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2006年9月11日 (月)

映画『タイフーン』 DVD

韓国映画ってどうにも苦手だった。あの、“拍子抜けた感情の描き方”がどうしたって好きになれない。
しかしながら、最近の韓国産映画は日本やハリウッド映画にも引けを取らない作品が出てきたように思う。ここに紹介する『タイフーン』もそのひとつ。

タイフーン DVD タイフーン

販売元:アミューズソフトエンタテインメント
発売日:2006/09/08
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映画館で見れなかったのが悔やまれるが、DVDでじっくり鑑賞させていただきました。

朝鮮半島における南北分断の悲劇。深い歴史認識がなければ映画の理解力も半減するものですが、すでに『シルミド』 『JSA』やラブ・ストーリーに昇華した傑作アクション『シュリ』などで見せ付けられたやりきれぬ悲しみ・磨かれた状況設定は本作でも痛々しいまでに炸裂しています。

韓国俳優らしからぬ男前のちゃん・ドンゴンは役作りの為7kgも減量し、家族を殺された脱北者である海賊シンを熱演。この韓国・北朝鮮両国を恨む海賊男が物語の鍵であり、生き別れた姉ミョンジュ(イ・ヨンミ)が登場してからは涙を誘うメロドラマが展開します。Typhoon1

核ミサイル用の衛星誘導装置を日本へ極秘輸送する米軍貨物船(国防総省の職員が乗っていた?)にシン率いる海賊がいきなり乗り込んで皆殺しにするオープニングのシークエンスは面喰いました。これは正直「すべった」と思いましたよ。

どっこい! 核戦争の勃発を恐れる韓国政府は海軍大尉
カン・セジョン(イ・ジョンジェ)を極秘捜査官に任命、調査を開始ー。ここから俄然面白くなります。

復讐の鬼海賊シンVSエリート軍人セジョンが話のメインであり、広大な東アジアを体感するアクション活劇はエンタメ作として良好な展開でありました。

ミョンジュとシンの絶望的ドラマが重くて途中違う映画を見ているような錯覚に陥りましたが、クライマックスの海洋アクションも盛り上がりを魅せる大作志向には嬉しくなってしまいます。

ロシアから入手した大量の核廃棄物で朝鮮半島に死の雨を降らせようとするシン。
アンダーグラウンドな男一人がよくそんなこと考え付くよなぁと思いましたが、それがまたやりきれぬ悲しみ色で染め上げられているのです。

『嫌韓流』なんて本も出版され、かなり以前よりもイメージ悪い韓国ですが、映画界ではいいものあるんで、これからも期待の作品を楽しみに待っていようと思います。

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