映画『ユナイテッド93』
しかし今回は気が重かった。
傑作だった『ボーンスプレマシー』の監督ポール・グリーングラスが9.11テロ事件によるユナイテッド93便の悲劇を映画化。以下、ネタバレを大きく含む記事ですので、まだ見ていない方はご注意ください。
私の場合、まず言っておきたいのは以前の記事でも紹介した本『9.11テロ捏造』を読んだ後の鑑賞だということ。 故に“別の角度”からも内容を把握しなければなりませんでした。
乗客のほぼ全ての遺族からプロジェクトへの参加を承諾した事、事件当日に重要な任務を負ったハーンドン連邦航空管制センターのベン・スライニーという人物が実際劇中に登場する作品であることも踏まえてでの感想です。
ドキュメンタリー・タッチで描かれた作風も手伝い、映画が始まってからの緊迫感はかなりのものです。
前半戦は世界貿易センタービル北棟に激突したとされるアメリカン航空11便がレーダーから消え、さらにユナイテッド175便(後に南棟激突)まで音信不通、やがてレーダーから消えるという、各管制センター・軍の錯綜が展開。そしてアメリカン77便もハイジャックされるー。
前半から中盤は非常にスリリングでドキドキでした。戦闘機の緊急発進を発令する防空指令センターの応対などもよくできていたと思います。しかしながら“別の角度”から観ている私はそのとき大統領や副大統領は何をしていたのかとか、国防総省はどうなっているのかとか、なんで飛行機がレーダーから消えるのかとか、そちらのほうが気になって仕方がありませんでした。
後半は墜落したとされるユナイテッド93便の機内の描写がメインに。機内乗客の奔走が痛々しくもあり、複雑な心境になりました。
ハイジャック犯も一人の人間として描かれていたと思います。ラストも虚しくエンドロールへ到達ー。
当然誰も機内の様子を見ていないので、特に後半はほとんどフィクション状態です。 実際、F16戦闘機が撃墜したのではという説もあるので、結構冷めた目で観ていました。 前半は管制センターで働く人たちに感情移入するので画面に釘付け。前半戦は観客に問いかけるように、よく作られていたと思います。
今、『9.11陰謀説』が再熱しているようです。作品中、貿易センタービルも国防総省も字幕では“爆発”と出て来ますが、これは意図的なものなのでしょうか。 皆さんはどの角度から作品を御覧になられましたか?これはプロパガンダ映画なのか。
パンフの冒頭で監督は語ります。「目をそらさずに事実を描いていけば、時代に刻まれた“何か”が必ず見えてくると私は信じている。」と。
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コメント
お招きに預かりました。
>作品中、貿易センタービルも国防総省も字幕では
>“爆発”と出て来ますが、これは意図的なものな
>のでしょうか。
当時の報道では、どちらも「explosion」という言葉を何度も何度も使ったので、それを踏襲しただけと思います。この「explosion」はテロリスト19人の発表とともに、次第に影を潜めていくことになります。
投稿: Hiro-san@ヒロさん日記 | 2006年8月26日 (土) 05時00分
世界貿易センタービルに突入した2機は軍用機の疑いが出ていますね。あと、ビル内における内部爆破。
ペンタゴンに激突したとされるアメリカン航空77便は?断じてペンタゴンには落ちていない。
で、一番映画化しやすかったのが乗客名簿が確認できたユナイテッド93便だったのか。
いずれの4機とも乗客とともに消えてしまっているのが超難解なミステリーです。
投稿: たまさん(主) | 2006年8月26日 (土) 22時57分
本日は、お疲れ様でした。予想以上の出来上がりですね!今後も定期的に拝見させて頂きますので、よろしく。
投稿: ポストマン | 2006年9月 2日 (土) 01時09分
最新映画情報、“度々”でお届けしてまいりやす(笑)
投稿: たまさん | 2006年9月 2日 (土) 12時32分