付きませんでした。とにかく凄いSF男です。SF男 のする事は半端じゃございません。ラストがどうなるのかとハラハラしてたのですが、彼のおかげで凄い方向に転じましたね。「ええ~っ!!」というよりは「あれれれ、、?」という感じ。
嫁さんゲットやシルクハットのシーンで伏線は張られ、タネ明かしもしているので解りやすいのですが、話が違う方向へかなり変わるので唖然。あまり空想を膨らますと何でもありな状態に陥ります。この映画自体がもう、マジック=魔法ですね。究極の瞬間移動VSスーパー・トリックの行方はー。
ゴージャスなステージ・マジックよりも、助手もサクラもいらないクローズアップ・マジックの方が好きです。水槽で溺れ死ぬようなことも、SF男に引っ掛かる事も無いからね。そりゃ、無いわ(笑)

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» プレステージ [Akira's VOICE]
派手さはなくても,先を読む興奮はぎっしり。
[続きを読む]
受信: 2007年6月18日 (月) 10時09分
» 全てはラストシーンの為にある。『プレステージ』 [水曜日のシネマ日記]
二人のマジシャンの物語です。 [続きを読む]
受信: 2007年6月18日 (月) 12時32分
» 「プレステージ」みた。 [たいむのひとりごと]
イリュージョンバトルは、単なる骨肉の争いかぁ・・・。『結末は絶対に誰にも言わないでください。』のメッセージが冒頭に登場する事でもあり、ネタバレするような無粋なことをするつもりはないけれど、かつての『... [続きを読む]
受信: 2007年6月18日 (月) 20時38分
» プレステージ・・・・・評価額1600円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
ウルヴァリンVSバットマン。
若き異才、クリストファー・ノーランが二大アメコミヒーロー俳優を主役に迎え、二人の天才マジシャンの交錯する運命の皮肉を描いた「プレステージ」は、良くも悪くもノーランらしいひねりの効い... [続きを読む]
受信: 2007年6月18日 (月) 20時45分
» そう来たのか〜〜「プレステージ」 [茅kaya日記]
ネタばれ無しで感想書くの
とってもむづかしい映画です。
でも、この映画観るときは、絶対ネタばれ無しで
観ないと面白くないです。
まさに、手品、奇術、イリュージョンの世界。
と言うわけで、ここからはもちろんネタばれ有りです。... [続きを読む]
受信: 2007年6月24日 (日) 22時25分
» プレステージ [ともやの映画大好きっ!]
(原題:THE PRESTIGE)
【2006年・アメリカ】試写会で鑑賞(★★★★☆)
二人の若き天才マジシャンたち。
ある女性が舞台上で死亡したことにより、二人は憎悪を込めてぶつかり合うことになる。
やがて舞台上で起こるもうひとつの死。
騙しのプロフェッショナルが命をかけて繰り広げる、壮絶なトリックバトルを描いたサスペンス作品。
原作は世界幻想文学大賞を受賞したクリストファー・プリーストの「奇術師」。
19世紀末のロンドン。【偉大なるダントン】と異名を取るロバート・アンジャー(ヒュー・ジャック... [続きを読む]
受信: 2007年6月25日 (月) 23時45分
» 「プレステージ」 [Tokyo Sea Side]
この映画は予告が良すぎます(笑)「期待ハズレ」という意見も周りでチラホラ聞いていましたが、やっぱり気になっていたので観に行きました。
最初はなかなか名前や人物関係、時間軸が把握できませんでした。きっとその間にいくつもの伏線を見逃しているコトでしょう。。ラストは正直「今どきそんなオチ!?」と突っ込みたくなりました。ただ、とにかくラストが気になって先走って観ていたので、もう一度観たらまた違った風に観れるのかなぁとは思いました。... [続きを読む]
受信: 2007年7月 2日 (月) 15時53分
» アブラカダブラ〜〜と呟くのは?!プレステージ [銅版画制作の日々]
ヒュー・ジャックマンクリスチャン・ベイル
二人のマジシャンの確執が悲劇をもたらす「X-MEN」でお馴染みのヒュー・ジャックマンがマジシャンで登場。おイメージ一新って感じで新鮮そして迎え撃つライバルマジシャンはクリスチャン・ベイル、よく見ると、結構強面な感じ。いまだあの「マシニスト」の365日眠れない男役が重なる。「バッドマン」より、インパクトがあるかも・・・・。
ということで、6月12日に、MOVX京都で鑑賞して来た。時間が経ったので、ちょっと記憶が薄らいでいるが。タイトルにもした“アブラカダブ... [続きを読む]
受信: 2007年7月 7日 (土) 00時49分
» 映画 ファウンテン 永遠につづく愛 [映画情報ガイド]
「ファウンテン 永遠につづく愛」は、男女のすれ違う思いを通して
“死”に対する哲学的な概念を見事に普遍的なラブストーリー。
主人公トミーを演じるのは、ハリウッドで華々しい活躍を
繰り広げるヒュー・ジャックマン。
... [続きを読む]
受信: 2007年7月 9日 (月) 18時17分
» 13日の金曜日!映画「プレステージ」を観た [apple of the nariyuk's eye]
日課であった1日1回パソコンに電源入れるも、日々労働の疲れで自身でもブログにアク [続きを読む]
受信: 2007年7月14日 (土) 15時44分
コメント
★未見の人はご注意!仕掛けだらけのこの映画の秘密を知りたい方はこちらのサイトへどうぞ!→【ネタバレ徹底紹介~ラストの「まさか!」と、その謎を大検証!】
投稿: たまさん(主) | 2007年6月17日 (日) 08時52分
こんばんは。
予想外なあまりの物語に少々唖然。
反則技に一本かなぁ。
投稿: たいむ | 2007年6月18日 (月) 20時39分
ああ~、たいむさん、辛口でしたね(笑)
これをシルクハットの『誤誘導』と捉えるか、ただの『SF』と捉えるか。あまりの物語にあれれでした。
なんか、無性にネタばらしたくなってきましたわ。
投稿: たまさん(主) | 2007年6月18日 (月) 22時08分
はじめまして~~
少々、反則技って気はしましたが
充分面白かったです。
ラストは、やっぱり。。。って気分でしたが。
ただ、殺していたとは。。
生きていられないのでは??なんて思ってたもので。
ネタばれでないと、語り合うことのできない映画ですね。
投稿: mariyon | 2007年6月24日 (日) 22時28分
mariyonさん、コメ&TBありがとうございます。
テスラ装置はただの見せ掛けで、何か巧妙なトリックを使っているのではと思ったりもしたのですが、最後の最後でああ・・やっぱり・・てな感じでした。
生かしといて、「分身の術!!」とかステージを変えると面白いかも(妄想)まるで違う映画になっちゃいますね(笑)
投稿: たまさん(主) | 2007年6月25日 (月) 23時19分
こんばんは、たまさん!
宣伝文句の『すべてを疑え!』っていうのがなかったら、もっとミスディレクションに引っかかったかと思うんですが、疑りながら観た所為でオチが途中で判ってしまいました。
でも2人の争いが壮絶だったんで、十分楽しめましたけどね〜!
投稿: ともや | 2007年6月29日 (金) 04時27分
こんばんは、たまさん!
1回しかコメント送信してないのに、3回もアップされてます〜!
ゴメンナサイm(_ _)m(ペコリ)
お手数懸けますが、削除しておいてくださいませ〜!
投稿: ともや | 2007年6月29日 (金) 04時30分
ともやさん、コメントどうもです!
まったくもって、壮絶な映画でしたね。
『すべてを疑え!』なんていわれたらそりゃ全部疑っちゃいますし、何でもアリです。
3重投稿の分は削除しておきました。
投稿: たまさん(主) | 2007年6月29日 (金) 14時09分
たまさん
今晩は☆★
二転三転するので、本当に頭のなかがパニくりましたね。
それなりに楽しめましたが・・・・。
東宝シネマ二条で鑑賞されたのですか?ということは
京都市内にお住まいなのかな???
投稿: mezzotint | 2007年7月12日 (木) 23時20分
mezzotintさん、
ご訪問ありがとうございます。
パニくるけれど、面白かったですよ♪
「京都市内」在住ではないのですが、
市内には年に何回か繰り出します。
そこから約2時間と離れたところの田舎でひっそりと暮らしています。
投稿: たまさん(主) | 2007年7月13日 (金) 18時41分