映画『ワールド・トレード・センター』
『ユナイテッド93』に続き9.11 が テーマの映画である本作を観てきました。
救助の為に世界貿易センタービルに入り、瓦礫に閉じ込められた実在の港湾局新米警察官ウィル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)と巡査部長ジョン・マクローリン(ニコラス・ケイジ)、さらにその家族とのドラマを社会派オリバー・ストーン監督が描いた実話です。
生還した二人は製作にも深く関わっていて、実際劇中にも登場、ラスト・シーンではヒメノ氏の本当の家族も出演していたようです。
この作品に政治色は一切ありませんでした。
事件の背景は措いといて、いつも通りに生活をしていた家族が困難な状況に陥る姿を淡々と描いています。
生き埋めになっても声を掛け合い、お互いの生存を確認する二人。
痛々しいシーンが続きますが、家族に想いを寄せる回想シーンも挿入され、生死を確認できないままに錯綜する2組の妻や子供達も劇中リアルに描写されています。
『人間、死に直面しないと本当の幸せなんて感じないのだろうか。』
そんなことも考えさせられるシーンも見受けられました。
この9.11映画に陰謀説もテロリズムもございません。
逆にいえば、オリバー・ストーンが事件の背景を描いていないのが返って事件を引き立たせているようにも見えます。これだけの規模の事件なのに作品中軍隊だって出てきませんし。~なんか、二人は生還してますけど、ひたすら悲しい旋律が脳内リフレインを巻き起こしてどんより張り詰めた空気が私を支配しようとしています。
エンドロールも暗いし・・・。
こうなったら、『9・11事件 3部作』とか、作ってくれないかなぁ。で、本作はその序章。
歴史に名を残す壮絶な物語になるんじゃないでしょうか〈妄想〉
以下、オリバー・ストーン記者会見インタビュー
※日経エンタテインメント!06.11月号116ページ記事引用↓
「9・11のテロは、神話化されている側面が強く、政治的に利用されている気がしている。あのテロ以降、アメリカは恐怖ばかりが先に立ち、暗くなってしまった。政府や国家を批判するよりも、実際に閉じ込められた人々は、どのような状況で、どれほど苦しんで闘ったのか。彼らの勇気に目を向けることで、頑張ろうというエールを送りたかった。」
「20年後、30年後にこの作品を見たとき、あの日、あの瞬間、アメリカ人は何を思ったのかを伝えたい。最も素晴らしい9・11の記録フィルムといえるだろう。この映画を観て様々なことを語ってほしい」
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ワールド・トレード・センター スペシャル・コレクターズ・エディション 販売元:パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン |
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コメント
初めまして。書き込み及びトラックバック有難うございました。
自ブログでも書きました様に、恥ずかしながらニコラス・ケイジ氏の名前は存じ上げていたもののその顔を全く知らなかった為、この作品で初めて見て「スキャットマン・ジョンか?」と思った次第です(苦笑)。検索して顔の昔の写真を見たのですが、顔の感じがかなり違って見えますよね。他の方が書かれていたのですが、イメージ作りの為にメイクをかなりしたのではないかとの事でしたが、それならばなるほどという感じです。
オリバー・ストーン監督がこの作品を作ったと知った時点でかなりの期待度を持ちました。その期待度が高かっただけに、正直ガッカリした部分は在るのですが、あれだけの巨匠ですから仰る様に次作でリベンジしてくれるものと期待しています。
今後とも何卒宜しく御願い致します。
投稿: giants-55 | 2006年10月20日 (金) 02時03分
giants-55さん、コメントありがとうございます。
良くも悪くも前評判通りの作品でした。この事件を引き起こしたバックグラウンドを考えればよけいに悲壮感が漂う作品です。
いくつか企画にある映画のひとつ“ジョーブレーカー”に期待します☆
こちらこそ今後とも宜しくお願いいたします。またそちらへもご訪問させていただきますね。
投稿: たまさん(主) | 2006年10月20日 (金) 11時16分
こんばんわ。
お久しぶりです☆
僕も観る前は政治色の強いアメリカ賛美の映画だったらどうしようかと思っていたのですが(^-^;
愛するもののために生きる事を諦めない主人公たち、その生還を信じる家族、危険をかえりみず救出活動をする人々の姿に感動しました(>_<)☆
投稿: りんたろう | 2006年10月20日 (金) 20時53分
りんたろうさん、いらっしゃいませ☆
閉じ込められた二人には『眠っちゃだめだ!』なんて思ったりしました。2組の妻や子供達の辛さもよく伝わってきましたね。こっちまでしんどくて、劇場から逃げ出したくなりましたよ。
作品の中で“悪行”は隠されたままですが、救出活動に専念された方々の善行には心を動かされました。
投稿: たまさん(主) | 2006年10月20日 (金) 23時14分